Intelの超小型PCとしておなじみの「Intel NUC」だが、さまざまなビジネスシーンでの導入が進み、高い評価を受けているという。その最前線の模様をパソコン工房やグッドウィルを運営するユニットコムに聞いた。
IntelのNext Unit of Computingこと「Intel NUC」は、手のひらサイズの超小型PCながら、優れた性能と高い拡張性を備えており、医療機関やサイネージ用途など、さまざまなビジネスシーンで活用されている。
全国にPCショップを展開するパソコン工房(ユニットコム)は、法人向けにIntel NUCを長年提供しており、日本国内で最も多く販売した企業に贈られる賞である「Partner of the Year NUC Solution」を受賞するなど、実績は豊富だ。
今回、同社はIntel NUCのWebページを一新し、新モデルを一挙にリリースした。これまでの取り組みや事例、今後の方向性などを担当者に伺った。
――Intel NUCについて、これまでの取り組みを教えてください。
菅原氏:Intel NUCは、一般的なオフィス用の省スペースクライアントPCとしての他に、医療機関、製造業など、従来は専用端末で行っていた業務の端末としても導入いただき、高い評価をいただいています。
NUCが登場してすぐの頃(2012年)は、PCに詳しい情報システム部門や開発者の方からの指名買いをいただく程度でしたが、医療機関で高評価をいただいたことをきっかけに、2013年頃から法人営業部で本格的に営業を開始しました。
――かなり早くから扱われているのですね。当時から売れ行きは好調だったのでしょうか?
菅原氏:最初から好調というわけではなかったですね。自作PCの分野では早くからNUCの存在が知られていましたが、法人向けではほとんど認知されていませんでした。そこで、さまざまな展示会に出展したり、お客さまの元に実機を持ち込んだりと地道に営業を進めていました。
当初は一般的なデスクトップPCとの比較で、コストがネックになって選定から外れてしまうことも多かったのですが、Windows XPのリプレースの頃(2014年)から、SSDの低価格化もありシステムとしての価格がこなれてきたことで競争力がついてきた印象です。
――ビジネスシーンにおけるNUCの魅力、求められているポイントを教えてください。
菅原氏:やはり1番はボディーが小さいことですね。机の上が広く使えるということもありますし、複数台設置しても場所をとらないことが大変好評です。医療機関やコールセンター、自動車ディーラーさんなどは1人で複数のPCを使用したり、社内に複数系統のPCが設置されていたりすることが多いようです。情シスさんの立場からは、設置や交換が簡単で保管場所も取らないため、保守がしやすい、ロードマップが公開されているため継続的な導入や後継製品へリプレース予定が立てやすい、という声をいただきます。
――小さいということについては、ノートPCという選択肢もありますが、そのあたりはいかがでしょう?
菅原氏:設置場所が極めて限られる場合はノートPCになるのでしょうが、既存のOAデスクの環境から業務効率を上げたいという理由が大きいと思います。2画面や大型のディスプレイ、業務用アプリの都合で4:3のディスプレイを使い続けているなどさまざまです。NUCは一部例外はありますが、ディスプレイの裏に固定できるので、端末の入れ替えだけで省スペース化と高速化を体感できます。
――どのような業種で人気が高いのでしょうか。これまでの実績を教えてください。
菅原氏:1番多く導入いただいているのは医療機関です。おかげさまで最近では知名度も上がってきまして、北海道から九州、沖縄まで、地域や組織の規模も問わず、広くお付き合いいただいています。次いで多いのは製造業、そしてデジタルサイネージやVODなど自社でソリューションを提供されているSIerさんですね。
――医療系では早くから実績があるようですが、その理由は?
菅原氏:当社は保守期間が満了した他社PCの修理・増設用のパーツや中古PCの販売、ノートパソコンのバッテリーリフレッシュサービスを行っております。その関係で病院さんとご縁がありまして、PCのリプレースに関してご相談いただいた際に、NUCを提案したところ、これが大変好評で採用いただきました。最近では病院さんの方から指名買いが入るというケースも増えています。
――医療系で高い評価を得ている理由について、具体的な反響を教えてください。
菅原氏:医療機関では診療系(電子カルテ)、勘定系など複数系統のネットワークがあり、1人で複数台のPCを使う部門も多く、限られた場所での省スペース化が長年の課題でした。NUCは大手メーカー製の小型PCよりもさらに小さく、低コストであることや既設のディスプレイが流用できること、そして、導入前の事前検証やキッティングなどのサポートが導入の決め手になりました。
導入後の反響としては、省スペース化はもちろんのこと、SSDを採用しているため操作のレスポンスが高速で快適になったこと、省電力でファンが少なくホコリもたまりにくいことが好評で、メンテナンスの手間が削減され、院内環境を清潔に保てるとの声をいただいております。
――製造業の場合はどうでしょう?
菅原氏:ある機械製造業さんのケースでは、図面や書類を多く扱うという業種固有の事情がありました。机を広く使いたいことから、従業員がPCを床置きし、うっかり蹴ってしまったり、ホコリがたまりやすいことで故障の原因になっていたようです。
また、複数の業務アプリの利用や図面をプレビューする際の処理速度も課題だったそうですが、ディスプレイの背面に固定する形で、SSD搭載のNUCを導入したことにより、それらの課題が解消され、製造ラインに導入したNUCはライン変更の際にも設置の制約が減り、すぐ移動ができて楽になったという声をいただいております。
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提供:株式会社ユニットコム
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2020年12月29日