「IPv6ブースト」って何だ? アイ・オー・データ機器のWi-Fiルーターがインターネットを加速する無線LANはWi-Fi 6よりも「IPv6ブースト」が狙い目(2/2 ページ)

» 2019年12月05日 10時00分 公開
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IPv6接続(IPoE)で快適インターネット

 このIPv6接続(IP over Ethernet方式)に切り替えると、速度低下が解消される理由として、まずフレッツ光網への接続ユーザー数が激減することが挙げられる。

 従来のIPv4(PPPoE=Point-to-Point Protocol over Ethernet)接続は、現状で利用者が多く非常に混雑しているが、IPv6接続(IPoE)は利用者がまだ少なく回線を快適に利用できる。渋滞していた高速道路(片側二車線)から、空いている高速道路(片側四車線)に移るようなもので非常に快適になるのだ。

 最近のルーターであれば、IPv6接続をサポートしているし、PCのOSがWindows 10やmacOS 10.15 Catalinaであれば、特に設定を気にせずにIPv6でのネット接続が楽しめる。自分のPCでIPv6接続が可能かどうかは「ネットワークのプロパティ」を確認すればチェックできる。

IPv6ブースト Windows 10の「ネットワークのプロパティ」ではIPv6に関する情報をチェックできる

 また、実際にIPv6で接続しているのかをチェックするためのWebサイトもあるので、Webブラウザでアクセスしてみるといいだろう。

IPv6ブースト 実際にIPv6で接続しているのかをチェックするためのWebサイト。10/10となっているのは、IPv6に完全対応を意味する

IPv6接続でネット回線を高速化する「IPv6ブースト」

 さて、ネット回線をIPv6接続(IPoE)に変更したことで得られるメリットは「回線速度が低下しなくなること」だ。筆者のケースで言えば、筆者宅以外に誰も利用者がいなかったころの回線速度に戻すことができた。

 しかし、もしアイ・オー・データ機器のルーターを使っているのであれば、IPv6接続にすると、同社独自の技術「IPv6ブースト」でネット接続の速度も向上するという。最大で、従来と比べて約4倍もの高速化を実現するというのだ。

 この技術は、Wi-FiルーターのIPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)通信でのデータ処理プログラムを見直して最適化し、ハードウェアの性能を最大限に発揮できるようチューニングを施すことで実現している同社独自の技術だ。

 IPv6接続オプションさえ有効であれば、ユーザー側が特に何か手を加える必要はない。ネットに接続するのにIPv6接続でありさえすればいい。

IPv6ブースト 「IPv6ブースト」の利用イメージ

既存モデルから順次アップデートを提供予定

 このIPv6ブーストだが、現在対応しているのは同社のルーター「WN-AX1167GR2」で、「WN-AX2033GR2」「WN-DX1167R」は今後対応の予定だ。既にこれらの製品を使っている人は、ファームウェアの自動更新で対応するため、ファームウェア更新に関しての設定が出荷時のままであれば、特に何もせずに自動更新後に「IPv6ブースト」を利用できる。手動更新にしていた人は、自動更新に再設定するといいだろう。

IPv6ブースト 基本設定を変えていなければ、ファームウェアの自動更新にチェックが入っている

 上記以外のモデルについても、対応ファームウェアが順次提供される予定で、既にファームウェアの更新を行った既存ユーザーからは「インターネットが快適に利用できるようになった」「通信速度が改善された」といったフィードバックが寄せられているという。

 今回は「IPv6ブースト」に対応しているルーター「WN-AX1167GR2」を検証に利用した。同製品は、無線LAN規格IEEE 802.11ac/n/a/g/bの各規格に対応し、最大で867Mbpsの高速通信が可能なWi-Fiルーターだ。有線LANも1000MbpsのギガビットLANに対応している。

 上下、左右と360度に電波を余すことなく飛ばせる「360(さんろくまる)コネクト」技術を搭載して接続性を高めている。また、悪質サイトやフィッシングサイトをフィルタリングする「ネットフィルタリング」機能(5年間無料)や、子供の利用時間を制限する「ペアレンタルコントロール」機能、PCやスマートフォン、ゲーム専用機、携帯ゲーム機など、Wi-Fi接続している端末を管理できる「Wi-Fiマモル」機能を備えている。同社のダイレクト販売サイトの直販価格は7128円と手頃だ。

