特定用途からオフィスまで、さまざまな場面で活躍するエプソンダイレクトの定番ウルトラコンパクトPCが進化！ 担当者に聞く「Endeavor ST210E」の強み（2/2 ページ）

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――　顧客から寄せられた声を反映した製品づくりが行われているとのことですが、具体的にどんな改良を加えましたか。

岡田　当社では、お客さまのご要望に可能な限り応えるという姿勢で製品開発に取り組んでいます。

　例えば、組み込み機器制御用に利用するお客さまのニーズに応えるため、OSバージョンを固定し10年の長期運用が可能なWindows 10 IoT Enterprise 2021 LTSC（Windows Embedded OS）搭載モデル「Endeavor JS210」を用意しています。さらに、Windows以外のOSを利用したいという声を反映し、代表的なLinux OSであるUbuntuの動作検証を済ませた“OSなし”モデル「Endeavor DS210」も用意しました。

――　サステナビリティの取り組みが注目を集める中、環境に配慮した製品を求める声も高まっています。新製品では、どのような環境対応が行われましたか。

岡田　ST210EではPC本体のプラスチックパーツ全体の重量に対して、本体前面（フロントベゼル）や光学ドライブボックスなどに再生プラスチックを65%以上使用しています。また、マザーボードには有害物質が含まれるハロゲン化合物を使用しないハロゲンフリーPCB（プリント基板）を採用しています。もちろん、環境への負荷が少ない製品であることを示す「エコマーク」も取得しています。

「Endeavor ST210E」の内部。環境に配慮した素材を活用している

　消費電力については、従来のHDD搭載モデルが通常時8.2W、スリープ時1.3Wだったのに対し、ST210EのHDD搭載モデルは通常時6.7W、スリープ時1.2Wへと低下しています。HDDの代わりにM.2 SSDを使用すると、通常時5.8Wまで下がります。消費電力を抑えたことでCO²排出量削減にも貢献しています。

医療や製造現場などの領域で活躍

――　新製品はどのような顧客をターゲットにし、どんな用途で利用されることを想定していますか。従来モデルのユニークな運用実績や導入事例も含めて紹介してください。

原　ST210Eの主なターゲットは従来モデルに引き続き、医療や製造の現場などで使われる特定用途を想定しています。これまでの運用実績には以下のような事例があります。

　まず医療分野では、HIS（病院情報システム）の端末や医療検査機器の制御端末などに多く使われています。これはWindows 10 IoT Enterprise 2021 LTSC（Windows Embedded OS）が動作し、ある程度のマシンスペックが選択できるコンパクトPCという理由から採用に至っています。医療系を得意とするシステムベンダー様がサーバと合わせて一括導入するケースもあり、ベンダー様からは故障が少ない品質の高さ、キッティングBTOサービスの提供による導入工数削減などが高く評価されています。

　製造業では、工場における製造工程の生産管理、いわゆる“かんばん方式”を実現するための制御用PCとして使われる事例があります。工場の現場ではこうした制御用PCの置き場所が限られるため、ウルトラコンパクトPCのサイズはとても重宝されています。工場の製造工程に影響が及ばないように、Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSC（Windows Embedded OS）を採用する例も増えています。

　この他、交通機関の総合案内表示に使われるデジタルサイネージの制御用端末に使われている事例もあります。

ディスプレイのアーム部分にST210Eを装着できるオプションも用意している。ACアダプターやケーブルも散らからないようにする収納スペースも用意される

Endeavor ST210Eを活用すれば、デスクトップPCとディスプレイが置かれているとは感じにくい環境を構築できる

――　特定用途に限らず、一般的なオフィス向けPCとしても活用できる機能と性能を備えています。オフィス用途を意識している部分は何かありますか。

原　エプソンのウルトラコンパクトPCは、以前からオフィスにおける一般的なOA用途で使う省スペースPCとしても数多く導入されています。これは企業に限らず、官公庁や地方公共団体でも採用されています。

　そうしたオフィス用途で利用するお客さまのニーズに応えるために、当社はディスプレイにPCを装着できるVESA対応一体型キットを用意しています。また、10月からはオフィスで使いやすい仕様の「オンライン限定モデル」の提供も開始しました。同じ構成の通常モデルよりお得に購入いただけますので、ぜひチェックしていただきたいです。

――　最後に、ウルトラコンパクトPCの製品ラインアップ全体における今後の予定をお聞かせください。

原　エプソンダイレクトのウルトラコンパクトPCはこれからも、特定用途からオフィス用途まで、さまざまな場面で活躍する省スペースかつ高性能な製品を提供し続けていくことをお約束します。

　現在も全ての製品ラインアップで最長7年の定額保守サービスを提供していますが、このサポートサービスを継続しながら、今後も長期に渡る信頼性を実現する部品を選定、採用すると共に、お客さまのニーズに応える製品開発を進めていきたいと考えています。

　近々には高性能な製品のモデルチェンジも予定しています。省スペースと高性能の両立だけでなく、高品質で高い信頼性を実現するエプソンダイレクトのウルトラコンパクトPCにご期待ください。