「前向き」なのはデザインだけじゃない──デル「XPS 700」(2/2 ページ)
斬新なデザインで注目されるデルのXPSラインアップ。新たに登場したXPS 700はその「前傾スタイル」が特徴だが、その実力は見た目だけで語れない。
BTXでnForce4 SLI X16でIntel EditonなXPS 700
デルのデスクトップPCの例に漏れず、XPS 700もその構成をBTOで選択できる。CPUにはデュアルコアのPentium Extreme Edition 965、Pentium D 950、同940、930、そしてシングルコアのPentium 4 670が用意され、HDDは最大750Gバイトのドライブを最大3基まで(筐体には4基まで実装できるがBTOで用意されているのは3基まで)選択できるだけでなく、RAID 0もしくはRAID 1の構築も可能だ。
グラフィクスカードにはエントリーとしてGeForce 7900 GS搭載カードを用意。ハイエンド志向のゲームユーザーのためには、ATIの最上位GPU「RADEON X1900 XTX」かNVIDIAの最上位GPU「GeForce 7900 GTX 512」が選択できる。なお、XPS 700が搭載するマザーボードのチップセットはnForce 4 SLI x16 Intel Editionだけなので、GeForce 7900 GS、GeForce 7900 GTX 512を選択した場合はNVIDIA SLI構成も選べるが、RADEON X1900 XTXを選択した場合は単体構成のみとなる。
このほか、サウンドカードではチップセット内蔵のコントローラ以外にゲームユーザーに人気のSound Blaster Xi-Fi Xtremeも用意されている。NVIDIA SLI、最大4台のHDDを安定して駆動させるために電源容量750ワットという大容量の電源ユニットが搭載されている。

XPS 700のマザーボードはnForce4 SLI X16 IntelEditionを搭載したBTXタイプと実に個性的な仕様。評価機のグラフィックスカードはGeForce 7900 GTX 512のNVIDIA SLI構成であったが、このようにアジャスタで筐体に固定されている。そのサイズからはGeForce 7950 GX2が組み込めそうな感じであるが、デルはXPS 700のBTOメニューとして用意していない
評価機のサウンドカードはSound Blaster Xi-Fi Xtremeを搭載。OSにはWindows XP MediaCenterEditionが導入されていてTVチューナーカードも組み込まれていた。HDDはステーを介して実装され、こちらもツールフリーで換装可能だこのように構成はユーザー次第というXPS 700なのでパフォーマンスもその構成次第となる。ここでは評価機で測定したベンチマークの値を掲載するが、あくまでも評価機のパーツ構成として発揮しうるパフォーマンスということになる。それよりも重要なのはXPS 700のPCケースとしての性能だろう。高性能のパーツを搭載するだけに、静音性能や筐体内部の冷却効果に優れていなければならない。
| PCMark05 | |
| PCMark | 5936.0 |
| CPU | 5300.0 |
| Memory | 4166.0 |
| Graphics | 8451.0 |
| HDD | 6434.0 |
| HDD - XP Startup | 11.0 |
| Video Encoding | 299.4 |
| Image Decompression | 25.8 |
| WMV Video Playback | 41.0 |
| PCMark04 | |
| PCMark | 6666.0 |
| CPU | 6511.0 |
| Memory | 5360.0 |
| Graphics | 12485.0 |
| HDD | 5837.0 |
| WMV Video Compression | 76.2 |
| DivX Video Compression | 92.6 |
| 1024×768ドット、nonAA、nonAniso | 1024×768ドット、4XAA、8XAniso | 1600×1200ドット、nonAA、nonAniso | 1600×1200ドット、4XAA、8XAniso | |
| 3DMark06 SM2.0 Score | 2933.0 | 2846.0 | 2834.0 | 2749.0 |
| 3DMark06 Pixel Shader | 811.1 | 571.3 | 381.6 | 283.1 |
| 3DMark06 Shader Particles (SM3.0) | 35.8 | 35.0 | 35.1 | 33.8 |
| 3DMark06 Perlin Noise (SM3.0) | 205.3 | 204.9 | 86.0 | 85.4 |
| 3DMark05 3DMark Score | 9554.0 | 9274.0 | 9082.0 | 8681.0 |
| 3DMark03 3DMark Score | 33863.0 | 24023.0 | 24697.0 | 15526.0 |
| 3DMark03 GT1 | 381.7 | 378.7 | 378.3 | 335.8 |
| 3DMark03 GT4 | 225.9 | 196.9 | 179.1 | 140.1 |
評価機の構成はPentium D 940、GeForce 7900 GTX 512のNVIDIA SLI構成、HDDはWD2500JS2台のRAID 0構成と発熱が多そうな役者がそろっているが、ベンチマークを走らせているときでもファンの音は至って静かである。筐体内部(電源ユニットの直下)の温度も室温が摂氏26度の環境で摂氏34〜37度の間にとどまっている。ちなみに、この構成における消費電力をワットチェッカーで調べたところ、3DMark03のPixcelShaderテストで417ワットをマークしている。
高さ572ミリ、重量は22キロ以上と最近のデスクトップPCとしては異例なドデカサイズであるが、そのデザインはシンプルで意外とその存在を主張しない。音もBTXというイメージからは想像できないほどに小さい。それでいて、その内部には高性能のパーツをぎっしりと搭載できるマージンがしっかりと確保されている。
XPS 700は「デザインに惚れた」というフリークならずとも、高性能のパーツを安心して組み込めるPCを求めているパワーユーザーにもぜひ購入を検討してもらいたいデスクトップPCである。
| XPS 700(評価機構成) | ||
| CPU | Pentium D 930(3.20 GHz) | |
| チップセット | nForce4 SLI X16 Intel Edition | |
| メインメモリ | 容量 | 1Gバイト/最大2Gバイト |
| 規格 | DDR2 SDRAM(DDR2-677MHz) | |
| HDD | 容量 | Serial ATA 250Gバイト×2台(RAID 0) |
| 回転数 | 7200rpm | |
| 光学ドライブ(DVD-ROM) | DVD+R DL対応DVD±RWtドライブ | |
| ディスプレイ | ─ | |
| グラフィックスチップ | GeForce 7900 GTX 512×2 | |
| サウンド | SoundBlaster Xi-Fi Xtreme | |
| セキュリティ | − | |
| PCI | 3 | |
| Expressカードスロット | ─ | |
| FDD、メモリカードスロット | SDメモリカード、メモリースティック、CF、スマートメディアそれぞれ1スロット | |
| USB | USB 2.0×8(前面×2/背面×6) | |
| IEEE1394 | 2(前面×1/背面×1) | |
| ビデオ出力 | − | |
| キーボード&マウス | PS/2日本語109キーボード、PS/2ホイールマウス、ともにワイヤレス | |
| LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | |
| 無線LAN | ─ | |
| Bluetooth | ─ | |
| FAXモデム | ─ | |
| 本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 幅218 x高さ 572 x奥行き 616ミリ | |
| 重量 | 約22キロ以上 | |
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