それでは、B850 GAMING PLUS WIFI PZをベースにして最新のPCパーツでゲーミングPCを組んでみよう。今回の作例は、Windows 11 Homeを含め20万円少々の予算規模だ。クラスとしてはメインストリームのゲーミングPCとなる。
| 今回利用したパーツリスト | ||
|---|---|---|
| 項目 | 製品型番 | 掲載時の実売価格 |
| CPU | Ryzen 5 9600(6コア12スレッド) | 3万5980円 |
| CPUクーラー | 虎徹 MARK3 SCKTT-3000 | 2991円 |
| メモリ | Crucial CT16G56C46U5(DDR5 PC5-44800/16GB×2) | 1万2380円 |
| SSD | Crucial T500 CT1000T500SSD8JP(M.2/PCIe 4.0 x4/1TB) | 1万1304円 |
| マザーボード | MSI B850 GAMING PLUS WIFI PZ | 4万2980円 |
| グラフィックスカード | MSI GeForce RTX 5060 Ti 8G INSPIRE 2X OC | 6万582円 |
| 電源ユニット | MAG A850GL PCIE5 WHITE | 1万2473円 |
| ケース | MSI MAG PANO 100R PZ WHITE(ATX/80PLUS GOLD/850W) | 1万8331円 |
| OS | Microsoft Windows 11 Home | 1万4755円 |
| 合計 | 21万1776円 | |
本稿執筆時点の合計価格は21万1776円だったが、タイミング次第で変化する点はご了承いただきたい。決して最安構成というわけではなく、このスペックを維持したままより安く組めることもあるだろうし、その逆もまたありだ。
今回は昨今はやりのホワイトPC仕様だ。人気のホワイトパーツはブラックのパーツよりも選択肢が少なく、同スペックでも高価な傾向にある。選択肢が少ないという点では、今回の構成なら電源は650Wクラスでも十分なのだが、ホワイトモデル(ケーブルもホワイト)にこだわった結果850Wを組み合わせている(同シリーズのブラックモデルには650Wモデルもある)。そして、ここで価格も多少高くなっている。このあたりは何を優先すべきかでケース・バイ・ケースとなる部分だ。
ゲーミング性能を左右する重要なパーツがグラフィックスカードだ。最新のGeForce RTX 50シリーズを例にあげると、5050<5060<5060 Ti 8GB<5060 Ti 16GB<5070<5070 Ti<5080<5090と7グレードある。
高性能なほど高画質/高解像度で高フレームレートを出せる。5060 Ti 8GBは、ざっくりフルHD(1920×1080ピクセル)、中〜高画質設定中心にAAAタイトルで60fpsを狙えるゾーンの製品だ。初めてゲーミングPCを検討するなら、この5060〜5070の中間ゾーンを軸に検討するのがよいだろう。
その上でコストを抑えたければ1つ下のクラスで解像度や画質設定を調整、より高画質/高解像度で楽しみたければ高価になるが上のクラスをといった具合になる。今では、AI分野でも注目されるパーツだ。こういった今後のトレンドも加味して検討したい。
注意するなら、ハイエンドになればなるほど性能や電力、冷却の要求が高まる。性能面では、より性能のよいCPUを組み合わせなければグラフィックスカードの性能を引き出せないし、電力という点では今回の構成なら650Wで問題ないが、ハイエンドグラフィックスカードでは750W/850W/1000Wクラスに引き上げなければ電力不足が生じたり不安定になったりすることがある。
冷却面では、PCケースにケースファンを増設する必要性が生じるといった具合だ。グラフィックスカード単体だけでは済まない、他のパーツの予算も上がる点に注意したい。
それでは実際の組み立てということで、「PZ」のメリットについても触れておこう。下の写真はほぼ組み上がった状態だが、PCケースの表と左側面から見てケーブルがほとんど露出していない引き締まった見た目こそPZ最大の魅力だ。
次に、組み立て途中の裏面配線スペースも見てほしい。PZの背面コネクターに電源ケーブルを接続する段階だ。まれに裏面配線が面倒だという人もいるが、そもそも裏面配線前提のマザーボードなので手間はない。極端な話、ケーブル接続して右側板を閉じれば完成なのだ。
そして、今回のデュアルチャンバー型PCケースでは伝わりづらいが、一般的なPCケースの背面コネクター対応モデル(普通幅)なら、背面コネクターは右側板を開ければすぐそこにある。
本来、EPS12Vなどは20cmも奥にある。そこは天面や背面に囲われていて暗く手が届きにくい窮屈な場所だ。VRMヒートシンクに挟まれているため、なおのことアクセスが困難だった。必然的にPCを組み立てる際に一定の順序であらかじめ組む必要があった。
そのような手間も、背面コネクターで解消される。手が届きやすく干渉も少ないので明るく、VRMヒートシンクのような障害物も背面にはない。順番もそれほど気にせず組み立てられる。明るく照らせるという点では、CPUクーラーのファンはココ、ラジエータのポンプはココといった具合で、基板上の刻印までしっかり読み取れるところがありがたい。
背面コネクターはまだ登場したばかりで従来とは製造方法も異なるため、まだまだ高コストだ。しかし、組み立てにちょっと自信がない、少しでもスムーズに組みたい人にとっては大きな助けになる。その上で見た目も加味すれば、トータルでの満足度は十分にコストに見合うものではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2025年9月25日