もう何年もWi-Fiルーターを買い替えていない、という人は案外多いのではないだろうか。最新のルーターを導入すると、通信が速くなったり、安定性が高まったりと、快適さが向上するのだ。
スマートフォンやタブレットを利用する上でどうしても無視できないのが通信量だ。キャリアによっては月間だけでなく、直近3日間のデータ量にも制限があり、その制限を超えてしまうと百数十kbps程度にまで速度が制限されてしまう。そのため、自宅やWi-Fiスポットでは積極的にWi-Fiを使用している人も多いのではないだろうか。快適な通信環境のためにはモバイルデータ通信だけでなく、Wi-Fiの速度も重要だ。
スマホに限らず、Wi-Fiに対応している機器は多い。携帯ゲーム機はもちろん、ノートPCや据え置き型ゲーム機など、Wi-Fiのみで有線LANを搭載していない機器も増えてきて、LANへの接続はすっかり有線から無線に置き替わった印象だ。だが、Wi-Fiの通信規格は何を使っているのか、きちんと把握できているだろうか。
モバイルデータ通信の規格が2G/3G/LTEと、次第に高速化されているのと同様に、Wi-Fiの規格も年を追うごとに高速化が図られている。キャリアの2年契約に連動して、スマートフォンを2年で買い替える人は多い。その結果、意識せずに最新Wi-Fi規格の子機を手にしていることもあるはずだ。だが、親機となるWi-Fiルーターがその規格に対応していなければ本来の性能を発揮することはできない。場合によっては通信速度11Mbpsの802.11bにしか対応していないWi-Fiルーターを使って「スマホのWi-Fiは遅い」と思っている人がいてもおかしくない。
もう何年もWi-Fiルーターを買い替えていない、という人は、そろそろリプレイスを検討してはいかがだろうか。
Wi-Fiルーターを買い替える際に、スペック表でチェックすべきポイントは次のとおりだ。
最新の規格に対応していることは当然ながら、現在利用している機器の対応規格をサポートしているかも確認する必要がある。
ここ最近の規格では複数のアンテナをうまく使うことで速度を上げる技術がいくつも登場している。アンテナは多い方がよい、と考えていいだろう。
ポイント2にも関連するが、各Wi-Fi規格にはオプションとして通信をより高速化したり、安定させたりするための技術が用意されている。
NECプラットフォームズの「Aterm WG2600HP」は、これらのポイントを高い水準でクリアしている、注目のWi-Fiルーターだ。どこがすごいのか、見ていくことにしよう。
2015年以降、スマホのWi-Fi規格のトレンドは802.11acに移ってきている。802.11acは5GHz帯を使用する、現在最速の規格だ。
ちょっと前までは2.4GHz帯の802.11n/g/bが主流だった。2.4GHz帯は壁や床などの障害物に強く、電波が届きやすいというメリットがあり、非常に多くの製品に搭載されている。ゲーム機を例に挙げると、「Wii U」「ニンテンドー3DS」「PS3」「PS4」「PS Vita」など、軒並み2.4GHz帯のみの対応だ。その結果、今2.4GHz帯は非常に混雑してしまっている。
そういった事情もあって、今、注目されているのが5GHz帯だ。5GHz帯は直進性が高く、壁や床に弱い(通過できない)というデメリットはあるものの、それを補う高速化技術がある。とはいえ、5GHz帯しか使えないWi-Fiルーターではゲーム機や一世代前のスマホをつなぐことができない。
WG2600HPは2.4GHz帯/5GHz帯の両方に対応し、現在使用されているWi-Fi規格802.11ac/n/a/g/bすべてをサポートする。古い子機のために今使っているWi-Fiルーターを残しておく必要はない。
802.11ac/nは複数の空間ストリームで同時に通信を行うMIMO(Multi-Input Multi-Output)に対応した規格。複数のアンテナで送受信を行うことでより高速な通信が可能で、802.11acで最大8ストリーム、802.11nで最大4ストリームが利用可能だ。
実際に利用できるストリーム数は、親機と子機双方のアンテナ数によって決まる。親機のアンテナは多いにこしたことはないが、アンテナの性能を確保しようとすると外部アンテナが林立することになり、筐体も大きくなりがちだ。
WG2600HPはコンパクトな筐体でありながら、2.4GHz帯/5GHz帯ともに4×4アンテナ(送受信それぞれ4ストリーム)を内蔵している。小型、内蔵というアンテナにとっては厳しい条件にも関わらず、高スループットを実現できているのは、「極技(きわみわざ)」と名付けられたNECの独自技術、メタマテリアルを応用したμSRアンテナとμEBG構造のおかげだ。
メタマテリアルは材料(マテリアル)をそのまま使用しながら、形状や構造、配置を変えることで本来材料の持たない特性を引き出した媒質のこと。メタマテリアルで使用される素子形状の一つには「C」型のスプリットリング(SR:Split Ring)共振器があるが、これをアンテナエレメントとして利用し、多層構造にした超小型アンテナがμSRアンテナだ。μSRアンテナによる小型化の効果はめざましく、WG2600HPでは、μSRアンテナ採用前に比べてアンテナの専有面積が実に約73%も削減されている。
一方、アンテナの受信感度を向上させる技術がμEBG構造だ。EBGとは電磁バンドギャップ(Electromagnetic Band Gap)のことで、周期構造を形成することで特定の周波数の電磁波が存在できない帯域を作り出すメタマテリアル技術の1つ。μEBGは渦巻き状のオープンスタブと呼ばれる共振構造によって従来のEBGの10分の1の面積を実現、基板内に適用することを可能としたものだ。その結果、電磁ノイズの伝播を基板内で遮断することでアンテナの受信感度は最大約10倍、通信速度は約2倍に向上している。それとともにデジタル回路とアンテナの距離も短縮されている。
さらに4本のアンテナを実装するため、WG2600HPには互いが干渉しない工夫が盛り込まれている。1つは基板から垂直に伸びるピンダイポールアンテナの採用。μSRアンテナを基板の短辺、長辺に実装することで3本のアンテナが互いに直交し、干渉を抑制することができる。
4本目のアンテナはピンダイポールアンテナを基板から垂直に伸ばし、さらに同辺にある2つのμSRアンテナ間には電流を吸収して電波を分離するアイソレーション・アンテナを配置。隣あったμSRアンテナとの干渉を防いでいる。
これらの技術によって2.4GHz帯/5GHz帯/アイソレーション合わせて計11本ものアンテナを内蔵しながらコンパクトな筐体を実現している。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月8日