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「あぁ、なるほどね」と思わず納得──“水冷ユニット内蔵”電源「WATER COWBOY」を試す(2/3 ページ)

今夏、水冷キットの導入を考える自作ユーザー向けに「あぁその手があったか、なるほどね」と思わせる“結構買い!”なアイデア複合製品が登場した。それが水冷ユニットを“内蔵”してしまった電源「WATER COWBOY」だ。早速組み込みは簡単か、冷却性能と騒音レベルはいかほどかをチェックしてみよう。

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ATX電源対応のMicro ATX小型タワーケースに組み込んでみた

テストマシン
CPU Athlon 64 X2 3800+
マザーボード ギガバイト「GA-K8N51GMF-9」(GeForce 6100+MCP430)
メモリ PC3200 1Gバイト(512Mバイト×2)
HDD マックストア「DiamondMax Plus 9」(Serial ATA 200Gバイト)
光学ドライブ プレクスター「PX-755A」
TVキャプチャーカード アイ・オー・データ機器「GV-MVP/GX」
PCケース CELSUS「CS-MC04WH」(Micro ATX)

 本機に興味を持ったのは「小さいケースでも難なく使えそう」ということから来ている。最近はMicro ATX対応の小型タワーケースでも入手性や性能などで有利なATX電源に対応する製品も多くなっており(以前はやや小さいSFX電源が多かった)、実際筆者も2台ほど所有している。今回はエンコード時などにCPU温度や動作音が気になっていたAthlon 64 X2 3800+搭載の“動画エンコード専用"マシンに組み込んでみることにしよう。主な構成は右記の通り。

 本機の搭載にあたり気になるのは、やはり奥行きサイズだ。ATX電源は規格で幅と高さのサイズは定められているが、奥行きは若干異なるものも存在する。加えて小型ケースは内部の容積、同時に奥行きサイズも短い傾向にあり、5インチベイに搭載したドライブと干渉する可能性がある。

 組み込む前に本機をあてがって確認してみると、光学ドライブとの間に2.5センチ程の間隔が確保できそうだということが分かった。DVDドライブへのケーブルの取り付け時にはドライブを一時的に前にずらすなどの作業は必要になるが、実際の利用時には問題ないだろう。


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本機テスト用に用いたPCケース、CELSUS「CS-MC04WH」とAthlon 64 X2システム。ATX電源が使えるMicro ATXケースとなる。電源は300ワットの奥行きが短いタイプで、さらに光学ドライブも奥行きが17センチと短いことが特徴のプレクスター「PX-755A」を選んでいる。この状態ならば電源部とDVD-Rドライブの間隔も十分にある

 では早速本機を組み込んでみよう。

 組み込み作業はマザーボードの背面から固定用のバックパネルを装着し、CPUブロックをCPUの上に被せるように固定するだけ。このあたりはPCを自作したことのあるユーザーであれば余裕だろう。

 ちなみに、固定金具をCPU冷却ユニットに組み合わせてからCPUの上に被せてねじ穴を合わせるように作業すると位置決めが一発で決まる。なおSocket 939の場合は対角2か所のねじで固定するだけなので、それらのねじは交互に、できるだけ均等に締めるようにしたい。

 次に電源ユニットとマザーボードをPCケースに設置し、付属するチューブを半分に切断する。ここのチューブ先端に金属製のインナーキャップをはめ込んで本体と接続するのだが、水漏れを防ぐため、切断面はできるだけ水平になるようにきれいにカットするようにしたい。この段階では2本のチューブの片方ずつにのみインナーキャップを挿入する点に注意が必要だ。

 次にチューブのインナーキャップを挿入した側を、電源ユニット側に差し込む。うまく入らない場合には少し回転させながら押し込んでいくとよい。チューブはCPUブロックに十分届くように適切な長さにカットしてインナーキャップを挿入し、CPUブロック側にもしっかりと差し込む。

photophoto 背面にバックパネルを装着し、CPUとCPU水冷ブロックをアタッチメントで固定する
photophoto 電源ユニットとマザーボードをケースに組み込むとこのようになる。あとはチューブを接続するだけ。チューブの先に金属製のインナーキャップを入れて接続する
photophoto チューブを2本とも接続し、脱着防止リングで固定する。リングはグレー色の接続部の下にはめ込むようにする

photo 冷却水は本体内にこぼれないよう、このようにケース外側から注入するようにする

 冷却水の注入は、まずケースを寝かせてから電源部にあるタンクキャップを外し、キャップを注入用のものと交換して行う。電源部の側面には注入量を確認できる窓があり、注入量が確認できる。ただ、ちょっと確認しにくい。なお、冷却水が入っているボトルには2本のラインが引かれており、この状態で上の方のラインまで注入すればよいともされてもいるので、こちらを目安にしてもよいだろう。

 最後に、冷却液をユニット全体に充填させる作業を行う。自動車のラジエータ冷却水交換時におけるエア抜き作業のようなもので、この作業はかなり重要だ。ケースを寝かした状態のままATX電源コネクタを接続し、テスト稼動させる。ポンプを動作させ液漏れがないか確認するとともに、チューブなどに充填された分を補充するためもう少し冷却水を足す。これで設置は完了だ。

 今回、ケーブルの引き回し方法など若干の工夫したところもあるが、交換前よりも非常にすっきりした。従来のCPUクーラー設置時よりも占有体積は減り、チューブもケース内のじゃまな存在にはなっておらず、電源ユニットそのものがやや大きくなったこと以外はデメリットに感じることなどもない。

 懸念事項だった電源ユニットと光学ドライブの干渉も、今回のテスト機では問題なかった。ぎりぎりなのでフラットケーブルの着脱はちょっと手間になりそうだが、電源ケーブルもとくに無理がかかかっている状態ではない。ちなみにこのケースの奥行きは38センチで、DVD-Rドライブの奥行きは17センチとなる。本機がMicro ATXケースで使えるかどうかのひとつの目安にして欲しい。

photophoto ポンプを動作させると冷却ユニットに冷却水が循環する。チューブのレイアウト方法は、従来の水冷キットと比べると非常に効率的であることが分かる

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