ここからは、パフォーマンスを検証していこう。PCMark 10の結果を見ると、かなり温度に敏感に反応して性能を調整する仕様になっていることが分かる。季節柄室温が高め(室温26.5度)なことを考慮してノートPCクーラーを利用した状態でも計測してみたが、特に高負荷なレンダリング、ビデオエンコード処理を含むPCMark 10のDigital Content Creation(コンテンツ制作)のスコアで影響が大きい。
高負荷処理以外での影響は比較的少ない。実感としても、Webブラウジングやメールチェックなど普段使いの作業はノートPCクーラー利用時なら文句なしにサクサクと軽快なところが、若干もっさりしているかなと感じる程度だ。
一方、手がよく触れる部分の発熱はしっかり抑えられている。キーボード右奥や底部はそれなりに熱くなるが、パームレスト部分は最大でも体温よりやや低い程度とクールに保たれていた。
システムの温度に敏感すぎるきらいはあるが、室温が高い環境でも性能が欲しい時にはノートPCクーラーを使えば良いのだから、大きな問題ではないだろう。高負荷なレンダリングやエンコードなどを行うことを想定したPCではない。故障のリスクを最小限に抑えつつ発熱の不快感も減らす設計思想は、頑丈さやファンレス、防じん仕様と合わせて、小中学生が利用することを想定した製品として理にかなっている。
MousePro T1-DAU01BK-Aは、ターゲットが明確な製品だ。教育向け、特にGIGAスクール構想(NEXT GIGA)において小中学生が利用することを想定して開発されている。
文部科学省の定める要件だけでもタッチ/ペン操作への対応、インカメラおよびアウトカメラの搭載など、一般的なPCでは必ずしも必要でない要素があるが、本製品はそれに加えてMIL-STD-810H準拠の落下耐性やIP5X等級の防じん性能など、現場から強いニーズがある仕様も盛り込んでいる。パフォーマンスについても明確な設計思想の元に実用十分な水準を確保しており、小中学生が使うPCとして安心して導入できる製品に仕上がっている。
MousePro T1-DAU01BK-Aの直販サイトでの価格は、8万3600円(税込み、以下同様)だ。教育現場の事情を知らない人にとっては「コストパフォーマンスが悪いPC」に映るかもしれないが、上記のように価格に見合う内容はしっかり備えている。文部科学省は最大5万5000円の補助金が得られるスキームも用意しており、実質負担を減らすことができる。
MouseProブランドの製品だけに、教育機関が導入しやすい態勢が整っているのも魅力だ。
まず、サポートについては3年間のセンドバック修理保証が標準で付帯し、24時間365日対応の電話サポートとLINEサポートも標準で付帯している。さらにピックアップやオンサイトオプションの追加、最大5年までのサポート期間延長の対応、破損盗難保証サービスも用意するなど、現場の事情に合わせて導入可能だ。
GIGAスクール構想の第二期(NEXT GIGA)にさしかかった今、学習用PCの導入を考えているならば、有力な選択肢として検討すべき製品の1つだろう。
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提供:株式会社マウスコンピューター
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年8月13日