第2部は、川端氏と井関氏による「PC選びのコツ」を伝えるセッションだ。ウェビナーごとにテーマは微妙に異なるのだが、今回は「設計・動画や写真の編集業務に最適なPC」の選び方について、PCメーカーの“中の人”ならではの視点で紹介していった。
実は、先の大倉氏のセッションに入る前に、3人でPC談義が行われていた。その中で大倉氏は「クリエイター向けPCとして何を選べば良いか。(買うとなると)ハイスペックなものは予算的に難しいという相談を受けることが多い」と明かしていた。
それを受ける形で川端氏は「大きなケースを持つPCであれば、いろいろなパーツを詰め込んで高性能にできるから、それが良いかと思いがちだが、そうとも限らない」と語る。川端氏によると、クリエイター向けPC/ワークステーションを選ぶ上で最も重要な要素の1つとして「ISV(Independent Software Vendor)認証」があるという。
ISV認証はソフトウェアの開発者がソフトウェアが快適に動作するハードウェアを認証するものだ。アドビや主要なCADソフトウェアベンダーは、アプリを業務利用するユーザーを想定して、PC/ワークステーション本体などに
ISV認証を与えている。
レノボというとノートPCの「ThinkPad」をイメージしがちだが、プロ向けワークステーションでも長い歴史を持っている。そのルーツは、1997年に当時のIBMが発売した「IntelliStation」で、現在のThinkStation(デスクトップ)とThinkPad Pシリーズ(ノートPC)は、その系譜に連なるものだ。
同社のワークステーションは信頼性の高さでも定評がある。ThinkPad Pシリーズは、ほぼ全モデルがレノボ・ジャパンの大和研究所(横浜市西区)で開発されており、開発過程ではとても厳しい“耐久テスト”も実施する。
また、一部の構成については兄弟会社であるNECパーソナルコンピュータ(NECPC)の米沢事業所(山形県米沢市)で生産されており、サポートもNECPCの群馬事業所(群馬県太田市)で行われる。
井関氏は「外資系のPCメーカーで(国内で完結する)手厚いサポートというのは、なかなか見られない」と語ると、川端氏は「日系のPCメーカーに近い動きをしているのが特徴的だ」と答えていた。
レノボのワークステーションは、1997年にIBMが発売した「IntelliStation」がルーツにある。デスクトップのThinkStationシリーズはIntelliStationをリブランドしたもので、IBM時代から米ノースカロライナ州ラーレーの拠点で開発されているさらに、ワークステーション製品の故障率が低いことも特徴だ。2019年時点のデータだが、レノボのワークステーション製品(デスクトップ/ノートの合算値)の故障率で他社を大きく下回るというデータもある。
井関氏は「故障率は、(メーカー視点だと)なかなか出したくないものだが、(レノボは)低いから安心材料として出せる」と語る。それを受けて川端氏は「クリエイター向けPC(ワークステーション)は、一般的なものと比べ高価になりがちだ。しかも、事業(仕事)の根幹をなす道具なので、負荷もかかりやすい。壊れにくいPCを選ぶ判断材料の1つにしてもらえるのではないかと思う」と応じていた。
次に紹介されたのは、デスクトップワークステーションのラインアップだ。
何を選べば良いかについては、川端氏は「AIの機械学習をさせたいという場合であれば、グラフィックスカード(GPU)をたくさん載せられる(ボディーが)大きめのものがお勧め」とする。一方で、「スペースの限られた中で高性能なスペックのものが欲しい、というのであれば、大倉氏がデモンストレーションで使っていた小型な『ThinkStation P3 Tinyシリーズ』がお勧めだ」とする。
ThinkStation P3 Tinyシリーズは、容積にして約1Lとデスクトップワークステーションとしては世界最小(※1)で、オプションのマウントを使えばディスプレイの裏に設置することも可能だ。サイズが小さいことは、「低消費電力であること」「発熱が少ないため冷房費を節約できること」など、省スペースということ以外のメリットもある。
(※1)ISV認証を取得したワークステーションとして(2025年6月11日米国発表時点)
