GODSGARDENに所属するプロゲーマーであり、ゲーム実況でも高い人気を博しているふり〜だ氏に27型ゲーミングディスプレイ「iiyama G-MASTER GB2760QSU」を試用してもらい、その感想を聞いた。
PCゲーミング環境というとPC本体に注目が集まりがちだが、実はそれと同じくらい重要なのが液晶ディスプレイだ。プレイヤーが常時目にするものであり、競技においては勝敗にも影響する。そして、ゲーミング向けのディスプレイには、ビジネスやクリエイティブ向けのディスプレイとはまた違った要素が求められる部分もある。
ゲームのために導入する液晶ディスプレイは、どのような製品が適しているのだろうか。それを考えるには、その道のプロに聞くのが一番だろう。そこで今回は、「Team:GODSGARDEN」に所属するプロゲーマーであり、「レインボーシックス シージ」(Tom Clancy's Rainbow Six Siege)の公式実況者としても知られるふり〜だ氏に、ゲーミング向け液晶ディスプレイ選びのポイントを伺うとともに、マウスコンピューターのゲーミング向け液晶ディスプレイ「iiyama G-MASTER GB2760QSU」を試用してもらい、その感想を聞いた。
―― ふり〜ださんのプロフィールを簡単にお願いできますか。
ふり〜だ氏 Team:GODSGARDENというeスポーツチームでプロゲーマーをしています。競技者としては格闘ゲームをやってきたのですが、最近は実況配信や解説の活動がメインになっていまして、レインボーシックス シージでは公式実況者を務めさせていただいております。
―― 実況を行う上で意識していることはありますか?
ふり〜だ氏 私が大事にしている「志」がありまして、プレイヤーが良いプレイをしたときに、どういうところが良かったのか、そこまでにどんな過程があったのかを言語化してあげるということですね。「これこれこういう状況だからこういう戦術を選択したのでしょう」「こういう状況なのによく切り抜けました」など、プレイヤーがいかにすごかったのかを代弁してあげたいと常に考えています。
―― 視聴者も分かりやすいですし、プレイヤーにとってもモチベーションになりますね。
ふり〜だ氏 そのためにはその場で起きたことをしゃべるだけでは足りません。特にレインボーシックス シージに関しては、動くときはプレイヤーが一気に動くので、動きがあってからそれをそのまましゃべるのでは遅いんですね。位置関係から考えられる戦術などを全て先読みで把握している必要があります。そのためにたくさん試合を見ますし、自分でもできるだけ多くプレイしてゲームに習熟するようにしています。
―― ご自身でもたくさんプレイされているということで、ディスプレイを見ている時間はかなり長いのではないですか?
ふり〜だ氏 そうですね。昼間はエンジニアとして会社勤めをしているのですが、会社でもずっと液晶ディスプレイを見ています。夜はもちろんゲームをしますので、時間にすると18〜19時間くらい、起きている間はほとんど見ているような感覚ですね(笑)
―― そんなに長時間? 疲れませんか?
ふり〜だ氏 近年は、疲労軽減のため、姿勢や椅子の高さにもこだわるようになりました。机の高さは変えられないので、椅子のクッションをいろいろ試しましたね。姿勢にこだわると肩や目の疲れが軽減されるだけでなく、エイム(標的を狙うこと)の精度が安定するなど、ゲームのプレイにもいい効果がありました。
―― 液晶ディスプレイにもこだわりがありますか?
ふり〜だ氏 そうですね。やはり常時目にするものですから重要です。ゲーミングとなると普通の用途とはまた違った要素が大事になりますし、プレイの結果にもはっきり出ます。
―― ゲームをするための液晶ディスプレイで最も重視しているポイントはどこでしょうか?
ふり〜だ氏 リフレッシュレートと応答速度ですね。リフレッシュレートの高い方が画面内の動きを滑らかに表示できますので、120Hz以上、できれば144Hz以上に対応した製品が良いと思います。特にFPS(First Person Shooter)においては、プレイフィールがこれでかなり変わってきます。
また、高いリフレッシュレートで残像なく表示するためには応答速度も速い必要があります。リフレッシュレートと応答速度を重視すると、パネルの種類(液晶の配向方式)は必然的にTNということになります。IPSやVAなどの方が視野角や発色は良いのかもしれませんが、ゲーム用途なら現状ではTNを選びますね。
―― なるほど。次に挙げるとすれば何でしょうか?
ふり〜だ氏 画面サイズでしょうか。PCゲーム、特にFPSですとプレイシーンが画面のサイズに比例して広がってしまいます。端の方を見るために視線を移動させなければならないとそのぶんロスになってしまいますので、必ずしも大きければ良いというわけではありません。個人差はあると思いますが、私としては24型前後、最大でも27型くらいまでが使いやすいと思います。
―― 解像度はどうですか?
ふり〜だ氏 解像度については、ゲームの競技的にはFHD(1920×1080ピクセル)が標準ですが、個人的にはWQHD(2560×1440ピクセル)くらいあった方が使いやすいとも思います。息抜きにタブレットをディスプレイに接続して大画面でプレイするという使い方をするのですが、FHDだとちょっと寂しい気がすることがあります。ゲーム以外のアプリを使う場合も画面が広く使えたほうが使いやすいですし。
―― やはり競技的にはFHDが標準なのですね。
ふり〜だ氏 解像度は高い方がきれいですし、視認性も上がります。ただ、競技性の高いゲームの場合は、先ほど申し上げたリフレッシュレートとPCの描画性能との兼ね合いの問題が出てきます。例えば、リフレッシュレート144Hzで使うならば、描画のフレームレートは常時144fps(Frames Per Second)以上出てほしいわけです。一時的にでも144fpsを下回ってしまうとプレイフィールに影響が出ます。描画性能が変わらなければ解像度は高ければ高いほどよいと言えますが、実際は解像度が高くなるほど描画フレームレートは低下してしまいますので、競技を意識するタイトルはFHDでプレイすることになりますね。
―― 144Hzのリフレッシュレートで瞬間的に144fpsを下回ったとして、その影響は体感できるものでしょうか?
ふり〜だ氏 リフレッシュレートにフレームレートが追い付かないことがあると、前のフレームがそのまま表示されますので実質半分のリフレッシュレートになってしまい、カクついた映像になります(スタッタリング)。瞬間的であっても競技で集中している場面でははっきり感じてしまいますね。
私が特に気にするのが「リコイル」という動作です。フルオートで撃っていると銃口が跳ね上がるのですが、それを自分自身で下方向にコントロールすることによって本来上に向かってしまう弾道をできるだけ水平に抑えます。この操作をしているときにリフレッシュレートをフレームレートが下回ると、調子が狂うといいますか、やりにくいと感じますね。
―― AMDの「FreeSync」やNVIDIAの「G-SYNC」といったディスプレイ同期技術を使ったとしても同様ですか?
ふり〜だ氏 FreeSyncを使うとリフレッシュレートをフレームレートの方に合わせてくれるので、フレームレートが足りなくてもスタッタリングがほぼ発生せず、滑らかな表示を維持できます。ただ、フレームレートが足りない場合はリフレッシュレートの変動はありますので、競技ではやはり影響はありますね。競技性の高いタイトル以外では十分効果的な技術だと思います。
―― ディスプレイの表面仕上げは、グレア(光沢)とノングレア(非光沢)のどちらがいいでしょうか?
ふり〜だ氏 好みもありますし、どちらでなければダメ、というほどの要素ではないと思います。照明などを調整して映り込みが回避できる環境であればグレアでも対応できます。ただ、長時間見ていても疲れないのはノングレアですね。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年2月5日