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いじり放題? な入出力デバイス――「G13アドバンスゲームボード」を試すPC USER的レビュー(2/4 ページ)

ロジクールの左手専用ゲームコントローラ「ロジクール G13アドバンスゲームボード」の使い勝手はいかほどか。片手入力キーボードの魅力を探る。

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自由度の高いキーカスタマイズ

「新規ゲームを検索」を選択するとインストール済みの対応ゲームを検索し、自動的にプロファイルが設定される

 キーのカスタマイズは専用のソフトウェア「キープロファイラ」から行う。すでに対応済のゲームでは「新規ゲームを検索」を選択することで、そのゲーム用のプロファイルが設定される。もちろん、それをベースに自分好みの設定に変更していくことも可能だ。プロファイルが用意されていないゲームやソフトウェアの場合は各キーを1つずつ設定していくことになる。

 設定できる入力は「キーストローク」と「マクロ」のほか、「機能」「ショートカット」「テキストブロック」「スクリプト」の合計6種類だ。キーストロークは修飾キーとの同時押しを含めた単一キーを登録する。一方、マクロは複数のキーおよびマウスの各ボタンの押下、リリースを各イベントの間隔を含めて登録する。キーストロークでは実際のキーの押下、リリースによってイベントが発生するのに対し、マクロでは繰り返しの方法を指定することでオートリピートを有効にも無効にもできる。

これはEverQuest2のプロファイル

 MRボタンを使えばキープロファイラを介さず、その場でマクロを作成して登録するクイックマクロ機能が利用できる。使い方はMRキー、登録させたいゲームキーの順に押した後、キーボードで実際の操作を行ってから再度MRキーを押す。キープロファイラ上では「クイック マクロ(連番)」という名称でマクロが作成され、ゲームキーに割り当てられる。

 機能はメール、Web、メディアプレーヤー、電卓、マイコンピュータへのショートカットをキーに割り当てるもので、ゲーム中に使うことはないだろう。これ以外のプログラムの起動を割り当てたいときはショートカットを指定すればよい。

 テキストブロックはテキストの入力を行うもので、チャットなどで利用する。日本語の入力はユニコードを選択することで可能になるゲームやソフトウェアもあるが、すべてではない。できたらラッキーくらいの感覚で考えたほうがいいだろう。また、入力可能な場合でも同じキーの連続入力は取りこぼしが発生するようだ。これは遅延を入れても改善は見られなかった。

 スクリプトはキープロファイラ上、各ゲームキーに割り当てるようになっているが、予想とは異なり「ゲームキーを押すことでスクリプトが起動する」のではない。1プロファイルに登録できるスクリプトは1つで、プロファイルが有効になった時点ですでに動作している(このことはLCDマネージャでゲームパネル上に「ロジクール G-Series スクリプト ディスプレイ」を選択すると分かる)。

実際のキー操作はマクロとして登録されており、マクロを各ゲームキーに割り当てるという2段階になっている。そのため、キーの機能を入れ替えることも簡単にできる(画面=左)。複数行にわたるアスキーアートを一発入力できるかと試してみたが、連続した同一文字がうまく渡せないためにかなり崩れてしまった(画面=中央)。マクロエディタを開いたところ。このマクロの場合、ゲームキーの押下だけでMキーの押下、リリースが行われることになる(画面=右)

 各ゲームキーにスクリプトを割り当てる、ということは「そのゲームキーが押されたというイベントをスクリプトで処理させる」ということだ。そのため、G1キーにほかのマクロが登録されていた場合、スクリプトがG1キーが押された、というイベントを拾うことはない。また、イベントハンドラが拾うイベントはキーの押下/リリースだけでなく、プロファイルの有効化/無効化なども含まれるため、たとえ1つのキーだけにスクリプトを割り当てたとしても、どのキーが押された/リリースされたのかを判断する必要がある。

 このスクリプトにはフリーのLua言語が採用されている。Lua言語は移植性が高く、高速であるため、ゲームなどでの実績も多い組み込み用言語だが、なじみのあるユーザーはそれほど多くはないかもしれない。しかし、C言語やPHP、JAVAなどを使ったことがある人であれば理解はたやすいはずだ。

 キープロファイラからスクリプトエディタを開くとイベントハンドラOnEvent()がスケルトンとして登録された状態になっている。キーが押されたり、プロファイルが有効/無効になるとこのイベントハンドラがコールされるので、まずはイベントの条件分岐からプログラムを記述していくことになるだろう。

 Luaの標準関数のほか、Gシリーズ用に用意されているAPIはキーやマウス操作のエミュレーション、LCDへの出力、バックライトの色変更といった出力系、特定のキーやマウスボタンの押下状態、マウスカーソルの位置の検出などの入力系が中心となる。それ以上の複雑な検出、例えば現在アクティブなウィンドウのタイトルを検出するようなことはできない。複数ゲームに対応したゲームエミュレータなどで、タイトルに対応して自動的にプロファイルを変更することができれば面白いと思ったのだが、ちょっと難しそうだ。

スクリプトエディタを立ち上げるとOnEvent()が記述された状態で開く(画面=左)。Luaの日本語リファレンスマニュアル。概要を知るにはAtsushi氏の「Luaで組んでみる」も分かりやすい(画面=中央)。Gシリーズ用のLua APIリファレンス。キーやマウス操作のエミュレートAPIが用意されている。画面はマクロではできないマウス移動を実現する「MoveMouseTo()」だ(画面=右)

 バックライトカラーはゲームパネル部とキートップ共通で、各プロファイル、各モードごとに16万色から設定することができる。ただし、明度の低い色では画面上と実際の色がずいぶん異なる。変更はリアルタイムに反映されるので実際の色合いを確かめながら変更するのがいいだろう。

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