―― Windows 11 プリインストールPCまたは無償アップグレード対応モデルのアピールポイントを教えてください。
松本氏 アピールポイントとして最も強調できるのはセキュリティです。Windows 11 では要求仕様のハードルが上がりましたが、その最大要因はセキュリティです。PC単体でのエンドポイントのセキュリティ確保が重要になってくることから、Windows 11 ではTPM 2.0の搭載、UEFIセキュアブートが必須要件となりました。これに関連して、当社のPCは、ディスクリートTPMを標準装備していること、そして、OSの機能を補完してさらに強固にする独自のセキュリティ機能「HP Wolf Security」を備えている点で優位性があります。
―― ディスクリートTPMとはどういうものでしょうか。
松本氏 TPMは暗号化や解読に使う暗号鍵を作ったり、それらを保管できる独立したセキュリティチップです。TPMにはチップセットのファームウェアで実装されている「ファームウェアTPM」とマザーボード上にマイクロチップで実装する「ディスクリートTPM」の2種類があります。近年、中央省庁などではディスクリートTPMが入札の指定要件になっており、より信頼性が高いといえます。
―― HP Wolf Securityについて教えてください。
松本氏 UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)セキュアブートは、UEFIが認めた信頼できるプログラムだけを起動許可するようにすることで、OSの下のレイヤー(OSの起動前の環境)から守られる仕組みです。UEFIには許可に必要なプログラムリストがあるわけですが、マルウェア感染によってそのリスト自体が改ざんされてしまったらどうでしょうか。HP Wolf Securityの機能の中には起動ごとに独自チップ(HP Endpoint Security Controller)を使用してPCから独立した安全なストレージに保存されているオリジナル情報とUEFIを照合し、万が一改ざんや不正があればUEFIを正常な状態に自動で自己回復するというものがあります。ユーザーやIT管理者は何も意識することなしに、高度なサイバー攻撃から保護される状態を維持できます。
―― ここにきて、セキュリティに関する意識は急速に高まっているように感じます。
松本氏 当社の販売パートナーからもお問い合わせが急増している部分ですが、働く場所がオフィスから多様化したことは、セキュリティリスクの増大を意味します。近年では海外からの日本への攻撃も急増しており、オリンピック年だった2021年には4年前との比較で3倍に増えていると、安全保障やサイバー攻撃の情報に精通されている自民党の高市早苗先生が危機感を露わにされていました。
政府・官公庁やグローバル企業、大学の研究機関などへの攻撃はもちろんですが、ハイブリッドワークによりファイアウォールの外で使われるようになった中小企業のPCを狙った攻撃も急激に増えています。セキュリティを確保するためにはVPNというソリューションもありますが、ネットワークの混雑度合いやコストも含めた生産性や最近の攻撃手法を考えると、日常の一般業務に最適なソリューションとは言えないと思います。現実的な環境において、PC単体でいかにセキュリティを確保するかがこれからの新しい常識となっていきますが、まさにそれに応えるのが Windows 11 であり、当社のWolf Security搭載ビジネスPCなのです。
―― 御社のPCは、以前からセキュリティに力を入れている印象があります。同時に、さまざまな脅威について定期的に情報発信を行っていますよね。
松本氏 おっしゃるとおりで、当社は「セキュリティオタク」といっても過言ではありません。“世界で最も攻撃を受ける国(米国)”出身のメーカーということが多分に影響しています。米国政府傘下機関のセキュリティに対する要求は極めて厳しく、それに応えていく過程で多くの学びがあって、研究開発を経て知見を蓄積してきた経緯があり、エンドポイントセキュリティに関してはどこよりも詳しい自信があります。「本当にそこまで必要なの?」というようなことを言われることもありましたが、ハイブリッドワークの時代に突入し、脅威が身近なものとなってきたことで、日本のお客さまにもようやくご理解いただけるようになってきました。
―― Windows 11 搭載PCの中でお勧めのモデルを1台教えてください。
松本氏 当社は既に Windows 11 プリインストールモデルを続々と発売しており、豊富な選択肢の中からお選びいただけるようにラインアップを拡充しています。現行モデルは Windows 10 プリインストールモデルも併売をしており、どちらでもお選びいただけます。Windows 10 モデルも Windows 11 の要件を満たしているので、準備が整った段階でアップグレードしていただくことが可能です。
その中で1つお勧めのモデルとしては、「HP Elite Dragonfly G2」を挙げたいと思います。重量が約989gと1kgを切っており、薄さ16.1mmという薄型軽量の2in1モバイルノートPCです。タブレットとしてもノートPCとしても使えるコンバーチブル型で、多様な働き方に対応できるモデルとなっています。360度マイクやAIノイズキャンリングなどの機能、Wolf Securityによる高度なセキュリティ、高速の通信機能、プライバシーを確保するプライバシーフィルター、ボタン1つでオン/オフできるWebカメラなど、これまで紹介してきた機能は全て搭載しています。
―― 5G対応モデルもありますよね。
松本氏 はい。通信機能は、Wi-Fi 6の無線LAN、Bluetoothの標準装備に加えて、5G/4G LTE対応のWWANモデルもお選びいただけます。モバイルで利用する方の生産性はやはりWWANで格段に上がりますし、ご要望の多い機能でもあります。
セキュリティの確保という面でも、Wi-Fiよりも強みがあります。また、処理性能、操作のレスポンスといった部分でも強調できます。Intel Evoプラットフォームに準拠しており、ともに1秒でスリープから復帰する快適なレスポンス、実測で9時間以上の長時間駆動バッテリーは30分で4時間駆動可能な高速充電にも対応しています。いつでもどこでもストレスなくビジネスに専念でき、生産性向上に貢献できる製品です。
既に多くの企業で大好評をいただいている製品ですが、リモートワーク時の生産性向上とセキュリティ強化の両方をお考えの企業/組織にとっては極めて費用対効果が高い製品だと思います。もちろん、Windows 10を当面使いたいというご事情がある組織が多いことも認識しております。2月下旬からWindows 11へのアップグレード権が付いているダウングレード10モデルも発売しますので、ぜひこの機会にご導入を検討いただきたいと思います。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2022年3月12日