Microsoft、自社開発のWindowsタブレット端末「Surface」を発表
米Microsoftが6月18日(現地時間)、独自に開発したWindows搭載タブレット「Surface」を披露した。ARMを搭載したWindows RT対応版と、第3世代Intel Coreを採用するWindows 8 Pro版を用意する。
Microsoftが自社開発したWindowsタブレット
米Microsoftが6月18日(現地時間)、Windows OSが動作する自社開発の新たなハードウェア「Surface」を発表した。薄型のタブレット端末で、ARM版とIntel Core版の2種類のフォームファクタがある。
Surfaceの外観上の特徴は、タブレット端末にノートPCの要素を取り込んだようなユニークな形状にある。ボディは「VaporMg」(ベーパーマグ/マグネシウム合金)を用いた造形で、非常に薄い。最薄のモデルでは厚さ9.3ミリを実現した。また背面には折りたたみ式のスタンド「Kickstand」を搭載しており、使用時にはSurfaceをほどよい角度で立てかけられる。ディスプレイは10.6型でアスペクト比16:9のパネルを搭載。HD以上の解像度になるという。
さらに、厚さ3ミリのキーボード「Touch Cover」に対応しており、スムーズな文字入力をサポートする。圧力を感知する独自の技術を採用し、タイピングとジェスチャーを認識するという。Touch Coverは水色、赤、ピンク、白、黒の5色のカラーバリエーションが選べる。本体とは磁石でくっつく仕様で、使わないときはディスプレイカバーとしてたたんでおける。より快適な文字入力環境を求める向きには、物理キーとタッチパッドを備える厚さ5ミリの「Type Cover」も用意する。
ちなみにSurfaceといえば、これまでは同社がコンセプトを考案した“タッチパネルを備えたテーブル型PC”の名称として用いられてきたが、新型タブレットがこの名称を継承した。MicrosoftのSurfaceのWebサイトは、Surface 2.0を採用したSamsung製の「SUR40」の情報から、新型タブレットの情報に差し替えられており、今後はこのタブレット型デバイスを指す名称になっていくようだ。
ARM版と第3世代Intel Core版を用意
Surfaceは、OSとしてWindows RTもしくはWindows 8 Proを採用する2つのバージョン「Surface for Windows RT」と「Surface for Windows 8 Pro」を用意する。
Surface for Windows RTは、CPUにARM系のCPUを搭載するモデル。厚さ9.3ミリ、重量676グラムと薄型軽量で、10.6型のClearType HDディスプレイを採用する。microSDスロットにUSB 2.0端子、Micro HD Video端子、2×2 MIMOアンテナなども備え、Officeアプリもプリインストールしている。ストレージ容量は32Gバイトと64Gバイトが選択可能だ。価格は競合するARM搭載タブレットと同程度になる見込み。
Surface for Windows 8 Proは、CPUに第3世代Intel Core(Ivy Bridge)を搭載する。厚さは13.5ミリとARM版よりやや厚くなり、重さも903グラムになる。ディスプレイは10.6型のClearType Full HDディスプレイで、解像度が高い。またmicroSDXCスロットやUSB 3.0端子、Mini DisplayPort端子、2×2 MIMOアンテナを備える。ストレージ容量は64Gバイトと128Gバイトのラインアップで、価格は同スペックのUltrabook並みになるという。
発売時期は、Windows RT版が、Windows 8のリリースと同時期、Windows 8 Pro版はその90日後としている。Microsoft StoreとオンラインのMicrosoft Storeで販売予定だ。
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