ビジネスPC選定のトレンドは? 職種や部門に適したビジネスPCが選定しづらい原因は? ハイパーとデルの担当者が解説。
デル・テクノロジーズは2025年1月、PC製品のブランド(製品名)を全面的に刷新した。法人向けのビジネスPCでは「Inspiron」や「Latitude」「Precision」といった、以前からのネーミングを「Dell」「Dell Pro」「Dell Pro Max」に置き換えることで、それぞれの製品の立ち位置をより直感的に分かりやすくしている。
以前よりもシンプルになったブランドに対し、現場で顧客に製品を提案する機会が多いディストリビューターや、実際に製品を使う顧客からは、どのような反応が寄せられているだろうか。
デル・テクノロジーズのゴールドパートナーとして、企業のIT環境における課題解決を得意とするハイパー(東京都中央区)の小林亮治氏と、アカウントマネージャーとしてハイパーを担当するデル・テクノロジーズの佐藤信頼氏に、ブランド刷新による影響や、現場に携わっているからこそ見えてくるビジネスPCに関する現場の悩み、その解決のヒントについて話を伺った。
──ハイパーとデルのこれまでの関係性について教えてください。
小林 ハイパーは1990年の創業間もない時期から、デル製品の取り扱いを始め、長年にわたって協力関係を築いてきました。
法人向けPC市場において、デルの先進的な技術力とカスタマイズ性の高さは、ハイパーが提供する価値と密接に結びついています。両社の協業は単なる取引関係ではなく、パートナーとしての絆を感じます。
佐藤 ハイパーとデルの協業は、単なるビジネスを超えたものですね。
小林 現在もお客さまに最適なソリューションを提供するために、デルとの関係をさらに強めているところです。
佐藤 単なる製品提供にとどまらず、市場のニーズに応じて最適な提案をともに考えながら、お客さまに製品を提供してきました。このパートナーシップは今もなお、進化を続けていると思います。
──企業がビジネスPCを選定する際、近年はどのような点を重視していると感じていますか。
小林 お客さまはビジネスPCの選定において、業務に適した性能だけでなく、管理のしやすさも重視していますね。特に近年はセキュリティ対策やリモートワーク普及に伴い、トータル運用コストを考慮した製品選定が求められています。
佐藤 ビジネスPCの選び方には、多くの企業が頭を悩ませています。スペックやコストだけでなく、まさに業務に適したソフトウェア環境、運用のしやすさも考慮する必要があるからです。
小林 実際にお客さまからの話を聞くと、導入後のサポート体制やカスタマイズの柔軟性を重視するという声も多く聞かれます。
佐藤 サポート体制が充実しているかどうかは、導入後のパフォーマンスにも大きく影響するので、私も運用やサポートを重視して製品選定を進める企業が増えていると感じています。
──デル・テクノロジーズは2025年1月にPC製品のブランドを刷新しました。その背景や狙いを教えてください。
佐藤 デルのPCはブランドが非常に多く、一般のお客さまにはとても分かりづらいという課題がありました。実際にグローバルでアンケートを実施した結果、「もっとブランド体系をシンプルにしてほしい」という声が多く寄せられており、デルではPCのブランドを再構成することを決断しました。
──デルのブランド刷新について、ディストリビューターとしてハイパーはどのように感じられましたか。
小林 ハイパーでは、今回のデルのブランド刷新を非常に好意的に受け止めています。従来のブランド名になじみがあるベテラン営業スタッフの間では戸惑いも見られましたが、若手スタッフからは「シンプルなブランドの方が親しみやすい」「横文字の製品名よりも明快さがある」という声が多く挙がっています。
佐藤 もちろん従来のブランド名に愛着を持っているお客さまがいることも理解していますが、約8割のお客さまからは「分かりやすくなった」と好意的な反応が寄せられています。このリブランディングはデル製品を選びやすくすることを狙っており、お客さまにとって親しみやすく、選択しやすい製品体系を目指しています。
──新しいブランド体系では、製品名がシンプルになり、より分かりやすくなりました。具体的にどこが変更され、ユーザーにはどんなメリットがあるのでしょうか
佐藤 今回のブランド刷新では、法人向けにおいては「Dell Pro」「Dell Pro Max」というブランドに統合しました。また、これまでの「5000番台」「7000番台」といった数字の分類も「プラス」「プレミアム」という分かりやすい名称に置き換えています。製品のカスタマイズ性や選択肢の幅はこれまで通り維持しつつ、ブランド名だけを整理しています。
これによりディストリビューターやお客さまへの説明が非常にシンプルになりました。特にデルを初めて選ぶお客さまにとっては、選択肢が分かりやすくなり、購入のハードルが下がったと感じています。