それでいて、現行製品(ThinkStation P3 Tiny Gen 2)であれば、用途に応じて以下のNVIDIA製の独立GPUを搭載できる。
このコンパクトボディーで独立GPUを搭載できるのは、ある意味で驚異的だ。
写真や動画の編集ソフトウェアベンダーによるISV認証を通過したGPUを搭載できるだけでなく、メーカーとしてもISV認証を取っている。また、このサイズでも2画面出力は余裕で行えるので、マルチディスプレイ環境で作業効率アップを図りやすい。
なお、ThinkStation P3 Tinyは、カスタマイズ(CTO)モデルはNECPC米沢事業所での国内生産となる。そのため、注文から最短で5営業日で届く。「必要な時にオーダーされるわけだから、すぐに届けたい。これが安心感につながるのではないかと思う」と川端氏は説明する。
ThinkStation P3 Tiny Gen 2(と、少し大きめな「ThinkStation P3 Ultra」)は、CTOモデルの全構成がNECPC米沢事業所での生産となる。最短5営業日で届くのもそうだが、国内生産という安心さもある川端氏はモバイルワークステーションであるThinkPad Pシリーズも紹介した。「この中で、比較的エントリーモデルと言われている製品でもクリエイター向けソフトウェアに対応している」のが強みだ。
例に挙げられた「ThinkPad P14s Gen 6」は、モバイルワークステーションとしてはコンパクトなボディーが特徴だ。川端氏は「今までは画面が大きいものが高性能と考えられてきたが、今は画面サイズは(用途によって)選ぶものと考えてもらいたい。搭載している(現行の)CPUやGPUは一定の性能を出すことができるし、何よりソフトウェアの動作認証を得ている。安心して選んでもらいたい」と語る。
川端氏は「VRやAI、機械学習などさらに高度なことをしたいのであれば、大きい(ハイスペックな)ノートPCが必要になるかもしれないが、適宜問い合わせてもらえれば、最適なものを紹介できる」と、中小ビジネスユーザー向けサイト「Lenovo Pro」のアピールも忘れていなかった。
ウェビナーの終盤では、レノボのワークステーションで利用できる純正アクセサリーの紹介も行われた。
ThinkStation P3 Tiny Gen 2をディスプレイ裏に取り付けるための「Tiny マウンティングキット」や、クリエイターに必要な広色域表示に対応する「ThinkVision P27QD-40」、特にモバイルワークステーションでより多くのディスプレイを使いたい人向けの「ThinkPad Thunderbolt 5 スマートドック 7500」など、ラインアップは豊富だ。
特に「ThinkPad トラックポイント キーボード II」については話が盛り上がり、独特のポインティングデバイス「TrackPoint(トラックポイント)」が好きという大倉氏も「いつもの操作ができるし、バッグにもスッと入るスリムさが良い。次の機会に試してみようかな」と話していた。
井関氏はワークステーションと周辺機器を組み合わせて使うことによる“生産性アップ”についても解説した。
例えば、USB Type-C対応のドックやディスプレイを使うと、周辺機器のケーブルを抜き差しする時間を年間約20.8時間節約できるという。大画面ディスプレイを使うと年間約125時間の時短効果があり、これらを合わせると18.2営業日を節約できるというのだ。
川端氏は「周辺機器も作業効率アップの重要なポイントになるので、ぜひ参考にしてもらいたい」と付け加えた。
レノボ・ジャパンでは、法人や個人事業主専用ストア「Lenovo Pro」を展開している。同ストアでは1台から割引価格で購入できる他、購入金額に応じた割引、会員限定特典などを用意している。会員登録をすれば、専属の担当者がいろいろな相談に乗ってくれることもメリットだ。
ThinkStation P3 Tiny Gen 2を始めとするワークステーションや周辺機器をお得に手に入れたい人は、ぜひチェックしてみてほしい。
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提供:レノボ・ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2025年12月31日