働き方改革を本当に求められているところへ届けたい! 「RIO Cloud」はいかにして生まれたのか(1/2 ページ)

場所にとらわれずに仕事ができる環境を低コストで導入できるサービスとして大きな注目を集めている「RIO Cloud」。その仕掛け人たちに話を聞いた。

» 2018年09月07日 10時00分 公開
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 アイ・オー・データ機器とアール・アイ、クラウディアンの3社は、中小企業向けの働き方改革促進サービスのプラットフォーム「RIO Cloud」を展開することを発表した。そして、このRIO Cloudの第1弾サービスとして、沖縄に本拠を置くOCCが「RIK ちゅら海データガード」の提供を今秋から開始する。

 この連携の背景は何か、なぜ最初のサービスが沖縄からなのか、RIO Cloudプロジェクトの中心メンバー4人を迎え、事業にかける思いや将来的な構想を語ってもらった。

RIO Cloudプロジェクトの中心メンバー。左から、氷見氏、藤木氏、浜田氏、石坂氏。

簡単安全で安い! 真に中小企業のためのクラウドサービス

―― RIO Cloudの特徴を教えてください。

石坂氏 まず、PCの仮想化によるデータレスな環境を「安価で無意識に使える」ということです。Shadow Desktopは、PC内のファイルのみ仮想化を行います。データの実体はクラウド上にあるため、現在ノートPCを持ち歩いているがセキュリティ対策ができていない、また、持ち出しPCを検討しているがセキュリティ対策でためらっているなど、場所を問わず働く人たちにご利用いただけるサービスだということです。

RIO Cloudプロジェクトの仕掛け人であるアール・アイの石坂氏(取締役マーケティング部部長)。

藤木氏 グループワークに不可欠なファイル共有環境を当社のNAS「LAN DISK」が提供します。こちらはリモート環境で、いつでもどこからでもアクセスできます。

石坂氏と意気投合し、RIO Cloudプロジェクトを立ち上げたアイ・オー・データ機器の藤木慎太郎氏(事業戦略本部企画開発部企業開発3課リーダー)

浜田氏 それでいて、高度なセキュリティを確保しているという点がポイントです。アール・アイさんのShadow DesktopによるPC仮想化でローカルのPCにデータが残らないということが1つ。これは情報漏えいに対する大きな強みです。そして、私たちOCCが提供する「RIK ちゅら海データガード」では、CLOUDIAN HYPERSTOREを基盤として採用し、PCとNASのデータ保存先として県内のデータセンター2カ所を利用しています。データを複製し地理的に分散保存し冗長化できる信頼性の高いオブジェクトストレージ製品でサービス提供を行い、万一の災害や障害に対する耐性も確保しています。

RIO Cloudの先陣を切ってベースのクラウドサービスを提供するOCCの浜田茂治氏(データビジネス事業本部営業部ビジネス企画・推進グループ)

氷見氏 最大のポイントは「安い」ことですね。導入コストを徹底して抑えています。スタートの時点から、中小企業の方が、無理なく導入できる価格帯での提供を強く意識しています。

同じくアイ・オー・データ機器の氷見潤一郎氏(事業戦略本部販売促進部販売促進課リーダー)。販促活動を通して中小企業との接点が多く、現場の実情に詳しい

働き方改革は中小企業にこそ必要

―― RIO Cloudの狙いはどういうところにあるのでしょうか?

石坂氏 中小企業さんに対して、目の前にある課題をダイレクトに解決できるソリューションを低コストで届けたい。そういう強い思いが原動力になっています。働き方改革がうたわれる中で、世の中にはさまざまなソリューションがありますが、ほとんどは大企業をターゲットにした大掛かりなものになっています。本来は中小企業にもっとスポットが当たらなければならないと思っていました。

―― といいますと?

石坂氏 今働き方改革というと、いろんなキーワードが出てきますよね。リモートワーク、テレワーク、サードプレース、コワーキングスペース、フリーアドレスですとか、いろいろなキーワードが増えてきまして、ソリューションについても、セキュリティという言葉を重要視するがゆえに「それって働き方改革以前にもありますし、場所縛りませんか?」というものまで。便乗便乗で肥大化傾向にあり、本質が見えにくくなっているように感じます。一番重要なのは「時と場所に縛られない」というところではないでしょうか。そして、それは中小企業こそが切実に必要としているのではないでしょうか。

氷見氏 例えば、女性社員の方が産休・育休に入るといったようなケース。あるいはケガや病気の治療でしばらく休まなければならないといったケース。少人数で回しているところは1人抜けるだけでも影響が大きいですし、人が足りないからすぐ補充できるわけでもないと聞きます。求人してすぐ目的の人材が見つかるとは限りませんし、見つかったとしても前任者と同等の業務がこなせるようになるまでには多少なりとも時間がかかるでしょう。通勤はできないけれど自宅作業なら可能で、本人にもその意思があるならば、必要な休暇期間を取得した上、それ以外の時間は自宅にて業務をしてもらえたらすごく助かるわけです。

