Endeavor ST20Eとの大きな違いがパフォーマンスだ。CPUには第7世代CoreシリーズのCore i3-7100U(開発コード名:Kaby Lake-U)を採用し、低コストなEndeavor ST20Eよりも高い処理性能を実現。また、4K(30Hz)表示に対応するなど機能的にも1ランク上のスペックとなっている。
CPUには第7世代CoreシリーズのCore i3-7100Uを採用。CPUコアの電力効率が高く、オフィスアプリも軽快な操作が可能。GPUコアのメディア機能であるハードウェアエンコーダーも充実しており、4K動画の再生も楽々とこなす冒頭でも述べたように、この強化は顧客からの要望を反映したもの。デジタルサイネージではそれほどCPU性能は必要ないように思えるが、最近の表示コンテンツは、動画やインタラクティブ性のあるものなど多様化するとともに、高解像度化、高画質化のトレンドもあり、パフォーマンスを求める声が高まってきている。
また、保証される動作時の環境温度が従来の10℃〜35℃から、0℃〜40℃へ拡大(本体のみ。液晶一体型モデルは10℃〜35℃)されたことも見逃せない。こちらもまた設置場所の温度に不安を感じる顧客の声に応えたものだ。熱がたまりやすい高所や閉所に設置するサイネージ、冬場に気温が下がりやすい工場や倉庫での管理端末といった用途でも安心して利用できるだろう。
Endeavor ST40Eでは、高性能と環境温度を両立するために、小型のボディーにファンを搭載している。しっかりと放熱を行うことで、気温の高い場所での利用でもサーマルスロットリングによる性能低下を防ぎ、CPU本来のパフォーマンスをしっかり発揮できるのが強みだ。
また、ホコリの吸い込み対策として、吸気口用フィルターもオプションとして用意。ホコリを吸い込みにくくするとともに、たまったほこりを簡単に取り除くことができるのも気が利いている。
性能の目安としてベンチマークテストの結果を掲載する。評価機の構成は、CPUがCore i3-7100U(2.4GHz)、メモリが16GB、ストレージが500GB HDD(7200rpm)、Windows 10 Pro 64bitという内容だ。
PCMark 8(Home)に関しては、約1年前に計測したEndeavor ST20E(メモリが8GB、ストレージが512GB SSD)のデータと比較した。機材の都合上、直接比較できるのはこれだけだが、Endeavor ST40EはストレージがHDDという不利があるにもかかわらず、2倍近い総合スコアをマークしており、CPUおよび内蔵GPUの性能向上を証明した形だ。

Endeavor ST40EのPCMark 8(Home Accelerated 3.0)の結果(画面=左)と、ST20Eの結果(画面=右)。ST40Eは30fpsが上限のビデオチャット以外全ての項目で、ST20Eのスコアを大きく上回ったビジネス向けのPCMark 8(Work)、および最新テストのPCMark 10、CINEBENCH R15など定番ベンチマークのスコアも掲載するが、標準的なビジネス向けクライアントとして十分な値だ。評価機のストレージはHDDだが、BTOでSSDを選択すればさらに良いスコアが出るだろうし、よりキビキビと使えることだろう。
Endeavor ST40EのPCMark 8(Work Accelerated 2.0)の結果。ビジネスクライアントPCとしても十分なスコア。ストレージをSSDにすればさらに良好なスコアが期待できる
Endeavor ST40EのPCMark 10の結果。HDDに少し足を引っ張られているが、ベーシックなビジネス向けのクライアントPCとして標準的なスコア。ストレージがSSDならば事務用途に限らずより多くの用途に対応できるはずだなお、現場によってニーズが分かれるメモリとストレージは、BTOでカスタマイズが可能になっている。メモリは最大16GB、ストレージはHDD、SSDの他、高信頼性HDDという選択肢もある。SSDは64GBという小容量から用意。例えば、容量64GBのSSDならばHDD(250GB)と同じコストで、動作音がなく高速レスポンスというメリットを享受できる。
CPUがCore i3-7100Uなので、メモリ8GB、256〜512GBあたりのSSDを組み合わせれば、オフィス業務を一通りこなせる快適なビジネスクライアントPCになる。PC-POSでデータの取得、閲覧だけでなく、集計や管理などをしたい場合にも適しているだろう。
また、受付端末やデジタルサイネージでクラウド前提の利用シーンならば、ローカルのストレージ容量は最小限で問題ない。そういう場合に低コストとレスポンスを両立できるのもうれしい。
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