「Centrinoの登場に匹敵する変革」──AIエンジンを搭載した「Core Ultraプロセッサ(Meteor Lake)」がついにベールを脱いだ(2/2 ページ)

» 2023年12月19日 18時00分 公開
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インテル Core Ultraプロセッサーの特徴は?

 では、そのAI PCの中核となるインテル Core UltraプロセッサーとはどのようなCPUなのか。開発にあたり、インテルが定めたのが「AI Everywhere」というコンセプトだ。

photo インテルがCPU開発で提唱しているコンセプト「AI Everywhere」

 現在のAIが稼働するプラットフォームはクラウドが主流だが、今後はクラウドとクライアント、エッジコンピューティングなど、さまざまな環境でAIが稼働し、あらゆる用途にAIが適用できることを目指すという意味がこのコンセプトに込められている。

 それを実現するために、インテル Core Ultraプロセッサーはアーキテクチャが大きく刷新されている。CPUはもちろん、グラフィックスやチップセットなどの機能を一つの基板上に統合したSoC(System on a Chip)アーキテクチャが採用されている。これはインテルCPUの過去40年間の歴史の中で最大の転換だという。

 長方形の基板はタイル構造になっており、CPU性能を最適化したコンピューティングタイル、消費電力を最適化したSoCタイルとI/Oタイル、3D性能を最適化したグラフィックスタイルで構成されている。それらが機能ごとにマッチしたプロセスで製造されているところが大きな特徴だ。

photo インテル Core Ultraプロセッサーのタイル・アーキテクチャについて

 コンピューティングタイルは、効率的な性能に照準を当てた従来型の「Pコア」(開発コード名:Redwood Cove)、性能よりも電力効率を重視した「Eコア」(開発コード名:Crestmont)がある。共に新しいマイクロアーキテクチャが採用され、次世代プロセス技術「Intel 4」で製造されている。

 E-coreの中には、AI推論を高速化するVNNI(Vector Neural Network instructions)と命令セットを拡張したAIアクセラレーションも含まれている。

 基板の中央部分を占めるSoCタイルには、Eコアの一部である低電力アイランドやメモリコントローラー、8K/HDRやAV1エンコードに対応したディスプレイコントローラー、最新のWi-Fi6E/Wi-Fi7に対応した無線LANコントローラー、グラフィックスから機能分離したメディアコントローラーなどが搭載されている。

photo 新しいSoCタイルで実現できる豊富な新機能

 このうちEコアの低電力アイランドは、負荷が小さいワークロードであってもコンピューティングタイルが起動するという課題を解決し、より低消費電力性能を実現している。第12世代から採用されたPコアとEコア、そして今回の目玉でもあるEコアの低電力アイランド──この3つを状況に応じて効率的に使い分けるということで、3Dパフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャーと呼んでいる。これがインテル Core Ultraプロセッサー(開発コード名:Meteor Lake)の大きな強みとなる。

photo 3Dパフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャー

AIのために──インテルで初の統合型NPU

 さらにインテル Core Ultraプロセッサーの最大の特徴ともいえる最新AIエンジン内蔵のNPU(Neural network Processing Unit)も、SoCタイルの中に組み込まれている。

 これはインテルで初めての統合型NPUであり、効率的なクライアントAIに特化するように設計されている。持続的なAI実行とAIのオフロードに適しており、標準化されたプログラミングインタフェースも備えている。

photo 効率的なクライアントAIに特化するように設計された統合型NPU

 このNPUが、超低レンテンシーのAIタスクに最適化されたCPU(コンピューティングタイル)、AI向けにパフォーマンスの並列性とスループットを最適化したGPU(グラフィックスタイル)と連動することにより、AI PCとして動作することになる。

 ちなみに、GPUはインテルの外付けグラフィックスボード「Intel ARC」のエントリーモデルとほぼ同等の性能を持っているという。

photo インテル Arc グラフィックスは従来のインテル Iris X グラフィックスに比べて、2倍の消費電力当たり性能を発揮する

 インテルは、NPUだけでなくCPUとGPU全てがプラットフォームとして整うことで、AIのパフォーマンスを引き出せると考えている。同社はそれらのハードウェアがパフォーマンスを最大限発揮できるようにするツールキット「OpenVINO」も提供しているように、彼らが定義するAI PCもそうしたエッセンスが注入されることになる。

 AI PCの実現に向けた動きも既に始まっている。インテルはオープンエコシステムの仕組みによるイノベーション拡大を目指すために、MicrosoftやAdobeをはじめとする有力な企業との協業を進めている。インテル Core Ultraプロセッサーを組み込んだプロトタイプのPC上では、入力したテキストからAIが画像を生成する「Stable Diffusion」、ユーザーが視覚と聴覚でとらえ発話した内容でパーソナライズできるAIアシスタント「Rewind AI」といったデモアプリも稼働している。

