「既に実用段階に進んでいる」レノボが考える生成AIの利活用 「Lenovo Tech World Japan 2024」はヒントの宝庫だった(2/3 ページ)

» 2024年12月23日 10時00分 公開
[笠原一輝PR/ITmedia]
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日本マイクロソフトとエヌビディアのキーマンを交えた「2025年のトレンド予測」

 基調講演の最後は、「AIビジネス活用2024-2025・期待と課題」と題したパネルディスカッションだ。日経BP総合研究所の望月洋介エグゼクティブフェローがモデレーターを務め、エヌビディアの井﨑武士氏(エンタープライズ事業本部 事業本部長)、日本マイクロソフトの佐藤久氏(デバイスパートナーセールス事業本部 本部長)、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの多田直哉社長、レノボ・ジャパンの安田稔副社長の4人がパネリストとして登壇。2024年のビジネスにおけるAIの活用と、2025年に向けた展望を語り合った。

パネリストの皆さん パネルディスカッションのパネリスト。左上から時計回りにレノボ・ジャパンの安田稔副社長、エヌビディアの井﨑武士氏、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの多田直哉社長、日本マイクロソフトの佐藤久氏

 2025年に向けてAI関連で話題になりそうなキーワードを望月氏が問うと、井﨑氏は「AIエージェント」、佐藤氏は「Copilot+ PC」、多田社長は「マルチロケーション」、安田副社長は「パーソナライゼーション」を挙げた。その“心”はどこにあるのだろうか。

 井﨑氏が挙げたAIエージェントは、用途(企業/部門)ごとに最適化されたAIアプリケーションのことだ。同氏は「今後はRAG(検索拡張生成)や複数のAIモデルを利用するAIエージェントが登場し、さらに(処理の)自動化機能などを追加したものがトレンドになるだろう」と語る。企業の事業ニーズなどに合わせてカスタマイズが進んだAIエージェントが登場し、ビジネスの生産性を上げていくことになるのではないかという見立てだ。

 佐藤氏が挙げたCopilot+ PCは、先の檜山社長の講演でも取り上げられたものだ。もう少し詳しく説明すると、Copilot+ PCは「新しいAI PC」とも呼ばれることがあり、40TOPS(1秒間に40兆回のAI処理が可能な性能)のNPUを搭載していることが最大の特徴だ。高性能なNPUを搭載することで、CPUやGPUといった既存の演算ユニット(プロセッサ)を使わなくとも、高度なAI処理をオンデバイスで行えるようになる。同氏は「NPUの力で、PCに搭載されたAIは“自分の分身”になっていく」と語る。従来ならSFの世界でしか実現していなかったPCの使い方を将来的に実現できるともいう。

 加えて、同氏は2025年10月に迫る「Windows 10」のEOS(延長サポート終了)も解説し、講演を聞いている企業のIT担当者に「2025年は、より廉価なCopilot+ PCも登場する見通しだ。Windows 11に乗り換える際には、ぜひCopilot+ PCを検討してほしい」とアピールした。

 多田社長は「AIはこれからオンプレミス、クラウド、そしてエッジでも利用されるマルチロケーションになる」と語る。サーバはもちろん、エンドポイントでもAIの活用が進む時代になるという見立てだ。

 安田副社長は「2024年は『AI PC元年』だったが、2025年はハードウェアが進化し、よりパーソナライズ化されたAIが普及する年になる」と述べる。2024年にCopilot+ PCなどで盛り上がったAI PCのトレンドが2025年も続き、より1人1人のユーザーに特化したAIが登場することになるとの見通しを語った。

パネルディスカッション パネルディスカッションの様子

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