プロイラストレーターがコスパ良好のXP-Pen液タブをガチで触ったら(1/2 ページ)

コストパフォーマンスに優れた液晶ペンタブレット「Artist Pro」シリーズを発売しているXP-Pen Technology。実際の使い勝手はどうなのか、プロイラストレーターのrefeiaさんに試してもらった。

» 2019年11月01日 10時00分 公開
[refeiaPR/ITmedia]
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 こんにちは! イラストレーターのrefeiaです。今回はXP-Pen Technologyの液晶ペンタブレット、「Artist Pro」シリーズの最新モデル「Artist 12 Pro」、「Artist 13.3 Pro」、「Artist 15.6 Pro」を紹介します。

はじめに

 これらの機種は、従来コストパフォーマンスや実用性で人気のあった「Artist」または「Artist Pro」シリーズをさらにブラッシュアップして、全機種でフルラミネーションディスプレイや、カスタマイズ可能なホイールなどを装備させたモデルです。今回は13.3型の製品を主にチェックしながら、この機種のメリットや実用性、コストパフォーマンスについてチェックしていこうと思います。

XP-Pen Technology XP-Pen TechnologyのArtistシリーズ

 まず、本機の外観や接続などを見てみましょう。

外観と接続をチェック

 3モデルの外観を見てみます。それぞれ8ボタンとポイントカラーになっているホイールなど、よく統一されていて、基本的に画面サイズだけが違っていると考えてよいと思います。付属品もスタンドのサイズ差こそあれ同じで、ビジュアルと使い勝手がよく統一されています。

XP-Pen Technology サイズの差こそあれ、どれも薄型軽量です。上から11.6型、13.3型、15.6型と種類も豊富

 さっそく接続してみたのですが、ここで驚きが2つあります。まず1つが、USB Type-Cにつきまとう「何かにぶつけたり引っかかったりしたら怖いな」という不安を解消したコネクターです。ツマミごと本体に深く差し込むようになっていて、ケーブルやツマミに強い力がかかってもコネクタを守る形状になっています。

XP-Pen Technology 同じケーブルを2本用意して、片方を外に置いて、片方を差し込んでみました

 もう1つの驚きは、ACアダプターが不要という点です。ケーブルの構成自体はオーソドックスな「USB・HDMI・電源」の三つ股方式なのですが、電源部分もUSB端子になっていて、PCから電源が取れるようになっています。

XP-Pen Technology 小型デスクトップPC(左)に接続してみました。この仕様は本当に気に入りました

 このようなUSBの2系統から電源を取るというアイデアは、外付けDVDドライブなどでは以前からあったのですが、液タブでもこうしてくれるとコンセントをふさがないですし、ケーブルの取り回しも楽になってとても助かりますね。また、ACアダプターも付属しているので、USB端子の数に余裕がないPCでも大丈夫です。

 ペンはカスタマイズ可能な2つのサイドボタンがあるオーソドックスな形状ですが、芯がやや長く飛び出していて、ペン先周りの視界を確保しやすいように作られています。

XP-Pen Technology タブペンは太い場合が多いので、芯が長くて視界が確保されるのは助かります

 また、ペンスタンドと替え芯ホルダーを兼ねたペンケースが付属しています。ペンを手元に立てておけると手に取るときの気楽さに影響するので、ちょっとしたことですがうれしい点ですね。

XP-Pen Technology 替え芯は8本付属しています

 スタンドは軽量・薄手の汎用性のある形状で、約20度の傾斜が得られます。iPadなどの他社製タブレットも、そのまま乗せて快適に使えると思います。

XP-Pen Technology 5カ所にゴム足がついていて、机へのグリップも良好でした

性能をチェック

 さて、では性能を見ていきましょう。まず画面の発色についてですが、広色域化する前のiPadなどの、sRGB標準ぴったりに調整された端末より少し色が濃く、計測してもsRGBとAdobeRGBの間ぐらいの発色になっていました。

XP-Pen Technology こういう比較をデジカメで撮ると、肉眼より分かりづらくなるのが常ですが、赤や青緑色が少しこってりしているのが分かると思います

 ディスプレイの色域をどう考えるかについては、人それぞれあるとは思います。自分は今はsRGBをエミュレートした設定のディスプレイを使っていますが、スマートフォンなどの日常的に使う機器がだんだん広色域化していく中で、ブラウン管時代に制定されたsRGBをいつまで使うんだという問題があります。かといってWindowsがユーザーにカラーマネジメントさせようという気が無いように見える中、ディスプレイをいきなりAdobe RGBに合わせてしまうと通常のウェブサイトなどを見るときにギラギラしすぎて目が痛くなります。

 つまり、ここを真面目にやろうとすると、本体コストやユーザーの手間、調整用機材コストなど、コストパフォーマンスがものすごい勢いで悪化していきます。(上の文章が長いという時点で、めんどくさいというのがイメージとして分かってもらえると思います)。

 なので、本機のようなコストパフォーマンスを訴求する機種では、これくらいの発色が、箱から出して難しい調整や複雑な設定をせずに、標準的なディスプレイとしても大きな違和感なく使えて、かといって古臭いsRGBガチガチでもない、ほどよい発色の良さなのだろうと思います。

 ただし、12型のモデルだけが色の濃さがsRGBに近く、13.3型や15.6型よりややあっさりめに表示されます。標準に近いという良い面でもあるのでどちらが良いかは人それぞれですが、選ぶ際には注目しておくとよいでしょう。ちなみに製品のスペックは、12型がNTSC比で72%、その他の2モデルが同88%となっています。

 グレースケールパターンのチェックもしましたが、明暗の飛び・潰れもありませんでした。

XP-Pen Technology デジカメで撮った画像では分かりづらいかもしれませんが、グレースケールパターンのチェックで問題はありませんでした

 また、本機は液晶パネルからタブレット表面までが非常に薄く、視差が起こりにくいです。小型機は抱えて使ったり、高さや角度がしっかり固定できない場所で使ったりしても扱いやすいので、画面を斜めから見る機会が増えます。なので、視差が小さいのは有利だと思います。またフルラミネーション加工がされていて、アンチグレア処理もごく細かいので表示もクリアーに見えます。

XP-Pen Technology もちろん、12型や15.6型も同様の視差の小ささです

 その他、ジッター(不随意な線の揺れ)や遅延のテストもしましたが、いずれも問題ない結果でした。低価格の液タブにはジッターが残っている機種もあって油断ならないですが、本機は大丈夫です。

XP-Pen Technology テストの様子です。平行線を何本も描いたり、素早く描く様子を高速度撮影したりします

 性能を把握できたところで、お絵かきした際の実用性はどうなのかを見ていきます。

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提供:XP-Pen Technology
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年11月19日

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