「HP Folio13-1000」は遅れてやって来た“Ultrabook™の本命”か美麗デザイン、確かな実力(2/3 ページ)

» 2012年01月31日 19時00分 公開
[ITmedia]
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メインPCとしても通用するパフォーマンス

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。SSDの搭載により、「プライマリ ハードディスク」のスコアが7.5と最も高い

 基本スペックについてもUltrabook™として、バランスがよく整っている。Windows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアを見ても、メモリやディスクの7点台をはじめ、良好な成績だ。このスコアから、Windows 7を快適に扱えることが分かる。

 本体価格をグッと抑えながら、CPUはしっかり「インテル® Core™ i5-2467M プロセッサー」を採用。デュアルコアで4スレッドの同時処理ができ、しかも「インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0」によって、PCに負荷がかかる場面では自動的に動作クロックが定格の1.6GHzから最大2.3GHzまで瞬時に引き上げられる。前述の通り、TDPが17ワットと低い省電力型CPUなので、パフォーマンスと消費電力低減(さらには、それによる放熱面での優位性やバッテリー駆動時間の延長)が同時に果たせる点に注目だ。

 これと組み合わせるチップセットは「モバイル インテル® HM65 Express チップセット」を選択し、グラフィックス機能はCPU内蔵の「インテル® HDグラフィックス3000」を利用と、信頼性の高いシステム構成となっている。

 メモリはDDR3タイプ(PC3-10600)で4Gバイト、ストレージはSSDで128Gバイトと、十分な容量かつ高速だ。ストレージにHDDではなくSSDを採用することで、Windows 7やアプリケーションの起動、スリープ状態からの復帰が速いのはありがたい。特にスリープからの復帰は高速で、液晶を開いたら一瞬で画面が表示される。SSDはHDDに比べて消費電力が低く、振動や衝撃にも強いため、持ち運んで素早くさまざまなタスクをこなすことが要求されるUltrabook™に欠かせないデバイスといえる。

CPU-Zの情報表示画面(画面=左)。TDPを17ワットに抑えつつ、性能を確保した「インテル® Core™ i5-2467M プロセッサー」(1.6GHz/最大2.3GHz)を搭載する。ディスクパフォーマンスを計測するテスト「CrystalDiskMark 3.0.1」の結果(画面=右)。ランダムリード/ライトでHDDを大きく超えるバランスのよい高性能が得られている

薄型ボディにフルサイズの端子類を敷き詰める

 薄型軽量ボディながら、拡張性にも妥協はない。

 ディスプレイ出力はもはやテレビでもディスプレイでも標準的になったHDMIを採用し、2in1メディアスロット(SDHC/SDXC対応のSDメモリーカード/MMCを利用可能)に、高速なUSB 3.0とUSB 2.0を1基ずつ、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用ポート、有線LAN(RJ45)、そして約92万画素のHD対応Webカメラ「HP TrueVision HD Webcam」を装備する。長期の運用で128GバイトのSSDが容量不足になっても、USB 3.0の高速な外付けHDDにデータを逃がせばよいだろう。

 薄型軽量のUltrabook™としては充実した端子類だが、これらにすべて標準サイズのコネクタを採用しているのはうれしい。薄さを最優先したモバイルノートPCでは、汎用性の低い小型のコネクタを搭載し、外付けのアダプタ経由で標準サイズのコネクタに変換するものも散見されるが、こうした製品では外付けアダプタも携帯する場合が出てくるため、本体がいくら薄くてもトータルでの携帯性は下がってしまう。

 細かいところだが、薄さを保ちつつ、標準サイズのコネクタをなんとか敷き詰めることにより、外出先でちょっとディスプレイ出力したくなったシーンなど、どこでも入手しやすい汎用のケーブルで対応できるのは便利だ。

前面(写真=左)と背面(写真=右)に端子類やカードスロットは見当たらない。背面には排気口がある

左側面の手前から2in1メディアスロット、USB 3.0、HDMI出力、有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力を搭載(写真=左)。標準サイズの有線LANポートを本体厚ギリギリに押し込んでいるのが分かる。右側面の奥にはUSB 2.0とヘッドフォン出力/マイク入力兼用ポートを備える(写真=右)

