HPの「Pavilion Desktop PC e9190jp/CT」で大容量メモリと64ビットOSの極上PC体験を味わう:Core i7には64ビットOSを(2/2 ページ)
CPUにCore i7を採用した、日本HPの個人向けデスクトップPCで最高峰に位置する「HP Pavilion Desktop PC e9190jp/CT」は、BTOで最大12Gバイトのメモリをはじめ、OSも64ビットと32ビットから選べる。64ビットOSと大容量メモリを搭載することで、どれだけパフォーマンスが向上するのかをテストした。
クリエイティブ系アプリケーションでの強さが際立つ64ビット環境
それでは、まずPCMark Vantageを見てみよう。これはWindows Vista環境においてHDコンテンツを扱うことを前提にしたコンピューティング作業全般をシミュレートする内容だ。64ビットネイティブと32ビットネイティブ両方のバージョンが用意されているので、両環境の総合的な性能の比較には適したテストといえる。Windows XP環境にはインストールできないため、Vista環境のみの比較だ。結果を見ると総合スコア(PCMark)で約7.5パーセント、64ビットのほうが高速になっている。項目別では音楽データのトランスコードを中心に行うMusic Suitesのみ32ビット環境のほうがよいスコアだが、そのほかはすべて64ビット環境が上回っている。
CINEBENCH R10は、MAXON Computeの3DCGソフト「CINEMA 4D」をベースにしたベンチマークテストだ。これも64ビットと32ビット、それぞれネイティブの両方のプログラムが用意されている。1コアあたりのレンダリング性能を見る「1CPU」とマルチコアCPUのフルパフォーマンスを使う「xCPU」のスコアを掲載している。結果は、Vista、XPともに64ビット環境のほうが大幅なパフォーマンスアップを見せている。具体的には、Vistaの1CPUでは約25%、xCPUで約24%、XPでも1CPU/xCPUともに約23%の性能アップだ。やはりこういったクリエイティブ系アプリケーションでは64ビット環境での強さが際立つ。
64ビット環境では32ビットアプリケーションも快適に動作
64ビットにネイティブ対応していないアプリケーションも、まだ数多くある。64ビット環境で32ビットアプリケーションを動作させた場合は32ビット環境と比べてどうなのか、気になるユーザーもいるだろう。
PC USERで定例的に使用しているベンチマークテストプログラムである「PCMark05」「3DMark06」「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」は、いずれも32ビットアプリケーションであり、64ビットネイティブ版は用意されていないため、64ビット環境ではWOW64上で動作することになる。64ビット環境において32ビットアプリケーションがどの程度動くのかということの参考になるだろう。なお、XPの64ビット環境では32ビット版のWindows Media Encoder 9がインストールできないことから、PCMark05の一部テストは(Video Encoding)実行できなかった。
PCMark05の結果は、Vista環境ではほぼ互角といっていいだろう。総合スコアが出ないXP環境でも項目別に見るとほぼ互角である。HDDスコアはちょっとバラついているが、少なくとも64ビット環境で32ビットアプリケーションを動作させたことによる明らかな速度低下というのは皆無といえる。
3DMark06では、Vista環境ではやはり64ビットと32ビットは互角。だが、XP環境でははっきり32ビットのほうがよいスコアとなっている。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のほうも、64ビットと32ビットで差は誤差範囲内だ。スコア自体はVista環境よりXP環境のほうがよくなっている。とはいえ、Windows XPはすでにマイクロソフトによるメインストリームでのサポート期間が終わり、セキュリティ更新プログラムなどにとどまる延長サポート期間に入っており、これから長期間、メインで使っていくOSという観点では不安が残るのも事実だ。
Core i7にメモリ12Gバイト+64ビットOSでパワー全開
64ビットネイティブバイナリが用意されているアプリケーションでは、一部項目で例外があったものの、はっきりと64ビット環境のほうが高速だった。CINEBENCH R10などは24〜25%という大きな差がついているが、ハードウェア構成が共通でありながらの差であることが64ビットの威力を物語っている。また、32ビットアプリケーションでは、Windows Vista環境では3つのテストともにほぼ互角であり、少なくとも64ビット環境で32ビットアプリケーションを動作させることに対して大きな不利はないことが改めて実証された。
32ビット版Windows Vistaでも高速な処理性能を誇る本機であるが、64ビット版Windows Vistaを選択することで、さらなるポテンシャルを引き出すことができるといえるだろう。前述したように、BTOメニューではメモリを3Gバイトから12Gバイトへのアップグレード価格が1万8900円と実にリーズナブルで、Windows 7へも無償アップグレードが可能だ。Windows VistaとWindows 7、そしてWindows XPという3つのOSが利用できる環境が一気に整うのが本機の魅力であり、その買い時は今しかない。もちろん、これから先を見すえるならば、Core i7のポテンシャルを生かすためにも、メモリ12Gバイト+64ビット版Windows Vista(そしてWindows 7へ)の組み合わせでパワー全開と行きたいところだ。
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