IEEE 802.11a/b/g/n/acという通信規格は聞いたことがあっても、IEEE 802.11r/k/vは耳慣れないかもしれない。これらはメッシュWi-Fiにおいて、接続先アクセスポイントが変わっても通信が途切れない、シームレスローミングを実現する機能のためのプロトコルだ。
IEEE 802.11rはFT(Fast Basic Service Set Transition)と呼ばれる高速認証の仕組み。無線LAN接続時には認証を行う必要があるが、接続先が変われば再度認証を行わなければならない。IEEE 802.11rはその再認証を高速に行うことができる。
アクセスポイントの位置、信号強度といった情報をアクセスポイント同士で共有する仕組みがIEEE 802.11kだ。信号強度が下がったときに、切り替え先のアクセスポイントを選択するための情報となる。また、IEEE 802.11vのBSS(Basic Service Set)移行管理機能によってアクセスポイントの負荷情報を提供し、クライアントはそれを判断材料として接続先のアクセスポイントを決定することができる。
Deco M9 Plusはこの3つのプロトコルを全てサポートしているため、対応クライアントではどのアクセスポイントに接続しているかを意識することなく、移動しながらでも快適な通信を楽しめる。
Deco M9 Plusは他のモデルと異なり、モデル名に「Plus」がついている。その違いはスマートホームハブ機能にある。
Amazon Echoなどのスマートスピーカーから操作できるIoT機器、スマート家電は多々あるが、省電力のためにWi-Fiではなく、ZigbeeやBluetoothを使用するものが多い。そのため、直接ネットワークに接続することはできず、ZigbeeやBluetoothとWi-Fiの相互変換を行う機器(ブリッジ)をはさまなければならない。ブリッジは機器ごとに用意されているものの、個別に導入していくと多くの台数が必要になる。
スマートホームハブは1台で複数のスマート家電と接続できるもので、Amazon Echo Plusのようにスマートホームハブ機能を内蔵したものもある。だが、ZigbeeやBluetoothも無線であることに変わりはなく、スマートホームハブから離れたところでは通信ができなくなる。
Deco M9 Plusにはこのスマートホームハブ機能が搭載されている。Deco M9 Plusはバックホールでメッシュを構成するため、結果的にZigbeeやBluetoothであってもどの部屋でもつなぐことができるようになる。今後スマートホーム化が進むにつれて、その利用価値は高まっていくことだろう。
もちろん、Decoシリーズの特徴はそのままDeco M9 Plusも引き継いでいる。Decoシリーズの設定・管理を行うスマートフォンアプリ「Deco」も共通で、メッシュ構成の際にM9 PlusとM5の混在も可能だ。
子機の追加もDeco(アプリ)から行える。新しく追加するDeco M9 Plusの電源を入れ、アプリのメイン画面右上の「+」アイコンから「Deco」をタップする。Decoは異なるモデルを混在させることができるので、モデルの選択画面からDeco M9 Plusをタップする。
もちろん、トレンドマイクロの技術を利用したセキュリティ機能、HomeCare™もDecoシリーズ通して利用可能だ。HomeCare™にはアンチウイルス、QoS、保護者による制限機能の3つの機能がある。
Deco M9 Plusはコンパクトで洗練されたデザイン、スマートホームハブ機能、家族の安全と生活を守るHomeCare™など、家庭での利用を強く意識したメッシュルーターだ。トライバンドによるバックホールの高速性・安定性が大きく、「家中どこでも安定した高速通信」が実感できる。マンション程度であれば2台でもかなりの範囲をカバーでき、3台あれば余裕で死角のないメッシュが構築できるので、Decoのキャッチコピー通り、自宅をWi-Fiで塗りつぶし、快適な情報生活を楽しんでほしい。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年4月10日