 また、通信機能はIEEE802.11b/g/nの無線LAN、ギガビットLAN、Bluetooth 4.0を網羅しており、高速な有線LAN環境へのアクセス、ワイヤレスマウスとの接続も容易だ。無線WANやWiMAXのオプションはないが、必要とあらば、普段利用するエリアに応じて適宜モバイルルータやテザリング対応スマートフォンと組み合わせて対応できる。

ビジュアルだけでなく、サウンドにもHPらしさ

1366×768ドット表示の13.3型ワイド液晶ディスプレイは光沢仕様

 ディスプレイは1366×768ドット表示の13.3型ワイド液晶パネル(光沢仕様)を採用する。Windows 7搭載モバイルノートPCでは最もポピュラーな画面サイズと解像度だ。より高解像度の環境を求める向きもあるだろうが、画面の広さと表示の細かさのバランスがよく、幅広いユーザー層を想定した選択といえる。ディスプレイの輝度は十分高く、視認性に不満はない。

 HPはノートPCのオーディオ環境向上にも意欲的だが、薄型軽量ボディのHP Folio13-1000でも健闘している。液晶ディスプレイヒンジ部にステレオスピーカーを内蔵し、小型スピーカーの音量不足や表現力低下を補うため、高音質化技術の「Dolby Advanced Audio」を盛り込んでいるのだ。そのため、薄型軽量ボディとは思えない迫力のサウンドが楽しめる。複数人でPCを囲み、動画付きのプレゼンでサウンドを流すといった用途でも十分使えるだろう。

 そもそも、こうした薄型軽量ノートPCではスピーカーがモノラルだったり、ステレオでも設計の関係でスピーカーが底面に追いやられて開口部さえないものも見られる。こうした中、限られたスペースで少しでも音質を向上させようという工夫を採り入れてきたのは見事だ。

液晶ディスプレイのヒンジ部に「Dolby Advanced Audio」ロゴが入ったステレオスピーカーを内蔵している(写真=左)。Dolby Advanced Audio用の設定ツールも用意されている(写真=右)

見た目も使い勝手も良好なバックライト付きキーボード

フルピッチの「浮き石型」キーボードと大きめのタッチパッドを用意している

 製品カタログのスペック表では分からない魅力は、キーボードにも見られる。「浮き石型」と呼ばれるキートップのみを露出させたキーボードは、シャープなデザインでボディとの相性がよい。キーとキーの間隔を離すことで、ミスタイプを減らせるというメリットもある。

 主要キーのキーピッチは、約19×19ミリのいわゆるフルサイズを確保しており、パームレストも広めだ。大人の男性が窮屈な思いをせず、無理なく入力できるだろう。日本語キーボードのレイアウトも自然で、キーストロークは約1.7ミリと、この手のフラットなキーボードとしては十分なタッチ感が味わえる。暗所で各キーの配置が容易に確認できるキーボードバックライトの内蔵も見逃せない。総じて、薄型のキーボードユニットながら、しっかり安定して長文が打てる実用的な作りだ。

 タッチパッドもデザインがいい。左右のボタンをタッチパッドと一体化することで、ミニマルなデザインの構築に一役買っている。タッチパッドの下方を押し込むと、左右クリックになる仕組みだ。タッチパッドは指の滑りがよく、サイズが広いので、2本指や3本指を使ったマルチタッチジェスチャーによる操作にも余裕がある。また、机上で外付けマウスを使う場合などは、タッチパッド左上のマークをダブルタップすれば、タッチパッドを無効化でき、配慮が行き届いている。

キーボードとパームレストのサイズには余裕があり、大人の男性が無理なく長時間使える(写真=左)。各キーの文字が白く浮かび上がるキーボードバックライトが付いているので、暗所での入力作業も安心だ(写真=右)。F5キーを押すことで、キーボードバックライトをオン/オフできる

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