中小企業の救世主! QNAPの最新NASキット「TS-x73A」とスイッチ「QSW-2104」の魅力に迫る(1/3 ページ)

テレワークの広がりによって、就職/転職における企業選びのポイントの1つに「テレワークの快適さ」が加わりつつある。中小企業におけるテレワークの快適さを高めるための選択肢として、QNAPのNASキットNASキット「TS-x73Aシリーズ」と、アンマネージドスイッチ(ハブ)「QSW-2104シリーズ」をチェックしてみよう。

» 2021年08月25日 10時00分 公開
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 新型コロナウイルス感染症の国内感染が初めて確認されてから1年半以上経過した。感染拡大の収束が見通せない状況で、テレワーク(遠隔勤務)を勤務形態の主軸を移行した企業、あるいは移行を考える企業も少なくない。採用人事でも、「リモート面接」で内定を得て、そのまま「在宅勤務」といったように、オフィスに出向かないまま就業するというケースも珍しくなくなってきた。

 急速に広がってきたとはいえ、テレワークにはオフィス中心の従来の働き方のような“スタンダードモデル”が確立していない。歴史が浅いゆえに、企業によってテレワーク環境は大きく異なる。テレワークが定着してくれば「テレワークが不便だから」という理由で退職する従業員が増える可能性もある。快適なテレワーク環境の整っていない企業は今後、人材の確保が難しくなっていくかもしれない。

 テレワークの導入前からいる従業員は、多少の不便さがあっても「いろいろあったけど、オフィスに出勤するよりはありがたい」と寛容に受け入れてくれるかもしれないが、入社時からテレワーク環境で働くことになる中途/新卒採用者はより“フラットな目”でシビアにテレワーク環境を見つめるはずだ。

 そろそろ、「こういうものだ」で許容されていたテレワーク用のインフラや機器を見直すべき時期が来ている。この記事では、中小企業や大企業が部署単位で導入することを前提に、従業員から不満の出やすいポイントであるファイルサーバネットワーク回りを見直してみようと思う。

イメージ図 会社のテレワーク環境、ファイルサーバとネットワーク回りから見直してみませんか?(写真はQNAPのNASキット「TS-473A」)

さらに進化したQNAPの新型NASキット「TS-x73Aシリーズ」

 まずファイルサーバだが、ここではQNAPが2021年4月に発売したNASキット「TS-x73Aシリーズ」を紹介したい。このシリーズには、4ベイタイプの「TS-473A」、6ベイタイプの「TS-673A」、8ベイタイプの「TS-873A」の3製品が用意されている。

HDDを入れる図 TS-x73Aシリーズは、2.5/3.5インチHDD/SSDを自分で用意してNASを構成する。用途に合わせてストレージを選べるのが魅力だ
Ironwolf 今回は編集部が用意したSegate製のNAS用HDD「IronWolf(アイアンウルフ)」を使ってレビューを行った

 QNAPのNASキットの型番には一定のルールが存在しており、3桁の数字のうち、百の位は「ベイの数」を示す。下二桁は「プラットフォーム」を示しており、数字が大きいほどパフォーマンスは高い傾向にある。数字の後のアルファベットは「オプション」を示しており、今回のAは当該シリーズの「第2世代」であることを示す。

 ……となると、TS-x73Aシリーズと、先代のTS-x73シリーズの違いは小さく、マイナーチェンジに近いのではないかと考える人もいるだろう。しかし、TS-x73Aシリーズは、TS-x73シリーズから大幅なパフォーマンス向上を果たしている。その要因は大きく3つある。

CPUの変更

 TS-x73Aシリーズは、AMD製のCPU「Ryzen Embedded V1500B」(2.2GHz、4コア8スレッド)を搭載している。先代が搭載していた同社製の「RX-421ND」(2.1GHz〜3.4GHz、4コア)と比べると、IPC(クロック当たりの命令実行性能)が40%向上しているため、負荷の大きな場面でも処理が快適に進む。

 その上、TDP(熱設計電力)が35Wから16Wに半減している。TDPはCPUの消費電力の目安となる値である。つまり、CPUの消費電力が大幅に削減されているということだ。処理パフォーマンスが改善しているのに消費電力が減る――これだけでも大きな進化点といえる。

Ryzenに CPUがRyzen Embedded V1500Bに変更されたことで、高負荷時の処理パフォーマンス向上と消費電力の削減を両立した

メインメモリの標準容量アップ

 TS-x73シリーズのメインメモリは標準で4GBだった。それに対して、TS-x73Aシリーズでは標準容量が2倍の8GBとなった。CPUの変更と合わせて、処理パフォーマンスの向上につながる改善点だ。

