今、企業に求められるストレージとは――QNAPのラックマウント型NASで問題解決(1/2 ページ)

企業内のデータ共有方法としてクラウドとオンプレミス両方のメリット・デメリットを挙げ、想定事例を交えながらQNAPによる解決方法を紹介していく。

» 2019年02月25日 10時00分 公開
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 企業内での情報共有の重要性はますます高まっている。今までは部署内、オフィス内で共有できていればよかった情報も、部署を超え、さらには物理的に離れた本社・支社間でも即時共有したいというニーズも増えてきた。

 そのソリューションとしてクラウドストレージを検討するところも多いだろう。しかし、個人や部分的な利用ならばともかく、企業全体でクラウドストレージに軸足を移すとインターネット通信量が大幅に増え、速度の低下や障害時の業務影響の増大といった問題に直面することになる。クラウドとオンプレミス両方のメリット・デメリットを鑑みつつ、最適なソリューションについて考えてみよう。

企業のストレージに求められること

 企業のストレージ――各個人に割り当てられたローカルストレージではなく、組織として共有・管理されるストレージに求められることは幾つもある。多くのユーザーが同時にアクセスしても低下しないパフォーマンス、日々増大するデータに十分応えられるデータ容量、故障しにくい高い耐障害性――そういった基本的な要件の他にも、昨今のビジネスシーンではいかに効率よく、広く情報を共有するためのプラットフォームとなり得るか、という点が重要視される。

 幾つかの想定事例を紹介しよう。

A社の例:本社と支社の情報共有のため、ファイルサーバを統合したい

 今まで本社と支社では業務の接点がほとんどなく、個別にファイルサーバを立てて運用していてもなんら問題はなかったA社。しかし、顧客・案件の担当区分の変化に伴い、本社が請けた案件の一部を支社が担当したり、エリアごとに担当を分担したりするなど、本社と支社で密な情報共有を行う必要に迫られるようになった。

 まずは本社と支社のファイルサーバを統合することになり、クラウドストレージに置き換えることを検討した。その結果、ネットワークトラフィックの大部分がインターネット通信となるためにインターネット回線の輻輳(ふくそう)が起き、通信速度が低下することが判明した。

 共有ストレージにアクセスできなくなると業務に大きな影響があるため、インターネット回線を増強し、かつ、冗長化を行おうとするとランニングコストがかなりかさむことが分かった。アクセス速度が遅いとファイルの共有を避ける社員が出てきて、情報共有が不十分になる恐れもある。

B社の例:社員数増により、導入済みファイルサーバのディスクを増設したい

 オンプレミスでWindows Serverを搭載したファイルサーバを運用していたが、社員の増加によってディスク使用量が増え、容量が足りなくなってきた。そのため、ディスクの交換を行うことにした。

 自分たちでディスクを交換するとサーバが保守対象外になってしまうため、保守ベンダーに作業を依頼することになった。元のディスク容量もかなり大きく、ディスクの交換、データの移行合わせて丸々二日間はファイルサーバが利用できなくなるとのこと。保守ベンダーでは休日対応は請けられず、平日二日間の停止は業務上の影響が大きすぎるため、結局、前倒しでサーバを新規に購入することになった。

 次はサーバの耐用年数までディスク増設をしなくて済むよう、ディスク容量を大きめに見積もるように、と経営陣から指示があったが、その要求を満たせるサーバのベイ数、ディスク単体の容量だとかなり高額になってしまった。また、社員数増による必要CALの増加も地味にランニングコストに響いてきている。

C社の例:BCP(事業継続計画)の対応

 BCPに対応するため、オフィスが災害に遭った場合の対応計画を策定することになった。現在はオフィスにあるファイルサーバのバックアップを月1回、テープでバックアップして耐火金庫に保存しているが、ビルが倒壊したときはすぐに回収することができないのではないか、と指摘を受けている。