IPv6ブーストIPv6ブースト アイ・オー・データ機器のIPv6ブースト対応ルーター「WN-AX1167GR2」(写真=左)。背面に4つのギガビット対応のLANポートを備えている(写真=右)

新旧ファームウェアで実行速度を比較

 概要を把握したところで、本当にルーターを変更するだけで速度は速くなるのだろうか。実際に対応ルーター「WN-AX1167GR2」を2台用意してテストをした。片方は旧ファームウェア(バージョン1.22.000)のまま、もう片方はIPv6ブースト対応の新ファームウェア(バージョン1.33.001)の状態で速度比較を行った。

 テスト環境は以下の通りだ。

 旧ファーム版のWN-AX1167GR2に有線LAN(ギガビットLAN)で接続したPCのスペックは、OSが64bit版Windows 10 Pro、CPUはIntel Core i7-5820K(3.30GHz)、メインメモリーは64GB、HDDがWD30EZRZ-RT(3TB)で、ブラウザーはGoogle Chromeを使ってブロードバンドスピードテストにアクセスして速度を計測している。回線はBIGLOBE光パックNeo with フレッツ「ひかり」コースだ。

 さらに、AndroidスマートフォンであるSamsung Galaxy S7 EdgeでルーターにWi-Fi接続(IEEE 802.11ac、5GHz、リンク速度433Mbps)し、ブロードバンドスピードテストが提供しているAndroidアプリ「SPEED CHECKER」で速度を計測した。同様に、ファームウェアをIPv6ブースト対応に変更して同じテストを行った。ファームウェアが違う以外は、全くの同一環境だ。

IPv6ブースト PCとルーターを有線接続でした場合のテスト結果
IPv6ブースト スマートフォンとルーターを無線接続した場合のテスト結果

 結果は見ての通りだが、ファームウェアの違いだけで速度が大きく向上している。マンションが乱立している中で、深夜の混雑した時間帯という悪条件の中だが、AndroidスマートフォンからのWebブラウジングでは、快適さの違いが体感できるほどサクサクとした動きになっている。こうした点から、IPv6ブーストの効果は非常に高いと言っていいだろう。

 前述した最大約4倍というスピードは、あくまでスピードが出る理想的な環境内の話であり、私たちが実利用する環境とは異なるが、ルーターのファームウェアを更新しただけでこれだけのスピードアップを果たしているのは驚きだ。これまで同じような時間帯で、PCによるダウンロードのスピードが100Mbpsを超えたことがなかっただけに、かなりインパクトがあった。

 なお、ギガビットLANによる有線接続であれ、AndroidスマホのWi-Fiアクセスであれ、ルーターとの接続がどれだけ高速であっても、その先のWAN接続が遅ければ、インターネットの快適さは悪化してしまう。次世代Wi-Fiの本命と言われるWi-Fi 6であってもそれは変わらない。まずは「IPv6ブースト」で回線自体を高速化した方がメリットを体感できる。

お手軽で簡単にネットが高速化するなら「IPv6ブースト」で決まり

 以上、IPv6ブーストの解説と検証結果をお伝えした。

 現時点で最大10Gbpsの超高速回線を契約したとしても、それを存分に使いきれるリッチコンテンツは、ほぼ存在していない。対して「IPv6ブースト」は、対応製品も多く、安いモデルでは実売で5000円台前後とお財布にも優しい。そして回線を乗り換えることなく速度を向上できるので、現状でネット回線のレスポンスに不満を感じていたり、eスポーツやゲームでラグが気になったりしたことがある人たちにもメリットがあるだろう。

 なお、アイ・オー・データ機器からリリースされる今後の新製品は、全て「IPv6ブースト」に対応予定となっており、既存モデルも順次アップデートされていく予定だ。詳細はWebページを確認してほしい。

 ネット接続の回線が遅いと感じている人は、プロバイダーで用意しているIPv6接続オプションを申し込むと同時に、アイ・オー・データ機器の「IPv6ブースト」対応ルーターを選ぶことをお勧めしたい。

IPv6ブースト
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年12月11日