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一度手にすればきっと驚く――約798gで世界最軽量2in1の11.6型「LAVIE Hybrid ZERO」に迫るLTE対応SIMスロット搭載(3/5 ページ)

NECパーソナルコンピュータの「LAVIE Hybrid ZERO」シリーズは、とことん軽量を追究したノートPCだ。2016年春モデルとしてラインアップに加わった11.6型モデルの実力をチェックしてみよう。

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キーボードとタッチパッドの使い勝手

 キーボードは、キー同士が離れているアイソレーションタイプの日本語JIS標準配列85キー仕様だ。主要キーのサイズは実測で13.25(横)×13.25(縦)ミリと小さめながら、キーピッチは17.5ミリを確保する。キーストロークは1.2ミリと若干浅い仕様だ。実際にタイピングしてみると、キーの剛性は高く、スイッチの反発も適度、下押しによる筐体のゆがみもほとんど感じない。キーボードはチルト機構を備え、実測値で約3.5度傾斜する。広めのパームレストとあいまってキータッチは良好だ。

 タッチパッドは左右ボタン一体形のELAN製NX PADを採用。タッチパッドのサイズは77(横)×44(縦)ミリ(実測)とコンパクトながら、クリック感や滑りも良好で意外にも使い勝手がよい。「Fn」+「スペース」キーでパームリジェクションのオン/オフが設定できる点も評価できる。

キーボード
キーボードはアイソレーションタイプ。タッチパッドは小さめだ

 クラムシェルスタイルで使ってみると、膝の上でも安定して利用できた。筆者が特に歓迎したいのは、タブレット本体がスタンド式でないことだ。新幹線や飛行機など、前の座席のリクライニングによって上側がより圧迫される(三角形の極めて狭いスペースにも)設置できるのはうれしいところ。スタンド式のタブレットでは、スタンドが浮いてしまい、固定できないシーンもあったが本モデルであれば問題ないだろう。

IGZO液晶タッチ対応ディスプレイはsRGBの100%を実現

 11.6型ワイド液晶ディスプレイは、非光沢のシャープ製“IGZO”パネルを採用する。解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)で、画素密度は約190ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)、静電容量方式で10点マルチタッチ対応となる。HWiNFO64によるディスプレイ情報では「シャープ製SHP1458(2015年製造)」と表示された。ディスプレイ表面には強化ガラスを使わず、ハードコーディングを施したPETフィルムを用いて軽量化が図られている。

11.6型ワイド液晶ディスプレイ
フルHD(1920×1080ピクセル)の11.6型ワイド液晶ディスプレイ

 内部構造はタッチフィルムと液晶パネルを直接接着するダイレクトボンディング方式で、新規に「FF2(Film-Film)」というシンプルな構造を採用した。従来よりも80%軽量で厚みも約66%減らせたという。早速ディスプレイの実力をチェックしていこう。

 筆者の第一印象は、照明の映り込みが少なく発色も良い見やすいディスプレイといったところだ。「タッチ画面=光沢で映り込みがある」というイメージを払拭するほど好感が持てた。実際、ディスプレイキャリブレーションツール「Datacolor Spyder5PRO」による測定結果は、AdobeRGBは79%、sRGBでは100%を達成していた。

色域
11.6型「LAVIE Hybrid ZERO」のディスプレイ色域

 タッチ対応で薄さと軽さを両立しながら、広い色域の実現には驚く。一方、画面中央部の最大輝度は162.8カンデラ/平方メートルと控えめな結果となった。屋内では快適そのものだが、屋外で利用シーンを考えると、やはり画面の明るさが少し足りない。明るさよりも軽量化のために小型バッテリー採用しながら長時間のバッテリー駆動を目指した結果だろう。軽量化とトレードオフなので仕方ないが、やはり倍程度の300カンデラ/平方メートルは欲しいところだ。

 次にタッチ操作だが、フィルム面の滑りが良く操作性は良好だ。剛性感もあり、反応も良い。ベゼルと液晶パネルに段差はあるが、面取りされていてスタートボタンや各種インジケータなどの隅にあるアイコンも問題なくタッチできる。ただし、液晶面はフィルムなので、指紋が付着しやすいのが気になった。同社のマニュアルによれば、乾いた布でやさしく拭く方法を推奨しているのだが、指紋は正直取りづらい。もっとも、頻繁にタッチ操作をせず、クラムシェルスタイルでの利用率が多いのであれば問題ない項目だろう。

 これも細かいところだが、ベゼルの幅が上下左右で異なっているのは少し気になった。ベゼル幅はそれぞれ実測で上部が18.4ミリ、下部が26.2ミリ、左側が15.8ミリ、右側が17.8ミリであった。左側ベゼルがわずかにタイトな仕様で、設計の試行錯誤が垣間見えるところだ。

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