ビジネスの現場で優れた設置性を確保できる約0.74Lの超小型PCが登場！ エプソンダイレクトの「Endeavor ST60E」を試す（1/4 ページ）

エプソンダイレクトから設置性に優れた超小型デスクトップPCの新モデルが登場した。受付やレジカウンターなどあらゆる場所に設置しやすいサイズ感が魅力だ。気になるパフォーマンスがどうか、実機を試してみた。

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　エプソンダイレクトの「Endeavor ST60E」は、体積が約0.74Lという超小型ボディーのビジネス向けデスクトップPCだ。スリムでコンパクトなサイズを活かして、受付やレジカウンターのちょっとしたスペースなど、どんな場所にも設置できる利便性が特徴だ。

　CPUはCore i3とCore i5が用途に合わせて選択できる。PCとしてのパフォーマンスはもちろんのこと、エプソンダイレクトが従来の「Endeavor」シリーズで培った医療、小売、製造業など様々な分野で採用されている。ST60Eはまさに1台でさまざまなニーズに対応できる万能なPCとなっている。

　本記事ではST60Eの詳細な解説やベンチマークテストによる実パフォーマンスを検証する。購入検討の一助になれば幸いだ。

エプソンダイレクトの「Endeavor ST60E」

Windows 10 のサポート終了は間近に

　本題に入る前にOSの話に触れておこう。ST60EはWindows 11 Home／Proの他、組み込み向けの「Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSC」も選択可能だ。

　既知の通り、Windows 10 のセキュリティ更新プログラムとテクニカルサポートは2025年10月14日に終了する。一方でWindows 10 IoT Enterprise 2021 LTSCは2032年1月13日までセキュリティーアップデートサポートが提供される。どうしてもWindows 10 を使い続けなければならない場合、サポートを長く受けられるという安心を得る意味でWindows 10 IoT Enterprise 2021 LTSCを検討するものいいだろう。

Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSCも選択可能だ

各種インタフェースとデザイン

　ST60EはスリムタワーPCをギュッと小さくしたような外観だ。カラーはホワイトまたはブラックの2色展開となっている。

　前面および天面と底面には通気口、背面にはインタフェースを置き、左右側面はフラットでシンプルな外観をしている。縦置きが基本となるが、横置きも可能だ。縦置き時には付属のスタンドを利用することで通気を確保する。

前面のインタフェース

左側面

右側面。シンプルにフラットなデザインだ

天面

底面

背面のインタフェース

専用スタンドが付いているので安定した縦置きが可能だ

　前面のインタフェースにあるUSBポートのサイズからも、そのコンパクトさが伝わるだろう。オフィスにあるもので例えると、5〜8ポートのスイッチングハブのサイズ感に近い。インタフェースの並びは電源ボタンにパワーLED、ストレージアクセスLED、USB Type-A（USB 3.2 Gen 2 10Gbps×2、USB 2.0×1）、ヘッドフォン／マイクコンボジャック×1となっている。

　背面のインタフェースはLAN（1GbE）、USB Type-A（USB 3.2 Gen1 5Gbps）×1、DisplayPort×1、HDMI×1、シリアルポート（オプション）×1、USB Type-C（USB 3.2 Gen 2 10Gbps）×2、DCジャックとなっている。2基のUSB Type-CはDisplayPort Alternate Modeでの映像出力に対応し、うち1基はUSB Power Deliveryによる電源供給（15W）にも対応している。

　USB Type-Aはトータル4基、USB Type-Cも2基あり、新旧世代のUSB機器を接続するにも十分な数だ。映像出力もDisplayPort、HDMIに加えて2つのUSB Type-Cがあるためトータルで4画面を出力できる。そしてオプションになるが、シリアルポートを増設できるところは産業機器の制御、計測といった用途で検討されている方に適している。

　この他、ワイヤレスとしてWi-Fi 6E（IEEE 802.11ax）およびBluetooth 5.2を搭載している。信頼性重視の産業機器はともかく、ワイヤレスが普及しているビジネスPC用途では便利に使えるだろう。

Wi-Fi 6EおよびBluetooth 5.2も搭載している