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エントリー向けNASキット4製品を徹底比較 クラウド連携・リモートアクセス編2017年春はこれを買う!(3)(5/5 ページ)

各社から発売されている2ベイのNASキット4製品を用意し、セットアップから実際の使い勝手に至るまで、スペック表だけでは分からない違いを徹底比較。第3回となる今回は、「クラウド連携」「リモートアクセス」の2つのポイントをチェックする。

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まとめ:2017年春、最強の「エントリー向けNASキット」は?

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 ここまで7つのテストの結果は以下の通り。本来であれば合計点や平均点を出すところだが、ユーザーによっては何より速度が優先だったり、一通りの機能がそろっていればあとは組み立てやすさが第一だったりと、項目ごとの重要度はユーザーによって異なる。ここでは合計点および平均点は掲載しない。1つの参考として見てほしい。

モデル名 Synology「DS216j」 QNAP「TS-231P」 ASUSTOR「AS3102T」 アイ・オー「HDL2-AA0/E」
その1:組み立て 4 4 5 4
その2:セットアップ 5 3 4 1
その3:読み書き速度 3 4 5 3
その4:動作音 4 2 3 5
その5:バックアップ設定 5 3 3 3
その6:クラウド連携 5 4 4 2
その7:リモートアクセス 5 3 未評価 3

 「これらの中からベストバイを1製品選ぶならばどれか?」── といわれると、やはりSynologyの「DS216j」になるだろう。高度な設定が可能な一方で、初期設定時に煩わしさを全く感じさせないインタフェースが秀逸だ。

 メモリ搭載量は512MBと他製品に比べて多くはないが、(QNAP「TS-231P」は1GB、ASUSTOR「AS3102T」は2GB)、今回のように直接ベンチマークで比較をしない限り、まず分からないレベル。価格も多くのショップで2万円を切るなど、コストパフォーマンスも抜群だ。

 あえてネックを挙げるとすれば、上位モデル「DS216+II」との価格差が売価ベースで約2倍と開きすぎているところ。もう少し予算をかけてもいいのでハードウェアスペックが潤沢なモデルが欲しいという場合に、うまくハマる選択肢がないことだろう。

 DS216+IIとの中間にあたるグレードのモデルが投入されれば、なお選びやすくなりそうだが……。

 次点はQNAP「TS-231P」となる。機能的には遜色がないにもかかわらず、設定画面の分かりづらさでかなり損をしている印象だ。今回のクラウド連携およびリモートアクセスがそうであるように、Synologyであればオプション扱いの設定項目まで全てウィザードの中で見せていくフローになっている。

 機能の意味を理解しているパワーユーザーにとっては親切でも、エントリー向けとするには少々つらく、エントリー向けのベストバイには推しにくい。直訳調の日本語が多いのも初心者向けではなく、中上級者向けの製品という評価になるだろう。

 ASUSTOR「AS3102T」は設定画面は簡潔だが、これは単に設定項目がないためで、複雑になりようがないという事情によるもの。ある意味エントリー向けではあるのだが、使い込んでいくうちに不自由さを感じやすいのもまた事実。Synology、QNAPに次ぐ評価とならざるを得ない。

 アイ・オー「HDL2-AA0/E」は、性能よりもむしろセットアップのしやすさやインタフェースの使いやすさが課題で、あえて他の3社と比べなくとも、使っていてストレスを感じる要素が山積みだ。NASキットとしては第一世代ということで、今後の製品での進化に期待したい。価格が2万円を切るところまで下がっている点だけは評価できる。

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