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“Excavator”採用のAMD新世代APU「Carrizo」を掘り下げる2020年には電力効率を25倍に(1/3 ページ)

AMDがシンガポールで行ったプライベートイベントでは、2015年に投入する新技術の発表や、2020年を目指した開発目標をアピールした。

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スクエアエニックスとの共同マーケティングモデルでMSIのゲーミングノートPCも

 AMDは、2014年11月20、21日の両日、シンガポールのW Singapore Sentosa Coveにおいて、同社製造パートナーと報道関係者を対象に、アジア太平洋地域のマーケティング戦略や次世代製品情報などを開示するプライベートイベント「Future of Compute」を開催した。

 20日に掲載した速報の通り、このイベントでは、AMDの次期APUや、高解像度ディスプレイにおける高品質表示を実現する「FreeSync」技術の市場投入などを、世界で初めて明らかにした。この記事では、その次期APUやFreeSyncを中心に紹介していく。

 AMDが「APJ」(Asia Pacific and Japan)と呼ぶ、中国、および、香港と台湾を除くアジア太平洋地域のビジネスを統括するデビット・ベネット氏は、1GHz CPUの投入、64ビット命令の拡張、CPUにおけるクアッドコアなどのマルチコア化の加速で、AMDは常に市場の最先端を走ってきたとこれまでの実績を訴えた上で、こうした流れは、今後「HSA」(Heterogeneous System Architecture)の実現によって、さらに加速するだろうという見通しを示した。

 ベネット氏は日本国内におけるスクエアエニックスとの共同マーケティングや、GPUで日本独自モデルとなった「Radeon R7 250XE」の投入など、各国ごとに独自のマーケティングを展開してきた事例を紹介した。今後、同様の協業を加速することで、世界全体のGDPのうち40%を占めるAPJ地域における市場拡大を図っていく意向を示した。

APJのマーケティング戦略などを説明するデビッド・ベネット副社長は(写真=左)、AMDがこれまでに成し遂げてきた、PC市場における“世界初”の革新的な出来事を振り返った(写真=右)
スクエアエニックスの齊藤陽介氏は(写真=左)、AMDとの共同マーケティング事例を紹介した(写真=右)

スクエアエニックスとの共同マーケティングモデルとして、MSIの「MSI GX70 3CC DESTROYER」を展示していた(写真=左)。AMDは、今後も、各国で独自のマーケティングや製品展開を図って、市場拡大を進めていく意向を示した(写真=右)

HSAにフル対応するCarrizoで可能になること

 AMDでAPUなどの技術開発を指揮するジョー・マクリ副社長は、CPUとGPUの緊密な連携を実現するHSAの現状を説明するとともに、HSAのフル機能を実現する次世代APU“Carrizo”(カリッゾ:開発コード名)の概要を明らかにした。

Carrizoの概要を説明するジョー・マクリ副社長は(写真=左)、HSAのサポートにより、APUが今後のコンピューティング市場における革新を牽引していくと説明する(写真=右)

 次期モバイルAPUとなる“Carrizo”は、CPUコアに“Bulldozer”(ブルドーザ)、“Piledriver”(パイルドライバー:杭打ち機)、“Steamroller”(スチームローラー:ローラー車)と進化してきたモジュラーコアの第4世代となる“Excavator”(エクスカヴェータ:パワーショベルなどの掘削機)アーキテクチャを採用し、最大4基のx86コアと次世代のRadeonグラフィックスコアを統合する。

CPUコアアーキテクチャのロードマップ。Carrizoに採用したExcavatorは、Bulldozerに始まるモジュラCPUコアアーキテクチャの第4世代だ

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