“ディスプレイだらけの世界”で目を守るにはアイテムが重要だEIZO Display×JINS PC特別企画(2/3 ページ)

» 2011年12月07日 10時00分 公開
[ITmedia]
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紙に近い見え方をさらに追求――「Paper」モード

前面のボタンで「Paper」モードにセットすると、色温度とコントラストが下がり、表示が紙の見え方に近くなる

 見た目にも効果が分かりやすいAuto EcoViewだが、単に輝度を紙と同じ程度に下げても見え方は同じにならない。

 画面自体が発光するディスプレイと、環境光を反射する紙とでは見え方が違うのは当然だが、この2つの差を埋めるため、ナナオは次の段階として「Paper」モードを搭載してきた。その名の通り、画面の表示をできるだけ紙に近く見せるための画質モードだ。前面のボタンから、Paperモードを選ぶだけで、直ちに表示が切り替わる。

 森脇氏はPaperモードの工夫として、色温度とコントラスト比の2つを挙げる。

 まず色温度だが、昼間の太陽光は5000K程度なのに対し、ディスプレイは6500Kが標準(それ以上に高く設定されているディスプレイも多い)で、白が少し青っぽい設定になっている。6500KはsRGBやAdobe RGBといった規格で定められている色温度ではあるが、実は一般的なオフィス環境での白紙は白昼色よりさらに色温度が低い4000K前後なので、書類を見ながらPCで作業すると、画面が青っぽく見えてしまう。

 そこで、Paperモードでは色温度を4000K〜5000Kまで思い切って下げ、紙の白さに近づけている。「液晶ディスプレイでなぜ青っぽい表示が多いかというと、そのほうが輝度を高く設定できることも大きな理由です。青色光を軽減して低い色温度にしようとすると、緑色光も下げなければなりませんが、緑色光は輝度に対して6〜7割も貢献しているので、全体の輝度が下がってしまいます。なので、スペック競争が盛んな液晶ディスプレイ市場ではメーカーがやりたがらないのですが、Paperモードでは見る人のことを本気で考えて、あえて大きく下げました」と森脇氏は語る。

 コントラスト比についても同様だ。昨今の液晶ディスプレイは映像コンテンツの表示で黒の締まりが求められ、1000:1を超えるような高いコントラスト比の製品も少なくないが、このスペック競争も紙のコントラストからかけ離れている。一般的なオフィス環境で印字された紙情報のコントラスト比を測定すると、新聞紙は6.2:1しかなく、コピー用紙(再生紙)で10.7:1、鮮明な印刷に見える写真用紙でも49:1程度だという。

 このことから、Paperモードでは液晶ディスプレイの禁じ手ともいえる、あえて黒を浮かせてコントラスト比を30:1程度まで下げるという逆転の発想で紙の見え方に近づけている。森脇氏は「最初は黄色っぽくコントラストが低い表示に見えるかもしれませんが、もちろんカラーバランスは整っているので、目が慣れてくると、書類と同じような白色で表示が見やすいと感じるでしょう」と説明する。

木村正人氏(ジェイアイエヌ マーケティング室 広報)

 このPaperモードに真っ先に反応したのは木村氏だ。JINS PCではメガネで青色光からの影響を軽減するが、EIZOディスプレイのPaperモードはJINS PCをかけてディスプレイを見た場合の印象にかなり近いという。「Paperモードを見たとき、懐かしい故郷に帰ってきたような気分になりました(笑)。EIZOディスプレイのようにLEDバックライトなどで強く出てしまうブルーライトを抑える一方、色のバランスを整えることで、目の負担を減らし、視認性も確保するというのは、JINS PCと同じ発想で驚きました」(木村氏)

 中島氏も「これまでにも青色光をすべてカットしてしまうようなメガネはありましたが、一般の方にとっては青色が見えないことで日常生活に支障をきたしてしまう可能性もあります。そこで、JINS PCではブルーライトを中心に、ほかの色もバランスよくカットすることで、カラーバランスを保ちつつ、自然に見えるようにしています。この部分が特徴なのですが、ディスプレイ側の工夫で同じような見せ方もできるのですね」とこれに続く。

 「森脇氏によれば、ナナオ社内でPaperモードを検証する以前から、多くの使用者で低い色温度(一般には黄色っぽく見える)の画面を常用するケースが見られていたという。「今まではっきりした理由は分かりませんでしたが、ブルーライトの影響で青い色がキツイと感じて、自然に青っぽい表示を避けるようにしていたのかもしれませんね」(森脇氏)

ディスプレイの青色光はなぜ悪い?――眼科医に聞く

南青山アイクリニック東京の井手武副院長

 EIZOディスプレイやJINS PCは、ディスプレイの青色光を抑えることで、目にかかる負担が小さい表示を実現しているが、ディスプレイのブルーライトは目にどのような影響を与えるのだろうか? JINS PCの開発に協力した南青山アイクリニック東京の井手武副院長に話をうかがった。

―― ディスプレイの青色光はなぜ目を疲れさせる原因になるのでしょうか?

井手氏 ブルーライトは波長が短い可視光で、色の中でも紫外線に近い強力なエネルギーを持つ光です。現在、このブルーライトが目に与える影響を研究しているところですが、特性としてブルーライトは散乱しやすく、瞳孔の反応を多く引き起こすため、目のピントが合わせにくかったり、光がギラギラとまぶしい印象を受けやすい傾向があります。これが目の疲れを誘発すると考えられます。

 JINS PCの装用試験においては、眼精疲労の指標になる視神経機能を測定するためのフリッカーテストを実施したのですが、ブルーライトを約55%程度カットする保護メガネ(JINS PC)を装着した被験者のほうが、そうでない被験者より、目の疲労が少なかったというテスト結果が得られました。このことからも、ブルーライトが目の疲れに与える影響が確認できました。

―― ディスプレイの使用において、疲れ目を低減させるにはどうすればよいのでしょうか?

井手氏 まずはブルーライト以前に、目に負担をかけない姿勢が重要です。上目づかいになるとドライアイの原因になるので、ディスプレイを自然な姿勢で見下ろすスタイルがいいでしょう。適正な度のメガネやコンタクトレンズを装着することも重要です。

 そのうえで、環境光に対してまぶしくないようにディスプレイの輝度を調整します。ただし、輝度を下げすぎると画面が見づらくなって逆効果です。適度なコントラストを保てる範囲で輝度を下げていき、紙の書類や書籍と違和感がないように調整できると、瞳孔の反応が抑えられるので、目にかかる負担が減るでしょう。

 こうした疲れ目予防を継続的に行うには、最終的に個人の心構えや周囲の理解も大事です。その点で、ディスプレイやメガネといった製品自体に、輝度や色温度を整え、疲れ目を軽減する機能が備わっていることは、手軽な予防策として非常に有効だと思います。

―― ご自身で普段実践されている疲れ目予防策はありますか?

井手氏 実はJINS PCの話をいただくまで、積極的な予防策というのはしてきませんでした。ところがJINS PCをかけ始めると初日から効果が体感でき、今ではディスプレイを見る作業以外でも装着しているほどです。診察時は正確な色を厳密に確認したいので外していますが、例えば通勤時にも装着するほど生活になじんでいます。

井手先生は老眼治療やレーシック、白内障手術のスペシャリスト(写真=左)。南青山アイクリニック東京(写真=中央/右)
クリニック概要
施設名 医療法人社団 南青山アイクリニック東京
所在地 〒107-0061 東京都港区北青山3-3-11 ルネ青山ビル4階
診療科目 自由診療眼科、保険診療眼科
問い合わせ電話番号 03-5772-1451


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提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年3月31日