 なお、両シリーズ共に、メインメモリは最大64GBまで増設できる。

ネットワークインタフェースの高速化

 TS-x73シリーズは、本体に備えるネットワークインタフェースが1000BASE-T(1Gbps)ポート×4という構成だった。それに対して、TS-x73Aシリーズは2.5GBASE-T(2.5Gbps)ポート×2という構成に変更された。

 2.5GBASE-Tは、現在のオフィスで敷設されていることが多い「カテゴリー5e(CAT.5e)」ケーブルで利用できるより高速な有線LAN規格となる。より高速な10GBASE-T(10Gbps)では、ケーブルを「カテゴリー6(CAT.6)」のものに交換しなければならない。コストとパフォーマンスのバランスを取ってネットワークのパフォーマンスを向上できるという観点では、2.5GBASE-Tを採用したことは正解といえるだろう。

 ちなみに、TS-x73AシリーズはPCI Expressスロットを2基備えている。必要となった場合は、ここに拡張カードを挿入することで10GBASE-Tポートも増設できる。将来のパワーアップも見越した設計であることは見逃せない。

背面 TS-473Aの背面。2基ある有線LANポートは、高速な2.5GBASE-Tに対応している。上部のPCI Expressスロットに拡張カードを挿入することで10GBASE-TやSSDを増設できる

安全性重視のハイエンドOS「QuTS hero」に対応

 QNAPのNASキットは、同社の専用OSで稼働する。TS-x73シリーズでは「QTS」というエントリー〜ミドルレンジモデル向けOSにのみ対応していたが、CPUパフォーマンスが向上したTS-x73Aシリーズでは、ハイエンドNASキット向けの高機能OS「QuTS hero」での動作もサポートする。用途に合わせて、2つのOSから選べるようになったのだ。

 ちなみに、記事掲載時点において、TS-x73AシリーズはQuTS heroが動作する最も手頃なNASキットである。

OS比較 QuTS heroとQTSの機能比較。TS-x73Aシリーズは用途に応じて両方のOSを利用できる(公式Webサイトの記載をもとに作成、クリックで拡大)

 QuTS heroは、次世代ファイルシステム「ZFS」を採用している。ZFSはパワフルなCPUと大量のメモリを搭載していることを前提に、ストレージの信頼性や読み書きの性能を高めたことが特徴である。

 RAIDは一般的に、可用性(連続稼働できる能力)を高めるために導入される。しかし、そのための分散/冗長構成が、むしろ障害を引き起こす原因となりうる。突然の電源断などによってディスクに正しくデータが書き込めなかった場合、データに不整合が発生する可能性があるが、旧来のファイルシステムではデータの不整合を「ディスクのエラー」として検出できないのだ。

 その点、ZFSではデータの読み書きの際にエンドツーエンドのチェックサムを確認する。これにより、ハードウェアの欠陥、ファームウェアのバグ、メタデータのエラーといったトラブルに起因する“サイレント”なデータ破損も検出し、修復できる。万が一の事態が起こっても、データの整合性を保ちやすい。

自動修復 ZFSでは、エンドツーエンドのチェックサムを確認することで、データの整合性に問題があった際に自動修復する機能を備えている。整合性に問題があった場合、別のミラーからデータを参照して修正するという仕組みだ

 ただ、このような処理はNASのシステム全体にそれなりの負荷を掛かるため、読み書きのパフォーマンスに影響を与えうる。そこで、QuTS heroではメインメモリを用いた読み出しキャッシュSSDを使ったセカンドレベル読み出しキャッシュZIL(ZFS Intent Log)による書き込み時のレスポンス高速化といったテクノロジーを駆使することでパフォーマンスの向上を図っている。

 TS-x73Aシリーズの内部にあるM.2スロットは、PCI Express 3.0に対応している。このスロットにNVMe M.2 SSDを装着すれば、キャッシュの効果をより高めることができる。

 他にも、ZFSでは、インライン圧縮、インライン重複排除などデータ保存の効率化も図られている。

内部 TS-x73AシリーズのM.2スロットは、PCI Express 3.0接続に対応する。NVMe M.2 SSDを接続すれば、キャッシュパフォーマンスが向上する。メインメモリも増設すれば、読み出しキャッシュのパフォーマンスはさらに改善する
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提供:QNAP株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2021年9月6日