営業活動で中小企業の方と接する機会も多いという氷見氏。働き方改革のソリューションのほとんどは大企業を向いていて、中小企業が導入するにはハードルが高いという

浜田氏 近年、日本では地震や豪雨による水害など多数発生しています。災害によって交通機関が停止してしまい出社ができないという方もたくさんいらっしゃったかと思います。そのときにリモートでご自分のパソコンのデータが外から見えて作業できれば、滞りなく仕事の継続ができた方がいたかと思います。私たちのサービスは、そのような方々に対するサービスとなります。

石坂氏 あるいは今夏の猛暑をはじめ、台風、大雪など。予想できる範囲なら通勤するのは効率が悪いから、特に必要性がないならば自宅作業を可能にしようとか、進化し続けているITのサービスで、中小企業ならではのフットワークの軽さを生かしたポジティブな効率化にも貢献できると思っています。

―― なるほど。

氷見氏 そうした場合に必要となるのが、情報漏えいリスク対策が施されたセキュアなリモートワーク環境やファイル共有のシステムです。しかし、中小企業の場合、その「セキュア」の部分がおろそかになってしまうことが多いようです。なぜなら、そのためのコストがあまりにも高くついてしまうからです。

藤木氏 もちろん、中小企業の方も情報漏えいのリスクは分かってはいるのですが、予算が少ない中で情報漏洩えいリスク対策にコストを掛けられないということがあると聞いています。でも、そのような状況の中で社外秘データが保存されたPCを持ち出した場合は、会社の存続にかかわるようなことにもなりかねないわけです。

石坂氏 単に数人の社員がセキュアにリモートワークしたい。ファイル共有がしたい。やりたいことはシンプルなのに、サービスのほうはシンプルではない。中小企業にとってはあまりにオーバースペックで高価なソリューションを紹介されてしまう。導入を検討して説明を聞くと途方もない金額でドンビキしました! なんていう話もよく聞きます。ユーザーが解決したい問題と解決するための商品サービスのミスマッチが多いのではないか。この状況はやっぱり何か違うのではないか、「なんとかしなければ」という思いが強くなってきました。

石坂氏もまたセミナーなどで中小企業の経営者やIT担当者と接する機会が多い。働き方改革の現状に疑問を抱き、中小企業にフォーカスしたソリューションの必要性を痛感したことが事業の原動力となっているという

セキュアなリモートワーク環境が月額2万円から導入できる

―― そのコストに関してですが、具体的にどのくらいを予定されているのでしょうか?

浜田氏 まだ決定ではないのですが、仮想化ライセンス5ユーザー・ファイル共有スペース1TBで月額2万円程度、3年だとTCOとして72万円くらいからを考えています。

浜田氏らが展開する「RIK ちゅら海データガードサービス」では、2カ所のデータセンターにバックアップを保存する冗長化を提供しながら月2万円程度から導入できるプランを用意する予定だという

石坂氏 RIO Cloudを構成するShadow Desktop、LAN DISK、HYPERSTOREを活用した2カ所のデータセンターでの冗長化サービス、全てひっくるめてそのくらいです。

―― かなり魅力的に感じますが、やはり長期の方が安いのでしょうか。縛りなどはあるのでしょうか?

浜田氏 長期契約が必須な縛りや体系にするつもりはありません。先ほど話に出ましたが子育てをされていて自宅で作業をするといったシーンや、介護などで自宅にいる必要があるといったシーンがあった場合、1年間だけ利用するようなワンショット的な利用もと考えています。NAS調達等の初期投資も含めて考えると長期の方が、より割安感が出てきます。

石坂氏 コスト面でさらに付け加えますと、これから2020年にWindows 7のサービスが終了します。そこで端末の総入れ替えが起きることになります。その際、データの引越という作業が発生することになるわけですが、Shadow DesktopでPCの仮想化がされていればそのデータ移行コストはゼロで行けます。

―― なるほど。これなら中小企業さんも導入しやすく、大いに魅力的だと感じます。仮に同等の内容を従来型のシステムで実現するとなると、どのくらいかかるのでしょう?

浜田氏 そもそも導入の考え方が変わってきますね。多くの場合、まずサーバを購入しなければなりません。サーバ代とユーザー管理機能で100〜200万、購入した機器を保管する電算室やハウジングサービスの利用なども検討が必要です。さらにVDI(デスクトップ仮想化)のシステム構築で200〜300万、これらの費用がなくなります。加えて、システムの維持・運用を誰がやるのかという人の問題が生じます。その作業をIT業者にお任せするとなると、さらに高額な運用費が継続して必要になります。

石坂氏 RIK ちゅら海データガードで提供するPCの仮想化による情報漏えい対策、ファイル共有、リモートアクセス、冗長化といったようなことを、既存のソリューションで実現するにはトータルで1000〜2000万円という規模になってしまうこともありますね。

藤木氏はプランのファイル共有スペースを検討するためにこれまでのLAN DISKの導入事例を分析。「意外と大容量は使用されていない」上に、ストレージの半分以下で運用されているケースが大半だという
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提供:株式会社アール・アイ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年9月17日

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