 今回はこれらの問題点をQNAPのラックマウントNAS「TS-x83XU」シリーズを使って解決する方法を紹介しよう。

A社の問題をQNAPで解決

 問題点:複数拠点でストレージを統合すると、アクセスする際にインターネット回線が輻輳(ふくそう)する

→解決案:オンプレミスで各拠点にTS-x83XUシリーズを設置してリアルタイム同期

 TS-x83XUシリーズはCPUにIntel Xeon Eシリーズを採用し、エラー訂正機能付きのECCメモリを搭載したエンタープライズ向けラックマウント型NASだ。基本スペック、信頼性の高さもさることながら、ネットワーク性能、ディスクパフォーマンスを向上させる機能が盛り込まれている。

TS-x83XUシリーズはエンタープライズ向けラックマウント型NASキット。写真は24ベイのTS2483-XU

 ネットワーク性能を押し上げているのがMellanox ConnectX-4 Lx SmartNIC(ネットワークコントローラー)だ。10GbE SFP+を2ポート搭載しており、1ポートでも10Gbps、2ポートを負荷分散で使用すればさらに多くの同時アクセスでも通信速度が低下しない。

デュアル10GbEポートの通信設定。一般スイッチで利用できるBalance-tlbやBalance-albといった負荷分散の他、ポートトランキング・LACPをサポートするマネージドスイッチに接続すれば802.3adも利用可能

 また、ディスクアクセス性能に関してはQtier、SSDエキストラオーバープロビジョニングといったコストパフォーマンスを最大限に発揮するための2つの独自技術が採用されている。

 TS-x83XUで利用できるディスクにはSSD、SAS HDD、NL-SAS HDD、SATA HDDがある。この順に高速ではあるものの、高速であるほど容量単価が高いというデメリットもある。Qtierはアクセス速度の異なるディスクを階層化して扱い、頻繁にアクセスされるデータは高速なディスクに、そうでないデータは低速だが容量の大きいディスクに自動配置する。

 業務で使用するデータには過去案件データのように、利用頻度は低いものの必要に応じてアクセスされるものと、進行中の案件データのように毎日アクセスされるものがある。それを人力で移動させるには手間も掛かる上に、移動させることでファイルの場所が分からなくなってしまう、というユーザーからの苦情もある。Qtierを有効にすればファイルのパスはそのままで、速度重視・コスト重視の切り替えが自動的に行われる。

 また、SSDはその構造上、ダイレクトにデータを書き換えることができない。そのため、データの書き換えを行う場合にはいったん当該領域を消去した上で再度書き込みを行うという処理を行わなければならず、パフォーマンスの大幅な低下を招いてしまう。

 そのためにあらかじめ予約領域を確保しておく機能がSSDオーバープロビジョニングだが、QNAPの独自技術であるSSDエキストラオーバープロビジョニングはその容量を最大60%にまで増加させる。もちろん、その分利用可能な容量は減少してしまうが、SSDプロファイリングツールを使用すればSSDエキストラオーバープロビジョニングの容量ごとの性能を測定できる。

Qtierは速度の異なるディスクを3レイヤーで管理し、データを自動配置する
SSDプロファイリングツールの測定結果の例。目標とするパフォーマンスを実現するSSDエキストラオーバープロビジョニング率を調べることができる

 TS-x83XUは信頼性が高く、パフォーマンスに優れているため、オンプレミスで利用すればストレスのないアクセス速度が期待できる。そうして業務で発生する通信の多くをローカルネットワークで完結させた上で、各拠点間のTS-x83XUの同期を行えばインターネット通信を最小限に抑えられる。

 同期にはQNAP独自技術であるRTRR(リアルタイムリモートレプリケーション)を利用する。RTRRはフォルダを監視して、追加・修正・削除があれば即座に他方にその変化を反映する。同期はフォルダごとに双方向と単方向が設定できるので、本社・支社両方から更新されるフォルダ、本社が更新して支社は閲覧するだけのフォルダ、というような使い分けも可能だ。

RTRR(リアルタイムリモートレプリケーション)の設定画面。レプリケーションジョブは400まで、各ジョブに最大16フォルダを指定できる
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提供:QNAP株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月11日

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