DuoとVistaでひと足早い春の訪れ〜ついに“R1を超えた”Let's note R6
デュアルコアCPU、そして、Windows Vistaの搭載とともに、フルモデルチェンジを果たしたLet's noteの最新モデル「R6」。昨年発表された「Y5」から、「キーボード全面防滴」「ミニポートリプリケーター接続用端子」を受け継ぎつつ、動作時76センチ落下対応など、頑丈さにも磨きがかけられている。しかし、最も注目すべき点は、軽さにおいて「R1」を超えたということではなかろうか。
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Let's noteの2007年春モデルとして、「R6」「T5」「W5」「Y5」が登場した。全シリーズ共通の特徴としては、マイクロソフトの新OS「Windows Vista Business」を導入したこと、そして、デュアルコアCPUの「Core Duo」を採用したことだ。
「Y5」は従来モデルでもインテルのCore Duoプロセッサ低電圧版L2300を搭載ずみだったが、今回、さらに低電圧版L2500へとグレードアップした。2次キャッシュメモリー(2MB)とフロントサイド・バス(667MHz)は同じだが、動作周波数が1.50GHzから1.83GHzへと向上している。
また、「R6」「W5」「T5」には、Core Duoプロセッサ超低電圧版U2400(2次キャッシュメモリー2MB、動作周波数1.06GHz、フロントサイド・バス533MHz)を搭載。昨年発売された、Let's note 10周年記念モデル「W5デュアルコア」と同じCPUを受け継いだことになる。もちろん、ファンレス機構を維持したうえでの導入だが、これは超低電圧版CPUの選択、および、熱伝導性が高い銅チップ入りアルミコートグラファイト放熱板の採用により実現した。使用時でも特に熱く感じられる部分はなく、底部左側のやや奥が少し温かくなる程度だ。
機能を詰め込みつつ、初代R1を一気に抜き去った“軽さ”
ここ数年の例では、夏モデルにおいてR/T/W/Yのいずれかの機種が全面改良され、モデルナンバーが上がっていた。たとえば、2006年夏モデルでは「Y4」から「Y5」へと変わり、その前年の夏モデルでフルモデルチェンジを遂げていた「W4」「T4」の特徴を継承しつつ、新たに「キーボード全面防滴」「ミニポートリプリケーター接続用端子」という新機能を導入した。
しかし、今年はいち早く、春モデルでのフルモデルチェンジが遂行されたわけだ。つまり、「R6」の登場である。「R5」からの主な変更点としては、「キーボード全面防滴」「ミニポートリプリケーター接続用端子」を採用したうえで、Let's noteの最も重要なテーマといえる「軽さ」「頑丈さ」をさらに追求した。
本体質量は約930グラムで、従来の「R5」(999グラム)と比較した場合で約70グラム、つまり、7%の軽量化を実現。実際に手に持ってみても、その違いは明確に感じられる。バッテリー部分が小さくなっている分、重心の偏りも懸念したが、さすがにそのあたりは配慮されており、どの部分をつかんでも違和感なく持ち運べる。さらに、画面を開いたまま移動するような場合でも、ディスプレイ側に重心が寄ってしまうような感覚はない。
最も重要なのは、従来モデルとの比較ではなく、“初代R1をついに下回った”という点だと思う。以前、マイレッツ倶楽部オリジナルモデルとして、最軽量時790グラムの「R3」(1.8型HDDへ換装し、超軽量バッテリーを採用したもの)がモニター販売されたことはあるが、標準仕様で初代「R1」より軽い製品がついに登場したのである。現行モデルでは、筐体に求められる頑丈さやバッテリー容量、無線LAN内蔵の有無といった数々の点で、初代の重量と競い合うことはかなり困難な命題だったと思う。実際、ユーザーの立場としても、もはや無理なのだろうと心のどこかであきらめていた。
その実現にあたっては、まず、これまで地道に続けてきた各パーツの極限までの軽量化が実を結んでいる。また、今回、ガラスを0.3ミリから0.2ミリへと薄型化することで、液晶部分の軽量化も果たした。そして、新たに採用したLEDバックライトも、間接的にではあるものの、軽量化に貢献している。つまり、この部分だけを見ても5%の省電力化となり、ほかの各所とあわせ、全体として消費電力が低減されている。これにより、実用的な駆動時間とのバランスを量りつつ、より軽いバッテリーへと変更できたわけだ。「R6」のバッテリー質量を実測してみたところ、約210グラムだった。「R3」のものよりも100グラムも軽い。
