ASUSTOR NASのOSであるADMも3.0にバージョンアップされた。メジャーバージョンアップとなる今回の3.0では利便性が大きく向上している。中でも注目の機能がインターネット・パススルー機能だ。
インターネット越しにASUSTOR NASを利用する方法として、今までEZ-Routerという機能が提供されていた。これはUPnPを使ってルータにポートフォワーディングを設定する機能で、簡単に設定できる半面、うまく設定できない場合もあった。
ルータが1台しかなく、ルータ自身がグローバルIPアドレスを持っている場合には問題ないが、インターネットに出て行くためにルータを2台経由しなければならないような環境では、ASUSTOR NASがルータの設定を変更しても、それだけではインターネットに到達できないからだ。
このような環境はオフィスだけではなく、家庭内でも起こりうる。ISPから貸与されたルータに加え、スマートフォン用にWi-Fiアクセスポイントを追加したところ、その両方がルータとして機能していた、というようにマルチルータ環境であることを気づかずに利用していることもある。
今回追加されたインターネット・パススルーはP2P通信を提供するもので、マルチルータ環境のようなEZ-Routerではうまくいかない環境でも利用することができる。インターネット・パススルーを使用する場合にはクライアント側にも対応が必要だが、PC用には新たなアプリケーションASUSTOR EZ Connect(AEC)が提供されている。AECは接続対象となるASUSTOR NASとインターネット・パススルー(P2P)、EZ-router(ポートフォワーディング)、LANによる直接接続を試み、最もパフォーマンスのよい方法で接続する。また、AiFoto、AiData、AiMusic、AiDownloadなどAndroid/iOS用モバイルアプリにはAEC相当の機能が内蔵されているので意識する必要はない。
その他、ADMの操作性も向上している。右上に追加されたツールアイコンをクリックするとアクティビティーモニターや現在のオンラインユーザーの一覧などが表示される。今までアクティビティーモニターは起動させておかないとグラフが描かれなかったが、起動しなくても最大過去1年分まで閲覧することができるようになった。また、すべてのウインドウが最大化可能になり、ウインドウサイズを自由に変更できるアプリも増えた。
まとめると、今回の新モデルの大きなポイントは、
の3点だ。どれもAS6404T/AS6302Tに共通した特徴なので、同時接続数や利用容量の小さい家庭向けには2ベイモデルのAS6302Tを、ビジネス利用も視野に入れるなら4ベイのAS6404T、と規模に応じて選択するとよいだろう。AS6302TはCPUコア数こそ少ないものの、メモリの増設もできるため、スモールスタート用としても十分な拡張性がある。
新世代アーキテクチャを採用し、その機能・性能を十分に発揮できるように設計されたAS6404T/AS6302Tは、設計意図どおりの機能、パフォーマンス、拡張性を実現した製品に仕上がっている。幅広いシーンで活用できる死角のない製品と言えよう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月28日