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» 2019年11月08日 10時00分 公開

セキュリティとシームレスな使い勝手、そしてハイブリッドクラウドに注力――Synology Japan代表に聞く (1/3)

ネットワークストレージで知られるSynology Japanが、現状の事業展開、2020年に向けた展望と今後の製品ロードマップなどを紹介するイベント「Synology 2020 Tokyo」を開催した。この記事では、今回のイベントをレポートする。

[PR/ITmedia]
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 Synology Japanは10月15日、都内で「Synology 2020 Tokyo」を開催した。

 同社は年に1回、このようなイベントを開催し、現状の事業展開、翌年に向けた展望と製品ロードマップなどを紹介している。この記事では、今回のイベントの内容をレポートする。

Synology 2020 Tokyoロゴ

「NAS」の定義を変え「クラウド」を転換する

蔡明宏 Synology Japanの蔡明宏社長

 イベントではまず、Synology Japanの蔡明宏社長が登壇し、あいさつを述べた。

 Synology製品のグローバルでの販売台数は累計700万台超を数え、主力のNAS製品に搭載される独自OS「DSM(DiskStation Manager)」のダウンロード数が1.5億に達したという。また、B2B市場において過去1年間で50%近い成長率を達成したことも報告した。

販売とダウンロード実績 NAS製品を累計700万台販売し、DSMは1.5億ダウンロードを達成。順調にユーザーを獲得してきた

 今回のイベントは、Synologyの創業20周年を記念するものでもある。そこで蔡社長は、「創業当初から今までを振り返るよい機会だ」語り、その歩みを説明した。

 その中でも印象的なのが、「Synologyは創業当初からDSMの開発を決断し、NASにアプリケーションソフトウェアを入れることで、『Network Application Server(ネットワークアプリケーションサーバ)として再定義した」という言葉だ。

 多くの人にとって、Synologyといえば「NASボックス」、つまりNASキットのメーカーというイメージが強いだろう。しかし、現在のNASでは、ストレージサーバ機能だけではなく、OS上でいろいろなソフトウェアが動作し、さまざまな機能が提供されている。

 「NASの再定義」は、こうしたソフトウェアこそがNASを導入する理由になっていることを象徴している。

NASの再定義 NASを「Network Attached Storage」から「Network Application Server」に進化させた

 また、現在はクラウド(オンライン)ストレージの存在の重要性も増している。

 各メーカーが提供している「パブリッククラウド」に対し、SynologyのNASでは「プライベートクラウド」を実現している。プライベートクラウドは、パブリッククラウドのバックアップに活用されたり、パブリッククラウドはセキュリティを高めるために活用されたりする。

 そのことから、パブリックとプライベートとの間でデータ転送も増え、そのトラフィック(通信の混雑)をどう解決するのか、といった課題も生まれてきた。蔡社長は「今、パブリッククラウドとプライベートクラウドのバランスが常に求められている」と語る。

 具体的には、2017年にスタートした「Synology C2 Public Cloud」(以下「Synology C2」)のサービスを今後もより一層充実させる方向を目指す。データバックアップだけでなく、共有、同期やDSMデータの管理をSynology C2上でも実現することで、「ハイブリッドクラウド」へと移行する。

 同社としては、「システム」「アプリケーション」「クラウド」の3つの開発に注力しながら、これらをシームレスに統合していくことを目指すとのことだ。

Synology C2のサービスを充実させていく Synology C2のサービスを充実させていく

DSM 7.0で刷新される「エクスペリエンス」

 Synology 2020 Tokyoでは、独自OSの最新版「DSM 7.0」の機能の一部が紹介された。同OSは2019年内にβ版を提供し、2020年内に製品版が登場する見通しだ。

DSM 7.0

 DSM 7.0では「ユーザーエクスペリエンス」「キャッシュテクノロジー」「リソースモニタリング」の3点を重点的に改善しているという。

改善点 DSM 7.0で注力している3つのポイント

 ユーザーエクスペリエンス面での改善の1つとして、ログインに要する時間がある。現行の「DSM 6.2」では14.15秒かかる所を、3.67秒まで短縮し、快適なものになるという。パッケージ(アプリ)の開始に要する時間も短縮される。

 さらに、外部からローカルのNASにアクセスする際の設定をシンプルなものにする。外部からのアクセス機能としては、現在は「QuickConect」を提供しているが、利用に必要な「QuickConnect ID」を登録した流れでそのままDDNS(ダイナミックDNS)の登録、「Let's Encrypt」を使ったSSL証明書の取得などがワンストップで行われ、SSL通信に必要な設定が1クリックで可能になる。

 その他、NASにひも付けられる「Synologyアカウント」と共に、NASの設定を自動的にクラウド保存できるようになる。これにより、例えば災害などでNASの設定情報が紛失してしまった場合でも、ユーザー情報やパスワードといった設定を復旧できるようになる。

DSMへのログイン時間を大幅に短縮 DSMへのログイン時間を大幅に短縮
セキュアな接続を簡単に実現 Quick Connect IDを取得するだけで、設定の手間をかけずにセキュアなプライベートクラウドを構築できる

 キャッシュテクノロジー面では、SSDキャッシュの手法の見直しによるパフォーマンス向上を実施する。

 具体的には、従来はファイルベースで直近のアクセス時間からキャッシュを生成していたものを、64KBのブロックベースと複数の判断材料から生成するキャッシュを判断する方式に改められる。合わせて、メタデータをSSDキャッシュ上に置いてロック(常置)することでも高速化を行える。

 Synologyによる検証結果を見ると、SSDキャッシュ有効時は無効時と比べて約3分の1で処理を完了できるという。メタデータロックを有効化すると、さらに約4分の1の高速化を図ることが可能で、合わせて15分の1近くまで処理時間を短縮できるそうだ。

 SSDを活用する際に気になるのが、書き換え寿命だ。DSM 7.0ではそれを延ばすために、リアルタイムデータ圧縮をかける際のアルゴリズムを「LZO」から「Zstd(Zstandard)」に変更。圧縮率を高めることで、書き込むデータ量を抑える手法を取る。

アルゴリズム SSDキャッシュを取る際のアルゴリズムを変更することで、パフォーマンスを向上
メタデータを作るとさらに高速化 メタデータを常にSSD上に保持することで高速化
メタデータロック メタデータロックをすると、SSDキャッシュなしの状態から15倍の高速化を実現
圧縮アルゴリズム変更 リアルタイムデータ圧縮アルゴリズムを変更、圧縮率を高め、SSDへの書き込み総量を削減

 リソースモニタリング面では、DSMの「リソースモニター」のユーザーインタフェース(UI)を改善。パフォーマンス履歴や起動中のサービスの確認をしやすくした。

UI改善 リソースモニターのUIを改善
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提供:Synology Japan株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年11月15日