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“199ドルPC”を求めて海を渡る(前編)台湾の秋葉原へ(2/2 ページ)

CESの準備で忙しかった去年の暮れに、突然の指令が下った。まるでタバコでも買ってきて、と頼むかのような口調で、電話の主は「Eee PCを買ってきて」と告げたのだった。

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2日目、ネット環境を探す

 明けて2日目、ホテルの朝飯を食べたら買い出しである。ここでもう1つうれしい誤算があった。今回泊まった宿は「ともかく安くて、その日に取れればよい」という点から、インターネット環境の有無は考慮しなかった(4日前にツアーを申し込むという暴挙で余計な注文はつけられない)。最終旅行案内書を代理店まで引き取りに行って、該当するホテルを検索したところ「高速インターネット接続」についての記載はなかった。つまり、ホテル提供のネット接続は期待薄と考えていた。

画面のようにホテルの部屋から無線LANに接続するのは望み薄。到着日はアクセスをあきらめていた

 そのため、とりあえず年内に連絡が必要な相手に「25〜27日まではなぜか台湾にいるので音信不通になります」とメールを流しておいたうえで、成田空港でギリギリまでメール着信をするためのメール受信環境だけを残しておいた。

 海外ローミング接続は費用がかかるばかりだし、無線LAN接続サービスは外国人が契約できないような表記を見かけた(帰りの空港で確かめてみたら、Hinetのプリペイド購入画面で外国人はパスポート番号を入れろと出てきたので、問題ないのかもしれない)ので「こりゃ、野良APでも探すか国際電話アクセスしかないなぁ」と思ってみたものの、部屋は周囲をビルで囲まれた低層階。野良APどころか公衆APも電波が弱くて接続できない。そしてモデムでのローミング接続は、コストパフォーマンスが低すぎる。さてどうしよう、と考えていたところに救いの手がさしのべられた。

 前置きが長くなったが、宿の朝飯を食べるために最上階の食堂に行ったところ「メール用。ダウンロードとかゲームはやっちゃダメ」と書かれたノートPCが1台置いてあることに気付いた。OSは当然中国語Windowsだが、日本語は読める。そして、PCから伸びたケーブルは無線LANルーターとつながっていた。これなら私物のマシンでも無線で接続できる可能性がある。

 ところが、部屋からLet'snote LIGHT Y5を抱えて食堂に戻り、無線LANで接続しようとしたところ、暗号化されているために無理。ホテルの従業員に暗号キーをたずねようかとも思案したが、筆者の言語能力ではとても通じそうにない。

 よく見ると、設置されているノートPCとルーターは有線でつながっている。ということで、ルーターからLANケーブルを引っこ抜き、これをLet'sに接続してメールを読むことにした。それでいいのか? という気もしたが、メールチェックのみだし、従業員が通りかかっても何も言われなかったから大丈夫なのだろう、たぶん。

ネット接続とは無縁と思っていたところに現れた救世主のホテル内PC。メールチェックさえできればいいのです!(写真=左)。と言っても当然ながら、中国語版Windows。日本語は使えるようになっていたが、やはり分かりにくいし、セキュリティも心配だ(写真=中央)。というわけで自前のPCを使ってみた。従業員が通りがかっても怒られたりはしなかった(写真=右)

 メールをチェックしていると、ちょうどインスタントメッセンジャーに編集Gがいたので、台北に無事到着したと告げる。

小林@台湾の発言: 台北のホテルからです

編集Gの発言: 台北? おー、海外でクリスマスですか

小林@台北の発言: いや、あなたがそうしろと

(間)

小林@台北の発言: もしもし?

編集Gの発言: ああ、Eee PCですよね。売ってそうですか? 最悪、OSは中国語版でもかまわないんで。カラバリも在庫があるやつでいいです。

 おいちょっとまて。“Eee PCですよね”って、忘れていたのではないだろうな。……いつものことながら、かすかな殺意を抱きつつ、後編に続く。

後編は台湾の電脳街へ

 ちなみに台湾で無線LANが普及していないということはまったくない。先に書いたように公衆無線LANサービスはいくつかあるうえ、出発日の空き時間にノートPCを持って100メートル先のコンビニに行くあいだ「War Walk」をしてみたところ、145個のAP/peerが見つかり、そのうち半数以上が暗号化を行っていなかった。この中の23個は公衆無線LANのAPのようだが、それでもかなりの台数が暗号化処理のない無線LANということが分かる。


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