単に“AI PC”を投入するだけではない

 インテルは、今回のインテル Core Ultraプロセッサー(Meteor Lake)および次世代の「Arrow Lake」(開発コード名)を合わせ、2024〜25年の2年間で1億台以上のAI PCが提供されると見込んでいる。インテル Core Ultraプロセッサーを搭載したAI PCで稼働するAIアプリケーションも100種類以上登場し、全く新しいAIユーザー体験をもたらすことになると予測している。

 ただし、インテルはただ“AI PC”を世に送り出しても、実際に使われなくては意味がないと考えている。インテル Core Ultraプロセッサーが持つパワーを最大限生かすためには、ソフトウェア側も最適化されている必要がある。

 そこで、インテルでは「AI PCアクセラレーション・プログラム」を始動している。ソフトウェアを開発するメーカーにインテルの開発リソースを活用してもらうことで、AIアクセラレーションを活用した機能の開発を促すものだ。現在までに賛同する100社以上と協働が始まっており、業界全体でAIによるPC体験の強化を図ろうと動いているところだ。

photo 報道陣向け説明会に登壇したインテルの鈴木国正氏(代表取締役社長)

 「半導体の未来を切り開くリーダーとして常に進化していく。期待してほしい」(インテル)

インテル Core Ultraプロセッサーを搭載した新製品が各社から登場

ASUS JAPAN

photo 「ASUS Zenbook 14 OLED UX3405MA」

ASUS Zenbook 14 OLED UX3405MA

 薄型軽量を極めたポータブル設計に、インテル® Core™ Ultra プロセッサー、75Whバッテリーを搭載した14型モバイルノートPC。リアルで鮮やかなビジュアル体験を実現する有機ELディスプレイ、Thunderbolt™ 4をはじめとする各種高速インタフェース、AI ノイズキャンセリング機能などを備え、次世代のPC体験をお楽しみいただけます。2024年2月下旬以降に発売予定。


日本エイサー(Acer)

photo 「Swift Go SFG14-72-F73Y/FE」

Swift Go SFG14-72-F73Y/FE

 Intel® AI Boost専用エンジンを内蔵、最新のIntel® Core™ Ultra 7 プロセッサーを搭載したモバイルノートPC Swift Go! 独自の冷却技術を搭載しているのでクリエイティブな用途も快適。360万画素のQHD Webカメラや、美しい2.2K高解像度14型IPSパネルを搭載。最大100Wの急速充電に対応、長時間駆動バッテリーを採用しているのでモバイルに適しています。12月15日に発売。


デル・テクノロジーズ(Dell)

photo 「New Inspiron 13」

New Inspiron 13

 心揺さぶる映像体験を。美しいビジュアルと驚異的なサウンドを備えた、持ち運びに便利な軽量の13型ノートPC。最新のインテル® Core™ Ultraプロセッサーを搭載しています。12月15日に販売開始。


レノボ・ジャパン(Lenovo)

YOGA Pro 7i

 レノボ・ジャパンからも最新のインテル® Core™ Ultraプロセッサーを搭載した新製品が登場予定です。


エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)

photo 「Prestige 16 AI Evo B1Mシリーズ(Prestige-16-AI-Evo-B1MG-1001JP)」

Prestige 16 AI Evo B1Mシリーズ(Prestige-16-AI-Evo-B1MG-1001JP)

 MSIビジネス・クリエイターノートPCのプレミアムシリーズの16インチモデル「Prestige 16」が最新CPU「インテル® Core™ Ultra プロセッサー」を搭載し、インテル® Evo™ Editionとして登場! より薄くより軽くより便利なデザインにリニューアルし、ディスクリートGPUを搭載したバリエーションモデルも予定しています。12月15日に販売開始。


インテル® Core™ Ultraプロセッサー搭載AI PC体験コーナーのご案内

 日本初となる「インテル® Core™ Ultraプロセッサー搭載のAI PC体験コーナー」は、発売初日の12月15日から「ビックカメラ有楽町店」「ソフマップAKIBA パソコン・デジタル館」で展開される。最新のAI PCを直接体験できるチャンスだ。また「ビックカメラ有楽町店」では発売記念イベントも12月18〜21日に実施される。イベント期間中は限定でノベルティーも用意されている。

 仕事にも遊びにも使える最新のAI PCの進化を体験しに「ビックカメラ有楽町店」&「ソフマップAKIBA パソコン・デジタル館」のパソコンコーナーに足を運んでみよう!


 まさに今、AIを使った技術は日進月歩だ。私たちはそのパフォーマンスに驚かされる日々だが、身近なクライアントPCにもインテルによってAIのパワーが注入される。その恩恵が受けられる日はもう間近に迫っている。

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提供:インテル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年12月25日

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