Apollo Lake世代の新型NAS「AS6404T」登場 マルチメディアから業務用途まで、オールマイティな1台(2/3 ページ)

» 2017年06月12日 10時00分 公開
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ビジネス用途までカバーする高機能

 AS6404Tの強みが4Kコンテンツまでを網羅したマルチメディア機能にあることは確かだが、それを実現するために搭載された潤沢なメモリはプレーヤー機能のためにしか使われないわけではない。当然、NASとしての基本性能部分にも大きく影響してくるところだ。特に同時接続数が多くなってくると、搭載メモリの少ないモデルではパフォーマンスが急激に低下しかねない。AS6404Tは小規模〜中規模の企業向けを含めたASUSTOR NAS全ラインアップの中でも最大容量の8GBを搭載したモデル(原稿執筆時点)となっており、高いスループットが期待できる。

 パフォーマンスを上げる仕組みはほかにもある。以前のモデル同様ではあるが、AS6404Tには2ポートのギガビットイーサネットが搭載されており、リンクアグリゲーションに対応している。

 リンクアグリゲーションはボンディングやチーミングとも呼ばれ、複数のネットワークインタフェースを1つにまとめて使用する技術のことだ。その目的は大きく2つ。理論上1Gbpsまでしか出ないネットワークインタフェースを2つ同時に使うことで1Gbps×2の通信帯域を確保する負荷分散、そしてもう1つが故障やケーブルの抜線があっても通信が途切れないようにする冗長化(フォールトトレランス)だ。

 AS6404Tがサポートするリンクアグリゲーションのモードは7種類あり、すべて冗長化に対応しているものの、負荷分散による性能向上が期待できるモードは限られている。また、ネットワークの仕組み上、送信に比べて受信は二重化しにくいという特徴がある。例えば、夫婦で共通名義の電話を2台持っていることを想像してほしい。電話をかけるときは空いているほうを使ってかければ効率がいい。だが、そこに電話をかける人はどちらの番号にかければよいのか分からない。

AS6404Tは7つのリンクアグリゲーションモードに対応

 そこで、一般的な企業などではPBXを用いて代表電話でまとめて引き受け、そこから空いている内線に回すという方法をとっている。少々乱暴な例えだが、このような動きを実現するリンクアグリゲーションモードが802.3ad/LACPだ。802.3adではスイッチ(ハブ)が代表電話を受ける役割を果たすため、対応するスイッチを使用する必要がある。

 以前はこのような高機能スイッチは高価なビジネス用のものしかなかったが、今は実売で税込1万円を切るものもある。ダイナミックなリンクアグリゲーションである802.3ad/LACPには対応していないものの、スタティックなリンクアグリゲーションに対応したスイッチであれば8ポートで3500円を切るものもある。

ネットワークインタフェースが2つ見えている状態

追加>作成 リンクアグリゲーション

リンクアグリゲーションモードに802.3adを選択

IPアドレスの設定

スイッチ側でAS6404Tのネットワークケーブルが接続されているポートを一つのLAG(リンクアグリゲーショングループ)として設定する

リンクアグリゲーションに対応したTP-LinkのTL-SG108Eは802.3ad/LACP非対応であるものの、実売3480円と安い

 負荷分散を目的としたリンクアグリゲーションでは単一機器(セッション)相手の速度向上はないものの、複数機器相手でもパフォーマンス低下が起きにくいのが特徴だ。NASとしてLAN上にデータを流しつつ、メディアプレーヤーとしてインターネットからデータを受信する、といったAS6404Tの利用シーンには最適なテクノロジーと言えるだろう。

 また、AS6404Tの拡張性の高さ・容易さにも注目したい。AS6404Tは4ベイモデルであり、10TBのHDDを4台使用することで最大40TBまで容量を確保できる。しかし、大きな容量がとれるJBOD、RAID0では冗長性がなく、HDDが1台でも故障したらデータを失ってしまう。そのため、利用効率と冗長性のバランスを考慮し、RAID5(最大30TB)やRAID1/6/10(最大20TB)で構成することが一般的だ。

 搭載ベイすべてを利用した状態から容量を拡張する場合、通常だとより容量の大きいHDDに交換することになる。HDDが1台故障してもデータが損なわれないことを利用し、1台交換してリビルド、1台交換してリビルド、をHDDごとに実行し、最後に容量拡張を行う。作業中もNASを利用することは可能だが、拡張した容量が利用できるようになるまでに1カ月以上かかることもある。

 また、その作業時間の割に増加量は少なく、仮に10TBモデルから12TBモデルに交換した場合でRAID 5なら6TB、RAID1/6/20なら4TBしか増加しない。HDDの数が増えていないのだから当然といえば当然だ。また、原稿執筆時点では12TBモデルは互換性が保証されていないため、最大容量の10TBモデルで構築している場合には容量拡張の余地がない。

 だが、NASストレージ容量エキスパンダーAS6004Uを使えばベイそのものを4つ追加することができる。10TBモデルを使用した場合、RAID5/6で40TB、RAID1/10で20TBの増量が可能だ。

容量エキスパンダー「AS6004U」

 AS6004UはAS6404TとUSB 3.0で接続し、AS6404Tの電源状況に応じて待機モード、通常モードを自動切替する。最大3ユニットまで接続できるので、最大で16ベイが構成可能となる。さらにこのAS6004Uでは、ASUSTOR NASと同様、HDDを取り外し可能なストレージアーカイブとして利用するMyArchive機能が利用できる。大容量な4K映像や写真をコレクションをアーカイブして手軽に管理できるのは便利だ。

MyArchive機能
6TB HDD4台でRAID6を構築。総容量10.82TB

AS6004Uを接続したところ。ストレージマネージャから未設定のディスクが4本検出されている

ボリュームのセットアップウィザードからボリュームを作成する。本体内蔵ディスクとまったく同じように設定が可能

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月28日