“ちょっと小さめ”が使いやすい、オフィスPCの新スタンダード「Endeavor NY2000」の実力検証:2011年度のオフィスPCは、ずばりこれ(2/2 ページ)
エプソンダイレクトが2011年度向けの新基準オフィスPCを投入。「Endeavor NY2000」は、5万円台からのリーズナブルな価格と十分なパフォーマンス、そしてオフィスでさらに使いやすい14型液晶の「ちょっと小さめ」ボディを採用する。
動画再生も快適、インタフェースは使いやすさにも配慮されている
グラフィックス機能はCPU内蔵のGPUコア Intel HD Graphicsを利用する。本格派3Dゲームなどをプレイできるほどの高度な3D描画性能はないが、Windows Aeroの3D効果や、息抜きに楽しむライトゲームなら十分快適に楽しめる。また、MPEG-2・H.264・VC-1のハードウェアデコードを含む強力な動画再生支援機能を持っており、MPEG4-AVC/H.264などで収録されたBlu-ray Discタイトルやデジタルビデオカメラで撮影したAVCHDムービー、あるいはYouTubeやニコニコ動画などの動画サービスの動画などを少ないCPU負荷で快適に再生できる。
メインメモリはPC3-8500 SO-DIMMを採用する。底面のカバー内に2基のメモリソケットがあり、Core i5モデルは2Gバイトモジュールを2枚の計4Gバイト、Celeronモデルは2Gバイトモジュールを1枚装着してある。
データストレージは250Gバイトの2.5インチSerial ATA対応HDD(5400rpm)を採用し、本体右側面に光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブを実装。通信機能は1000BASE-T準拠の有線LAN、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANを装備する。
搭載インタフェースは、左右合計で3基のUSB2.0(うち1基はeSATAと共用)、マルチメモリーカードスロット(SDXC対応メモリースティック/MMC/メモリースティックPRO対応)、HDMI出力などを備える。DC入力端子や有線LANなど、常時接続することが多い端子類は本体の奥側に、抜き差しする機会の多いUSB2.0やサウンド系端子、メモリーカードスロットは本体の手前や前面に設けるなど、配置についても使いやすく工夫されている。
見やすい1366×768ドット表示の液晶ディスプレイ、打ちやすいフルサイズのキーボードを装備
インタフェース類の配置とともにノートPCの使い勝手のカギを握るのが、液晶ディスプレイとキーボードだ。こちらもそれぞれ水準以上の品質にある。
液晶ディスプレイはA4スタンダードノートPCの主流である15.6型ワイドよりひとまわり小さい14型ワイドで、画面の表示解像度は1366×768ドット。Windows 7を快適に利用できるといえる基準の表示解像度である。表面は光沢(グレア)仕上げで、コントラストのはっきりした鮮やかな表示ができ、写真などをきれいに表示することができる。輝度も十分に高く、表示品質は水準以上にある。あわせて、パネルを薄型化しやすく(総じて本体も薄型化できる)、長寿命で輝度劣化の心配が少ないLEDバックライト搭載タイプを採用している。
キーボートは標準的な6段配列で、特に変則的な配置は見られない。主要キーは18.5ミリのキーピッチを確保する。右端に少し細長いキーはあるが、普段の利用において打ちにくいキーはない。キーボードユニットのたわみなどもなく、しっかりと固定されている。タッチ感は少しソフトで長時間タイプしても疲れにくい印象だ。
キーボードの手前に2ボタン式のタッチパッドを備える。パッドは指の滑りがよいサラサラした素材が使われており、操作性は上々だ。Synaptics製の多機能ドライバが導入されおり、パッドの右辺/下辺を利用した縦横スクロールや、2本指でパッドをなぞることによる縦横スクロール、2本指の開閉でズーム/パンを行う「つまみズーム」、パッドを「3本指で弾く」ことで写真送りなどをするマルチタッチジェスチャー機能などに対応する。本機においては外付けマウスを利用するシーンが多いとも思うが、ノートPCに必要な機能はまんべんなく備わっていることが伺える。
Windows 7を快適に使える基本性能を実証
Endeavor NY2000は、定番の構成を採用するオフィス向けのスタンダードノートPCだけに、Windows 7を扱う操作で性能面の不安はないはずだ。とはいえ、一応どの程度の性能があるのか、Core i5モデルの評価機で定番のベンチマークテストで確認しよう。
まずはWindows 7のエクスペリエンスインデックスから。これはWindows 7標準で備わっているハードウェアの評価機能で、PCをどれだけ快適に実行できるかの目安になる。基本スコアが3以上でWindows 7の操作が基本レベルで実行可能、4〜5でWindows 7の新機能を含めたひととおりの操作に対応できる目安になるが、本機の基本スコアは「4.7」で、その基準は余裕でクリアしている。
サブスコアを見るとグラフィックス関連が相対的に低いが、本機は最先端の3Dゲームをバリバリと楽しめるほどのグラフィックス能力はないので、こちらは仕方がない。もっとも、メモリで「7.2」、プロセッサで「6.6」をマークするなど、グラフィックス以外は非常に優秀だ。これなら普段の業務も、“これまでのPCより圧倒的に快適に作業できる”ようになるはずだ。
このほかのベンチマークテストは、2009年後半〜2010年前半に発売されたCeleron SU2300搭載のCULVノートPCと、Atom N450搭載Netbookのスコアで比較しながらその差をチェックする。
ベンチマークテスト | Endeavor NY2000 | 参考:Celeron SU2300搭載CULVノートPC | 参考:Atom N450搭載Netbook | |
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PCMarkVantage 1.0.2.0(1024×768) | PCMark | 4899 | 2542 | ─ |
