「Windows 8.1」詳細機能を公開──バルマー氏基調講演フォトリポート:BUILD 2013(1/2 ページ)
Microsoftの開発者向け会議「BUILD 2013」が米国サンフランシスコで始まった。本稿では速報として、同日行われた同社CEOスティーブ・バルマー氏による基調講演の模様をフォトリポート形式で紹介していく。
タブレットからデスクトップまで、細かい改良が目白押しの「Windows 8.1」
2013年のBUILDにおける最大の目玉は、やはり次期アップデートとなる「Windows 8.1」だ。Windows 8.1そのものは2013年6月初旬に行われた台湾でのCOMPUTEX TAIPEI 2013と、米ルイジアナ州ニューオーリンズで開催されたTechEd North America 2013でプレビューが公開され、さらにMicrosoftの公式Blogなどで概要が語られている。
ただ、COMPUTEXがOEM、TechEdは企業顧客ユーザー向けのイベントであったのに対し、BUILDはアプリやハードウェアのエコシステムを支える開発者向けのイベント。より開発者にフォーカスした詳細な情報が公開されるという点でほかと異なっている。そのため、前者2つのイベントでは簡単なデモと概要が紹介されるにとどまっていたが、今回のBUILDでは実際にアプリ開発や検証が行えるPreview版が正式に配布された。
Preview版は同社サイトで一般向けのダウンロード配布が開始されたほか、同OSの最新バージョンとOfficeをプリインストールしたSurface Proが来場者に配られた。ある意味でWindows 8.1の正式お披露目の場だといえるだろう。
基調講演で壇上に立ったバルマー氏は、このWindows 8.1時代のMicrosoftのデバイス戦略について説明した。同氏はタッチ操作への対応を前面に押し出しており、“2-in-1”と呼ばれるタブレットを含む新しいPCのフォームファクタのほか、ノートPCからオールインワン(AIO)なモデルまで、既存のすべてのPCにタッチ操作を持ち込むことを主眼に入れたと説明する。
また新たなフォームファクタとして、最近になりNexus 7やiPad miniで盛り上がっている7型程度〜10型未満の中小型タブレットを挙げており、この市場に注力することが重要だとした。これは10型以上が主力だったWindows市場において、大きな戦略上の転換点だろう。このサイズでは画面構成やタッチUIのさらなる最適化が重要となる。一連のデモの中で紹介されたポートレートモード(縦置き)やソフトウェアキーボードの改良、画面分割の柔軟化は、この変化に対応したものだといえる。
デスクトップや大画面PCを利用するユーザー向けの改良も進んでおり、デスクトップ画面でのスタートボタンの復活や(動作は異なるが)、起動時のデスクトップ画面表示などはその典型だ。また先ほどの画面分割機能での大量の情報表示、マルチスクリーンでのアプリケーションごとのDPI設定は、高解像度ディスプレイで作業するユーザーには朗報だろう。いずれにせよ、全方面のユーザーに嬉しい細かい改良が進んでいるというのがWindows 8.1の特徴だといえる。
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