仕様上では、バッテリーによる駆動時間は約8時間とされている。もちろん、実使用ではもう少し短くなると思われるが、無線LAN経由でWMV動画を全画面再生させてみた場合でも、約3時間半の連続駆動が可能だった。また、厳密なテストは行っていないが、Webブラウズやテキスト入力といった一般的な作業では、6時間前後は確実、うまくいけば7時間は使える印象である。加えて、「R6」ではACアダプタもややコンパクトになり、軽量(155g)にもなっているので、実用上で困ることはないだろう。
技術面での問題解決により、デザインはよりシンプルなものに
筐体の新デザインをひと言で表すなら、「シンプルへの回帰」となるだろうか。「R3よりも、むしろ「R1」に近い印象だ。実際に細かく見ると、各辺の面取りのほか、画面側上部の凸部と本体手前の凹部が噛み合うようになっているなど、凝った加工も多用されているものの、全体にはW/T/Yと同系統のシンプルさを継承している。
もちろん、前述のとおり、数多くの新しい機能・特徴を取り入れているのだが、外見上にそれらを感じさせる部分は見受けられない。「R3」ではタフボディ構造など、機能面でどうしても必要な要素をデザイン側で吸収し、本体手前と奥で高さの異なる“楔形ボディ”や、横方向にもボンネット加工を施した独自の天板形状として昇華させていた。一方、「R6」ではそれらを技術側で解決することで、シンプルなデザインを追求できたという。
多くの方がご存じのとおり、Let's noteの頑丈さを象徴しているのは、数々の耐久試験である。これまでの製品でも独自の機構を筐体の各所に凝らし、「耐100kg級ボディ」「30センチの高さからの非動作時26方向落下耐性」を実現していた。つまり、通勤ラッシュ時の電車内における圧迫圧力にも負けず、バックに入れた状態での落下にも負けず、というわけである。
そして今回は、新たに「76センチの高さ」からの“動作時”底面方向落下試験を導入した。これはデスク上で作業中に落下した際の衝撃を想定したものだ。実は従来の「W5」「T5」「Y5」でも、10センチの高さからの動作時底面方向落下試験はクリアしている。「R6」ではこれに並ぶどころか、大きく差をつけるまでに耐久性が向上。Let's note全シリーズの中でも、最も“タフ”なボディを実現したといえるだろう。
気になるWindows Vistaでの動作にも触れておこう。今回試用したのはメモリ512MBの標準仕様だったので、当然ながらきわめてサクサクとは言えないものの、デフォルトではAeroがオフになっていることもあり、実用に十分な速度は確保できている。
ただ、いずれにせよ、メモリ増設は考慮したほうがいいだろう。店頭モデルでも最大1.5GBまで搭載可能だが、マイレッツ倶楽部の直販モデルでは、オンボードメモリ1GBも選べるため、合計で最大2GBまで対応できる。また、従来は「オンボードメモリ1GB&ハードディスク120GB搭載」のみが選択肢として用意されていたが、今回の新モデルではハードディスク60GBモデルでもオンボードメモリ1GBを選択可能だ。
さらに、マイレッツ倶楽部オリジナルのカラー天板もラインナップが一新された。標準の「シルバーフェザー」以外はすべて新色に置き換えられ、光沢系の「レッドベリー」「ブラックストーン」「ホワイトエアー」、半光沢系の「ピンクペタル」「プラチナライト」「ブルーアップル」と全7色での構成となる。イチオシはやはり「レッドベリー」ということにしておくが、いずれのカラーもシンプルなボディに映える色合いなので、好みで選んでいただきたい。
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提供:松下ネットワークマーケティング株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月6日
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