PC市場の未来を作る若きリーダーたち AMD×Lenovo日本担当者トップ対談(1/3 ページ)

国内PC市場のトップシェアを占めるレノボ・ジャパンの留目社長と、AMDでアジア地域を統括するデビッド氏の対談が実現。

» 2017年12月11日 10時00分 公開
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2017年に大きな躍進を果たしたAMD

 2017年はCPU市場で久しぶりにAMDの存在感が際立つ年となった。同社は3月、8コアCPUのRyzen 7を投入してPC自作市場を大いに沸かせたほか、続くRyzen 5、Ryzen 3とコンシューマーデスクトップ市場にメニーコアのトレンドを築き上げ、16コア/32スレッド動作のRyzen ThreadRipperも注目を集めている。かつての“強いAMD”の姿を思い起こさせるには十分な内容だ。

11月に秋葉原で開催された「AMD FAN DAY FESTIVAL」。多数のAMDFANが集まり、大盛況だった

 これまでにもAMDは、x86系CPUで実績を持つAMDとGPU開発社のATI Technologyをバックボーンに持つ高い技術力を生かして、Xbox Oneやプレイステーション4、Wii Uなどソフトウェアの最適化とコストパフォーマンスが求められる分野にAMDの技術を供給してきた。AMDのチップを搭載するデバイスは世界中に広がり、いわば“実”のあるビジネスに舵を切っていたと言える。

 そして2017年、デスクトップPC市場に新しい風を巻き起こしたRyzenシリーズの成功、モバイルPC市場でも期待されているRyzen Mobileの投入によって、名実ともにAMD復活を告げるサインがはっきりと見える形で現れている。

 AMDの台頭に対してPCメーカーはどのような戦略を取っていくのか。今回、レノボ・ジャパン代表取締役社長の留目真伸氏と、AMDでAPJ(アジアパシフィック/ジャパン)を統括するメガリージョン担当バイスプレジデントのデビッド・ベネット氏に話を伺った。

レノボ・ジャパン代表取締役社長の留目真伸氏(写真=左)と、米AMDアジアパシフィック/ジャパン メガリージョン担当バイスプレジデントのデビッド・ベネット氏(写真=右)。2人は若いエグゼクティブという共通点もあり、親交が深い

チャレンジする姿勢、世の中を変えていく革新性

―― 本日はよろしくお願いします。対談が始まる前から親しげに談笑されていましたが、お二人の関係について教えてください。

留目氏 最初にデビットさんと会ったのはもう何年も前ですが、ちょうど1年くらい前、APJの統括に就いてから特にお会いする機会が多くなりましたね。日本市場に詳しい若いエグゼクティブということで、親しみを感じています。

デビッド氏 私も留目社長には大いに親しみを感じています。日本におけるリーダーのポジションにいながら、チャレンジ精神、革新性があり、限界を押し広げる取り組みに挑戦し続けている――そのチャレンジ精神はまさに我々AMDが共感するところです。

留目氏 お互い若いというだけでなく、デビットさんとは共通している部分が多い。私もそうなのですが、こういう業種だからとか、仕事だからやるというのではなく、お互いに挑戦を楽しみながらやっているところがありますね。

デビッド氏 まったくその通りで、前回ディナーでご一緒したときにも2人でいろいろな話をしました。次のチャンスはどこにあるか、次の革新的なテクノロジーは何か。フォーマルなビジネスの話だけでなく、東京五輪、VRの未来など、いろんな話ができる関係です。

―― デビッドさんは非常に日本語がお上手です。日本との関わりは?

デビッド氏 日本という国そのものにも、日本の市場にも関心が強くあります。私は17歳のときに日本に来て、「日本語」に惹かれました。それから高校、大学、大学院をそれぞれ1年ずつ日本で過ごし、妻も日本人です。AMDに入って10年になるのですが、最初はグローバルのAMDではなく、日本AMDの採用でした。実は日本AMD時代に最初に販売に携わったのはレノボの製品でした(笑)。

38歳にして、AMDアジア地域のトップに就任したデビッド・ベネット氏。高校、大学、大学院をそれぞれ1年ずつ日本で過ごし、日本人女性と結婚。日本語にも堪能な親日家だ

留目氏 そう、AMDとレノボのかかわりは長いんですよね。製品もそうですが、社員レベルでもAMDで働いていた方がレノボへ来たり、その逆もあります。チャレンジ精神や、世の中を変えていこうとする姿勢など、企業のカルチャー的にも近いところがあるように感じます。

デビッド氏 おっしゃるとおりだと思います。AMDは業界内で常にトップ企業と戦っている状況にあり、チャレンジ精神にあふれています。そういうところは似ていると感じます。

―― デビッドさんは38歳という若さでAPJ統括という重要なポストに就かれています。AMDのような歴史のある企業では珍しいのではないでしょうか? 

デビッド氏 確かにこのポジションをオファーされたときには緊張しました。しかし同時に、私の、日本を含めたアジアにおけるバックグラウンドを生かすチャレンジができる大きなチャンスだとも感じました。AMDと私にとって、正しいタイミングだったといえると思います。

―― 留目さんも46歳と、国内PC市場のトップシェアを占めるNECレノボ・ジャパングループのトップとしてお若いです。どんなことを期待されていると感じていますか?

レノボ・ジャパン代表の留目真伸氏。NEC合弁事業を成功させて業績を押し上げるとともに、若い世代へ向けた認知度向上のための施策も積極的に展開している

留目氏 レノボは従来のPCベンダーから、広くコンピューティングを提供する企業へと変化してきています。タブレット、スマートフォン、VR/AR/MRデバイス、スマートスピーカーなど幅広いデバイスを提供しながら、新しいコンピューティングの世界を広げていくというのがレノボの現在のポジションで、日本の市場においてそれを推進していくのがまず1つ。また、日本はレノボの市場シェアが高い地域であるだけでなく、プレミアム志向のユーザーが多いことも特徴です。つまり、高付加価値、先進的なサービスのビジネスモデルを作りやすいということで、そうした点でもリーダーシップを期待されています。これはデビットさんも同様ですか?

デビッド そうですね。期待されていることは、日本市場での(AMDの)認知度を上げ、より多くのシェアを獲得することです。私自身、日本とは深い関わりがあって思い入れも強くあります。近年は残念なことに日本での市場シェアは下がっていましたが、Ryzenがコンシューマー市場で受け入れられたことで大きな手応えを感じています。先日発表したRyzen Mobileも含め、競争力を持って日本で戦えるでしょう。また、業界の流れとして、PCから新しいコンピューティングへの広がりという点は我々も意識しており、実際に、PS4、XBOXなどへの採用でPC以外の比率が増えています。ピュアコンピューティングからVR、AR、MRといったビジュアルコンピューティングへの流れがあり、グラフィックスに強みがある当社の優位性を発揮していきたいと考えています。

まさにPC業界の若きリーダーという表現がぴったりの二人。「チャレンジ精神、世の中を変えていこうとする革新的なところが似ている」と口をそろえる

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