小林 営業の現場でも製品提案がしやすくなったと感じており、長い目で見れば、今回の刷新はマーケティング面でも非常に理にかなっていると見ています。
──デルがブランドを刷新した理由にもありましたが、企業の情報システム部門の担当者からは「ビジネスPCは種類が多くて、どれを選べばいいのか分かりづらい」という声が聞かれます。具体的にどのような点で分かりにくさを感じているのでしょうか。
小林 最近はPCに対するニーズが多様化し、単に「オフィスソフトが使えればいい」という時代ではなくなっています。映像編集や写真の加工、クラウドサービスの活用など、業務の幅が広がってきたことで、求められるスペックも一様ではありません。
本体の軽さやバッテリー駆動時間といった持ち運びのニーズと、処理能力などの性能面とのバランスをどう取るかといった点も悩みどころです。しかし、情報システム部門の担当者は必ずしもPCに詳しい人とは限らず、他業務と兼任されているケースもあるため、「どれがベストか」という判断が難しくなっていると感じています。
──「分かりやすさ」以外に、最近の企業がビジネスPCに求めるニーズとして、どのような傾向がありますか。
小林 お客さまがビジネスPCに求めるニーズとして強く感じるのは、性能面だけでなく「周辺環境」や「サポート体制」まで含めたトータルの使いやすさです。
サポート面では、落下や水ぬれといった過失をカバーする補償付きのサービスを希望する企業も増えています。さらにサステナビリティを意識する企業も少しずつ増えており、リサイクル素材の使用やCO2削減への取り組みに関する質問を受けることもあります。
今後は単なるスペック選びではなく、業務環境や企業方針まで踏まえた提案がますます求められると考えています。
──「分かりづらさ」の解消を目指した今回のリブランディングの他に、デルのPC製品にはどのような強みや特長がありますか。
佐藤 デルのPCは、優れたサポート体制と持続可能なものづくりへの取り組みが強みです。高品質な製品を提供するだけでなく、購入後のサポートも万全です。24時間対応のサポートサービスや迅速な修理/交換対応を備え、お客さまの業務を止めることなく支援します。
特に法人向けにはプロアクティブな個別サポートを提供し、問題発生前の予防策を講じることで安定した運用を実現しています。
さらに環境への配慮も重要視しています。PC製品にはリサイクル素材を積極的に活用しており、廃棄物の削減に貢献しています。
例えば、一部の製品では再生プラスチックや海洋プラスチックを利用し、資源循環型のものづくりを推進しています。また、使用済みのPCを適切に回収/再利用するプログラムを設け、廃棄物の削減と再資源化を進めています。このように、デルはお客さまの利便性を向上させるサポート体制と、持続可能な社会を目指した環境への取り組みを両立させています。
サステナブルな取り組みの一例。PCのパッケージを改良することで、1箱に収められる台数を増やす。効率的な配送や廃棄物の削減、そして担当者の作業負荷も下げられる(デル・テクノロジーズの資料より。クリックで拡大)──「分かりやすい製品選び」の先にある、両社が目指すビジネスPCの未来像、顧客企業に提供していきたい価値についてお聞かせください。
小林 ハイパーが将来のビジネスPCに見据えているのは、単に「性能が良い」「コストパフォーマンスが高い」といった選択基準を超え、企業の生産性や働き方の変革に寄与するソリューションを提供することです。
佐藤 ビジネスPCは、単なる業務ツールではなく、企業の成長や競争力向上を支える基盤となりますね。デルでは従来の「スペックで選ぶPC」から一歩進み、企業の課題を解決し、働き方の質を向上させる製品を提供することが重要だと考えています。
小林 これからのビジネス環境では、まさにビジネスPC単体での優位性だけではなく、クラウドとの連携やセキュリティ対策、運用管理の効率化が求められます。
当社はそうしたニーズに応えるために、ハードウェアの品質を維持しつつ、AIをはじめとするソフトウェアやサービスとの統合を強化していきます。企業がより柔軟に働ける環境を構築できるようにテクノロジーを通じて支援したいと考えています。
佐藤 これからのビジネスではセキュリティ対策やIT管理の簡便性も欠かせません。これらの要素を高次元で統合したソリューションを提供することで、企業がより安心して効率的に業務を進められる環境をPCを通じて作っていくことが、デル・テクノロジーズの使命だと考えています。
ビジネスPCの選定やIT環境の最適化は、多くの企業にとって悩ましい課題だ。情報システム部門の業務効率化や、IT環境の課題解決に関心があるなら、豊富な知見を持つハイパーにぜひ相談してみてはいかがだろうか。デル・テクノロジーズのPCを含む、適した解決策を提示してくれるはずだ。
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