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「Pogoplug cloud」vs.「Bitcasa」――容量無制限オンラインストレージ対決どっちが使える?(4/4 ページ)

容量無制限のオンラインストレージといえば、“開始直後にサービス終了”という、5年前のほろ苦い記憶を思い出さずにはいられない。だが、ここにきて2社から同様のサービスがスタートした。これは気になる!

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機能豊富な「Bitcasa」とバックアップ用途に特化した「Pogoplug Cloud」

 Bitcasaは機能が豊富で、ミラーリングなどのほかにもファイルバージョン管理など、「使いこなす」ための余地が多い点が特徴だ。その半面、こなれていない部分も散見される。例えば、ファイルバージョン管理で時刻を以前に戻すと、そのことが画面上で確認ができないために混乱を招く、ファイルの内容が更新された場合は同じ名前のファイルが複数表示されるにも関わらず、プレビューでは同じ内容が表示されてしまうなど、ほとんどバグと言ってもいい不具合がある。

 一方、Pogoplug Cloudは「オンラインストレージを扱いやすくした」という印象で、バックアップ用として考えれば使いやすい。しかし、転送速度はかなり遅く、ローカルドライブの代替として使えるものではない。料金もBitcasaはPogoplug Cloudの約2倍なので、用途を考えたうえでどちらを選ぶかを決めるべきだろう。

 そして、大容量オンラインストレージサービスとして両者をとらえた場合、データロストなどの可用性を考えることと同じく意識しなければならないのがサービスの持続性だ。Bitcasaにしろ、Cloud Enginesにしろ、若い会社だ。この先どれくらいの期間に渡ってサービスを提供し続けられるのか、という不安はつきまとう。また、「容量無制限」というのは提供側の予想をはるかに越える状況を生み出しやすい。会社の存続だけではなく、利用量に合わせた従量制となったり、上限が設けられたりする可能性も決して低くはない。かつてのHP Uplineも然りだが、携帯電話やスマートフォンの帯域制限など、類似のケースは今まで数多くある。

 バックアップストレージとして利用する限りはオンライン上のデータ/ファイルはすべて手元にもあるため、破棄すればいいだけの話だ(もちろん、データ破棄が適切に実施されるかは別の問題だが)。しかし、オンライン上に「しか」ないデータはあきらめるか、引き上げるかのどちらかを選択しなければならない。

 手元のデータのバックアップとして活用するとともに、ロストしてもそれほどの痛手はない編集前の各種生データやHDDの肥やし、旧バージョンのソフトウェアの保存に使うなど、長期保存についてはリスクとメリットを踏まえたうえで利用方法を考えたい。

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