NASというと「HDDやSSDを積んでネットワークストレージ(ファイルサーバ)として使う」というイメージが強いが、NASyncは単なるネットワークストレージにとどまらない便利な機能を多数備えていることも特徴だ。
今回はDXP4800 Plusの実機を例に、便利なポイントをチェックしていこう。
NASyncは、ネットワーク以外のポート類も充実している。
DXP4800 Plusの場合、正面にSDメモリーカードスロット、USB 3.2 Gen 2 Type-C端子とUSB 3.2 Gen 2 Standard-A端子を、背面にHDMI出力端子、USB 3.2 Gen 1 Standard-A端子とUSB 2.0端子×2を備えている。
例えば、USB端子にストレージをつないだりSDメモリーカードスロットにSDメモリーカードを差し込んだりすると、NASyncがデータを自動的にバックアップしてくれる。デバイスがない状態でもバックアップできるのはかなり便利だ。またUSB端子にはUSBプリンタを接続することも可能で、プリンタサーバとして運用できる。
HDMI出力端子は、NASyncに保管した写真(静止画)や動画を再生する際に利用できる。TVやディスプレイをつないでおけば、PCやスマホがない環境でも家族で映像を楽しむといった使い方もできる。なお、操作にはキーボードやマウスをつないでおく必要があるので注意したい。
NASのセットアップには「PCやネットワークの知識がないと難しい」という印象を抱いている人も多い。UGREENによると、NASyncの開発に当たり「NASのセットアップは難しい」というイメージを払拭することは強く意識したそうで、実際NASyncのセットアップはNASとしては簡単だ。
まず、先述の通りNASyncはNASキットなので、自分でHDD/SSDを用意する必要がある。「HDDやSSDの取り付けって難しい」と考える人もいるかもしれないが、3.5インチHDDの取り付けについては工具は不要だ。トレイを取り出し、ロックを解除したらHDDをはめ込んで再度ロックを掛け、本体に戻すだけでよい。
2.5インチのHDD/SSDの取り付けについてはトレイへのネジ止めが必要だが、取扱説明書の指示に従えば難しくない。
またこれだけ簡単に取り付けと取り外しができてしまうと、例えば「子供が誤って取り外したりしないだろうか?」と心配になるが、専用の治具でハードディスクトレイをロックできる。不意のHDD/SSDの取り外しを予防する機能も備えていて安心だ。
HDD/SSDを取り付けた後、NASyncの初期設定を行う必要がある。NASの初期設定というとPCが必須なことも多いのだが、NASyncはスマートフォンアプリでも初期設定できる。
アプリはAndroid版とiPhone/iPadOS版が用意されており、自分の使っているスマホ(またはタブレット)に合わせてダウンロードする。
NASyncを自宅や職場のルーターにLANケーブルでつないで電源を入れた後、スマホアプリがNASyncを自動的に見つけてくれる。後はスマホの画面の指示に従ってユーザーの情報を登録していこう。
セットアップの完了後は、写真のバックアップや一緒に使う家族/職場のユーザーの登録(作成)などもアプリから行える。「PCが苦手」という人はもちろん、「そもそもPCを持っていない」という人でも容易に設定を進められる。
さらに筆者的にうれしい機能が外出先からのアクセス設定だ。
スマホのストレージがいっぱいになり、写真をNASにコピーしてからスマホから削除する――よくある光景ではある。しかし、そうすると当該の写真はNASの設置先(自宅)にいないと見られないことが多い。例えば久々に会った友人や親戚との会話中に、昔の写真を見返して思い出話に花を咲かせようと思ったとき、手元に写真がないと話ができない。これはさみしい。
そこで利用したいのが、NASyncの「リモートアクセス機能」だ。あらかじめ有効にしておくと、外出先からでもNASyncに写真や動画をコピー(移動)したり、逆にNASyncに保存した写真や動画を閲覧したりできる。
このような機能は、従来のNASでも可能だがルーターの設定を変更しないと利用できない場合がある。ルーターの設定変更は、場合によってはNASの設定より難しいこともあるため「設定しようとして断念した」という話もよく聞く。
その点NASyncシリーズは設定に工夫を施しており、スマホアプリから画面の指示に従ってメールアドレスなどを登録していくだけで有効化できる。一度有効化してしまえば、NASyncアプリから写真や動画にアクセス可能だ。
バックアップ済みの写真をスマートフォンのアルバムアプリのように閲覧できるため、これで思い出話に花を咲かせるチャンスを逃すことはない。
リモートアクセス機能を有効にしておけば、離れて暮らす家族にもNASyncに保管した写真/動画を見てもらうことができる。
例えば子供の写真をNASyncに入れておけば、遠方でめったに会えない両親や祖父母に、我が子の成長をいつでも確認してもらえる。ちょっとした親孝行にもなる。
便利なリモートアクセス機能を簡単に利用できるのは、NASyncの大きな強みといえる。
ここで紹介したスマホアプリからのセットアップや便利なリモートアクセス機能は、NASyncの全モデルで利用できる。それを踏まえた上で、NASyncのお勧めモデルを筆者なりに考えてみた。
まずスマホで撮った写真や動画のバックアップが中心であれば、価格の手頃なDXP2800を選び、4TB〜8TBの価格のこなれたHDDを2台購入するといい。クラウドストレージで追加容量を買ったり、より大容量のストレージを備えるスマホに買い換えるよりは長い目で見ると出費を抑えられる。
PCやネットワークに詳しいパワーユーザーなら、10Gbpsの有線LANポートを始め、多彩な機能を使い倒すのに向いた高性能CPUが搭載されたDXP4800 PlusやDXP6800 Proがいいだろう。
UGREEN NASyncは、ただのファイルサーバーのNASに留まらない多彩な使い方ができる。NASを初めて買う人はもちろん、NASを買い替える人にとっても、真っ先に検討したいNASといえるだろう。
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