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ASUS「P5E-VM HDMI」で“Intel G35 Express”の性能を試すイマドキのイタモノ(1/3 ページ)

いまだ出荷されていないIntel G35 Expressマザーボード。ようやく登場したサンプルで「Intel GMA X3500」の実力を検証する。

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 2007年に登場した「Intel 3」シリーズチップセットは、「Intel G33 Express」と「Intel P35 Express」が先行して出荷され、少し遅れてハイエンドモデルの「Intel X38 Express」と続いたほか、ビジネスPC向けとされている「Intel Q35 Express」「Intel P35 Express」「Intel P31 Express」を搭載したマザーボードが市場に登場している。

 しかし、2007年6月に行われたIntel 3ローンチで名称がでてきたモデルの中で、新しいグラフィックスコアを統合する「Intel G35 Express」だけは、いまだに出荷されていない。もともと、Intel G35 Expressは、Intel X38 Expressと同じ2007年第3四半期に登場する予定だったが、ようやく、第4四半期も終わろうとする12月になってマザーボードが投入される見込みだ。

microATXでもハイエンドモデルと同じブラック基板を採用。チップセットの冷却は、ファンのないヒートシンクのみとなっている

microATXながらハイエンド仕様の「P5E-VM HDMI」

 今回取り上げるIntel G35 Expressチップセット搭載マザーボードは、ASUSの「P5E-VM HDMI」だ。“VM”の型番が示すように、この製品はmicroATXフォームファクタを採用する。microATXマザーボードというと、コストを重視する製品が多い中で、P5E-VM HDMIは、ハイエンドモデル相当の仕様が随所に取り入れられている。まず、なんといっても基板の色からして違う。ASUSのラインアップではハイエンドモデルだけに許される「ブラック」を採用しているのだ。

 メモリはDDR2 800MHz、もしくはDDR2 667MHz(PC2-6400/5300)をサポートし、DDR2 1066(PC2-8500)には対応しない(ただし、BIOSの設定でDDR2 1066MHzの項目が用意されている)。P5E-VM HDMIはメモリスロットを4基用意しているので最大8Gバイトまでメモリを搭載できる。サウスブリッジは「ICH9R」で、RAIDに対応するほか、ICH9では対応していないSerial ATAのAHCIモードも利用可能だ。

 そのほかのオンボード機能では、AtherosのコントローラでギガビットLANをサポートし、Realtek ALC833では、8チャネルHDオーディオに対応するなど、最新のマザーボードで標準とされている機能がひと通りそろっている。Atherosは、無線LANのコントローラで以前から知られているが、2006年にギガビットLANコントローラ技術を持つAttansic Technologyを買収したあたりから、同種のチップも供給するようになった。なお、ギガビットLANのコントローラチップには、AtherosとともにAttansicのロゴも刻まれている。

ノースブリッジのヒートシンクを外すとIntel G35 Expressのダイが姿を現す。刻印には「LE82G35」とある
サウスブリッジがICH9Rなので、RAID 0/1/5/10、そしてAHCIにも対応する
電源回路は4フェーズで、固体コンデンサやハイグレードなコイル、トランジスタを実装する

ギガビットLANのコントローラは、無線LANで知られるAtherosブランド。ただし、その中身は2006年に買収したAttansicの「L1」だ
オーディオコーデックはRealtekのALC883を採用して8チャネルのHDオーディオに対応する
IEEE1394コントローラはVIAのVT6308を用いている

インタフェースパネルにHDMIコネクタを用意

 P5E-VM HDMIで注目しておきたいのが、型番にもある「HDMI」出力への対応だ。基板には、Silicon Imageの「HDMI Transmitter SiI1392」が実装されており、チップセットに統合されたグラフィックスコアからの出力を、HDMI形式へ変換して出力する。

 P5E-VM HDMIには、HDMI入力対応のTVを持っていなくてもHDMI出力がセカンダリ映像出力として利用できるよう、HDMI→DVI-D変換アダプタが付属している。実際に、アナログRGB出力にCRTディスプレイを、HDMIにDVI-D変換アダプタを接続して液晶ディスプレイをつないだところ、2台ともマルチディスプレイとして利用できた。グラフィックスカードを追加することなく、マザーボードに用意されたインタフェースだけでマルチディスプレイ環境が実現するのは、手間とコストを考えると高く評価していいだろう。

 なお、HDMI→DVI-D変換アダプタに、DVI-D→D-Sub 15ピン変換アダプタをつなげてCRTディスプレイを接続してみたが、こちらはさすがに認識されなかった。

マザーボードに実装されているのは、SiliconImageの「HDMI Transmitter SiI1392」。垂直に取り付けられたドーターカードもHDMI出力用と思われる

バリューモデルが多いmicroATXマザーボードと比べてUSBの数も多く、IEEE1394や光デジタル出力、HDMIなど、多彩なインタフェースを備える
付属の変換アダプタで、HDMIからの出力をDVI-D接続の液晶ディスプレイに表示できる

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