Memories | 3188 | 1747 | ─ | |
TV & Movies | 3847 | 2077 | ─ | |
Gaming | 3004 | 1419 | ─ | |
Music | 5345 | 3074 | ─ | |
Communications | 4018 | 2413 | ─ | |
Productivity | 3751 | 1840 | ─ | |
HDD | 3196 | 3552 | ─ | |
PCMark05 1.2.0 | CPU | 7649 | 3096 | 1455 |
Memory | 6070 | 3181 | 2542 | |
Graphics | 2943 | 1329 | 444 | |
HDD | 4906 | 4496 | 4041 | |
3DMark06 1.2.0(1280×768) | 3DMarks | 1924 | 727 | 154 |
SM2.0 | 583 | 231 | 71 | |
HDR/SM3.0 | 779 | 284 | ─ | |
CPU Score | 2914 | 1126 | 496 | |
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 | Low | 4441 | 1878 | 1256 |
High | 2555 | 1285 | 921 |
PCMark VantageはHD解像度のコンテンツを扱うことを前提にさまざまな用途シミュレートするテストで、動画エンコードなどシステムに大きな負担のかかる処理も多く含まれている。参考までに、比較用Netbookでは、完全に力不足で最後まで実行することができないものだ。ここでもCULVノートPCと比べると、どの項目もまんべんなく2倍弱〜2倍の差を付けた。総合スコア(PCMark)の4899というスコアも立派なもので、やはり基本性能の高さを実証している。
Webページの表示やファイルの圧縮/解凍など、OSの日常的な操作を中心にシミュレートするPCMark05では、CPUで7649という高いスコアをマークした。これはNetbookの5倍、CULVノートPCの2倍以上となる値であり、とりあえず十分過ぎる性能があることが分かる。
3DMark06はDirectX 9.0c世代の3D描画性能を計測するテストだ。DirectX 9.0cは近年のマルチメディア/3D描画の1つの基準となる技術であり、多くのゲームタイトルなどに利用されている。ここでの1924というスコアはそれほど高くはないが、Windows Aeroの3D効果や息抜きに楽しむオンラインゲームなどは快適にできるレベルはあり、オフィスPCとしては十分なスコアといえる。一方、今でも多くのユーザーがプレイしているDirectX 8.1世代のゲームをベースにしたFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアも、HIGHで2555とまずまずだ。CULVノートPCやNetbookのスコアではほぼ無理だが、数年前の3Dゲームであれば、なんとかプレイができる水準にはある。
実際のバッテリー動作時間もチェックしよう。テストにはBBench1.01(海人氏作)を利用し、無線LAN接続での「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)/10秒間隔でのキーストローク」設定で、Windows 7の電源プランは標準の「バランス」として計測したところ、約3時間21分(211分経過したところで休止状態へと移行した(バッテリー残量表示は5%)。カタログ値の4.3時間には及ばないものの、こちらはインターネット通信しながら使う実利用時でもこれだけ動作する実力はあるということだ。
静音性や発熱の処理も優秀である。ファンの回転音はアイドル時はほとんどわからず、高負荷時もじわっと上昇する程度だ。周囲に適度な雑音がある一般執務室内ではおそらく音にも気付かないくらいだろう。発熱に関しても、高負荷テスト中でもパームレストやキーボードなどに不快な熱が伝わってくることはない。動作時は、普段は触れない底面左側にある排熱口付近がやや熱くなるだけで、排熱は非常にうまく処理できている。
性能や機能、使い勝手も優秀 完成度の高い新基準のオフィスPC
Endeavor NY2000は、Core i5モデルで7万5180円、Celeronモデルで5万5230円だ。
さらに、2011年3月22日17時までの購入でさらに9450円オフとなる「年度末決算セールクーポン」が発行されている。これを活用すれば、それぞれ6万7305円、4万5780円とさらに魅力的な価格になる。光学ドライブを搭載したフルスペックの国内メーカー製ノートPCがこの価格帯で購入できるのは、非常にお買い得だ。
これまで見てきたように、NY2000はWindows 7を利用するオフィス向けスタンダードノートPCとして十分な性能を持ち、さらに画面の見やすさ、キーボードの打ちやすさ、インタフェースの配置、静音性や発熱の処理なども含めて、完成度が非常に高い。バッテリー動作時間に関しても実用的で、会議などでちょっと移動して使うくらいならACアダプタを一緒に持ち歩く必要はない。「ちょっと小さめ」のボディサイズと合わせて、普段のオフィス業務を軸に使いつつも、社内会議や出張へ持ち出すシーンにもバッチリ適応できる。
このようにNY2000は、コストパフォーマンスの高い「2011年度用のオフィスPC」を探している人にはぜひ検討してほしいPCだ。冒頭で述べたような「ちょっと小さめ」のメリットに共感できるなら、特に強くお勧めしたい。
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提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年3月20日
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