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2560×1600ドットが広色域パネルで登場──デル「3007WFP-HC」(1/2 ページ)

20万円前後で購入できる30インチワイド液晶ディスプレイとして注目されるデル「3007WFP」の後継機種が登場した。ここでは新製品で大幅に改善された「色」を中心に紹介しよう。

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 「3007WFP-HC」は、従来から販売されている「3007WFP」のマイナーチェンジモデルだ。30インチワイドという大きさや、2560×1600ドットの超高解像度という基本スペックだけでなく、DVI-Dが1系統のみの割り切ったインタフェースや外観デザインも3007WFPを踏襲する。概観から新製品と従来モデルの見分けるができないほどだ。

 サイズとインタフェース、外見がほとんど同じという意味では、3007WFP-HCのターゲットユーザーは従来モデルから変わっていないと思われる。価格も20万8950円で3007WFPとほとんど変わりなく、このクラスとしては割安感もある。

3007WFP-HCの外見は、黒枠にシルバーのスタンドと従来モデル「3007WFP」とまったく同じといっていい
画像入力系はHDCP対応のDVI-Dが1系統のみで複数入力には対応しいない。USB HUB機能も備えるが、背面にアクセスするのであまり使いやすいとは言えない
これも従来モデルと同じように左側面にはメモリースティク/SDメモリーカード/MMC兼用スロット、CFスロット、USB 2.0×2が用意されている

 3007WFP-HCで新しくなったのは液晶パネルそのものだ。色域(NTSC比)92%の広色域を実現した最新の液晶パネルを採用している。このパネルはコントラスト1000:1、応答速度8ミリ秒(中間階調)と、ほかのスペックも従来の3007WFPから向上している(3007WFPでは、それぞれ72%、700:1、11ミリ秒)。

 新パネルの実力を簡単に体感するには、何も接続せずに電源を入れてみると良いだろう。テストモードになって、白、赤、緑、青と自動的に画面全体が表示される(デルのディスプレイ以外でも、このような設定を持つ製品は多い)。このときに表示されるどの色をとっても、従来モデルより深い色を実現しているのが見て分かる。とくに赤は従来の3007WFPが出す「赤」が「朱色」に感じてしまうほどの違いだ。もちろん、PC用ディスプレイとして同じデジタルカメラの画像を同じソフトで表示しても、その色の違いは明らかだ。3007WFP-HCの画像はより自然で好ましい表現になっている。

 また、3007WFPでは色温度が高く設定されていたが、3007WFP-HCは少し色温度が低めになっている。このポイントはユーザーによって好みが分かれるところだが、6000K前後の色温度を好むユーザーには、3007WFP-HCの設定が好ましく感じられるだろう。1000:1のコントラストも黒を引き締める方向で画質の向上に貢献している。

3007WFP-HC(画像左)と3007WFP(画像右)を最大輝度にして同一条件で撮影した画像を並べた。ビリヤードの玉を見ると3007WFP-HCで赤、青、緑の発色がより自然であるように見える

同じく3007WFP-HC(画像左)と3007WFP(画像右)でForceWareに用意されているディスプレイ最適化ツールのテストパターンを比較する。背景のグレーを比べると3007WFPの色温度設定が高めであるのが分かる



3007WFP-HC(画像左)と3007WFP(画像右)で青基調(上段)、緑基調(中段)、赤基調(下段)のデジカメ撮影画像を比べる。静止画の色を見ると、3007WFP-HCは赤、青、緑のすべての色領域でより深みを増し、黒もより引き締まっている。逆に白は3007WFPがより白く感じるが、3007WFP-HCも色温度が低めで落ち着いた印象になっている

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