新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、急きょ「テレワーク」を導入したり拡大したりする企業や団体が増えている。しかし、テレワークの導入には問題もつきもの。QNAPのエンタープライズ向けNAS「QNAP ESシリーズ」なら、そういった課題をスマートに解決してくれる。
新型コロナウイルスに関して発出された、2020年4月7日の緊急事態宣言から1カ月以上が経過した。密閉空間・密集場所・密接場面の「三密」を避けるという観点から、出社を自粛・規制し、多くの企業がテレワークでの勤務にシフトした。
その一方で、さまざまな事情から未だ出社を余儀なくされている企業や、テレワークを全社規模に拡大したことで、今まで見えなかった問題点が顕在化した企業もあるだろう。
セキュリティと利便性の両立、電子化されていない事務手続き、顧客との契約内容による業務形態の制限、ネットワークやサーバのパフォーマンス不足――など、解決しなければならない問題は多々ある。だが、QNAPのエンタープライズ向けNAS「QNAP ESシリーズ」なら、噴出したさまざまな問題を解決することができるかもしれない。
テレワーク中の情報共有のプラットフォームとして、クラウドストレージは有力な選択肢の1つだ。オンラインで申し込めば原則として即日で利用できるようになり、容量の拡張も無制限に行えることから、緊急対応として特例的に導入した企業もあるだろう。
しかし、クラウドストレージに顧客から預ったデータを保管すると「第三者のサーバにデータを置くこと」になる。顧客との契約条件によっては、契約違反となり問題が生じうる。
昨今のサイバー攻撃では、ターゲットとなる企業そのものではなく、その取引先を攻撃の“糸口”とすることも珍しくない。そのため、セキュリティ意識の高い企業では、取引先にセキュリティ要件を明示し、その順守を求める「サプライチェーンリスク管理」を行っている。
その要件に「秘密情報を保存するコンピュータは施錠された部屋に設置し、責任者が鍵を管理する」という内容が含まれていると、契約上クラウドストレージを利用できない。社内だけで済むことなら後追いで社内規則などを整備できても、顧客との契約はそう簡単に変えられるとは限らない。
手元にNAS(サーバ)を置いておく「オンプレミスシステム」の強みの1つは、運用者が“完全に管理できる”という点だ。施錠した部屋に設置したり、廃棄時にディスクを破壊して証明書を取得したりと、顧客との契約条件に沿った対応を取りやすい。
従業員はVPNを使っていったん社内ネットワークにログインし、そこからファイルサーバにアクセスするようにすれば、テレワーク環境でもファイルサーバ上のデータを利用できる。
とりあえず「在宅で仕事をこなせる職種」から始まったテレワーク。そうであっても、いつまでも一部にとどめておくわけには行かない。なるべく早く「ほぼ全ての職種で在宅勤務が可能」という体制は構築しておくべきだろう。状況によっては、ビル全体が閉鎖され、オフィスでの執務が強制的にできなくなることも考えられるからだ。
そのためには、「業務や承認の流れの見直し」「ペーパーレス化の推進」などの取り組みが欠かせない。しかしもう1つ、テレワークを推進する上で目に付きにくいポイントとして、「完全無人のオフィス内でも、正常に動作し続けるサーバ」が挙げられる。障害が発生した際の対応はもちろん、動作が不安定になったときやOS更新時など、サーバの再起動をかけなければならないこともある。
再起動自体はリモート操作でできたとしても、状況を把握しきれない中での作業には不安が残るはずだ。
QNAPの「ES2486dc」と「ES1686dc」は、エンタープライズ用途に特化したNASだ。その差別化要素の1つが「高い可用性(アベイラビリティー)」で、ハードウェアとソフトウェアの両面から多くの対策が行われている。
ES2486dcとES1686dcには、電源、ネットワーク、CPU、メモリが独立した2系統のコントローラシステムが搭載されており、両方が同時稼働するようになっている。片方のシステムが故障しても他方がすぐに処理を引き継ぐため、サービスが停止しない。
ファームウェアのアップデートや再起動、シャットダウンも片系統ずつ実施できるので、片方に不具合が発生したとしても、サービスを継続できる。
ES2486dcとES1686dcのOSは、オールフラッシュアレイに最適化されたエンタープライズ向けの「QES2.1.1」だ。
両機種はストレージとして容量単価の安いSAS/Serial ATA HDDを使用することもできるが、主要業務のパフォーマンスに直結するファイルサーバとして用いることを考えれば、駆動部品がなく、HDDよりも故障率が低く長寿命なSSDを利用すべきだろう。
ES2486dcとES1686dcのストレージのファイルシステムに「ZFS」を採用し、パフォーマンスを向上するために、RAM上のプライマリキャッシュ(L1 ARC)、SSDのセカンダリキャッシュ(L2 ARC)、ZFSインテントログ(ZIL)といった多段的なキャッシュ構成を取っている。
このような複雑なキャッシュ構成だと、予期しないシャットダウンによる不具合を懸念する人がいるかもしれない。だが、ES2486dcとES1686dcには、バックアップ用のバッテリーとSSDが内蔵されている。
電源断を検知すると、DRAMのキャッシュデータをSSDに保存し、電源復旧時に再構築した上でサービスを再開するようになっているため、突然の停電の際にもデータの不整合が生じない。
ES2486dcとES1686dcは、最大で6万5535世代分の「スナップショット」(データ履歴)を保存できる。これは1日1回で約180年分、1時間に1回でも7年以上分に相当する。ブロックレベルの複製を行う「SnapSync」を併用すれば、スナップショットを利用して別の拠点にあるQNAP NASにデータを複製することもできる。SnapSyncで取ったスナップショットは、保存先で直接展開してデータにアクセスできるので、拠点レベルでの障害が発生した場合でも、早期の復旧を図れる。
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提供:QNAP株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2020年6月6日