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新型の第8世代Coreで何が変わる? ポイントを解説(2/3 ページ)

デスクトップでは低価格の選択肢が拡大、ノートは全般で性能が大幅向上。

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ノートPC向けでは6コア・12スレッドのCore i9。Iris搭載の「U」SKU Coreも

 ノートPC向け第8世代Coreラインアップでは、Core i9の追加が最も大きな話題だろう。Core i9-8950HKは、6コア・12スレッドのCPUで、従来のノートPC向けで最大だった4コア・8スレッドを超え、デスクトップ向けの第8世代Core i7と並んだ。


ノートPC向けで6コア・12スレッドに対応

 従来から「HK」SKUはデスクトップPCのLGA 115x系CPUと同じコア・スレッド数のモデルに用いられていたため、ここは変わらない。それでも従来はCore i7の枠で「HK」SKUが展開されていたが、今回はそれがCore i9に昇格されたことになる。「HK」SKUであるため、オーバークロックにも対応する。


Core i7の上、Turbo Boostのプラス機能であるThermal VelocityBoostに対応するCore i9が追加された。なお、Intel Wireless-ACやUSB 3.1 Gen2がIntel 300シリーズチップセット側に統合された点も新しい

 厳密にいえば、デスクトップ版の6コア・12スレッド対応第8世代Core i7を搭載するノートPCも販売されているが、それらはTDPが95Wや65Wであるため冷却機構が大型化し、ノートPCというよりもラップトップクラスの分厚いものだった。

 Core i9-8950HKは、TDP 45Wと、ノートPC向けとしては最大クラスの熱量だが、それでもゲーミングノートPCとして見れはスタンダードな厚みに収まるパッケージで展開されることが期待できる。

 また、Core i9-8950HKでは、Intel Thermal VelocityBoost機能が搭載される。ここが新規機能だ。第8世代CoreではTurbo Boost 2.0が搭載されており、コアの温度に余裕のあるときにブースト、つまりオーバークロック(OC)がかかる。

 Core i9-8950HKも、Turbo Boost有効時には4.6GHzまでブーストされるが、Intel Thermal VelocityBoost機能では4.8GHzに達する。Intel Thermal VelocityBoost機能については、プロセッサが50℃以下にあるとき、自動的に200MHzブーストさせる機能とされ、その持続時間については冷却性能に依存する。こうした条件があるものの、瞬間的にはデスクトップ版のCore i7-8700Kの最大4.7GHzを少し超えることが可能なわけだ。


Thermal VelocityBoost機能でプラス200MHzされると、Core i7-8700Kの4.7GHzを100MHz上回る動作クロックになる

 一方、50℃以下というのはノートPCでは、ハイエンドCPUを搭載しつつスリムも追求するようなモデルにはなかなか難しい条件でもある。積極的に冷やすということは、動作音と比例関係にある。そうした条件をクリア、性能と静音性を両立できる技術が登場するのか注目される。


Core i9-8950HKおよび以降で説明する「H」SKUプロセッサのスペック

 Core i7以下のノートPC向け第8世代Coreを見ると、「H」SKUと「U」SKUが追加された。「H」モデルはTDP 35W枠の通常モデルに位置付けられる。Core i7-8850Hおよびi7-8750Hは、6コア・12スレッド対応だ。Core i9だけが6コア・12スレッドというわけではない。TDPは45WなのでCore i9と変わらないが、価格は抑えられる。

 そしてCore i5-8400Hおよびi5-8300Hについては4コア・8スレッド対応に対応する。2017年にリリースされた第8世代Core i5と変わらないが、第7世代Core i5からは倍増している点で価値がある。


「U」SKUプロセッサの機能ハイライト。Iris Plusの採用で、グラフィックス性能が大きく向上することが期待できる

 一方、Core i7からCore i3まで4モデルが加わった「U」SKUは、従来の第8世代Coreの「U」SKUモデルとは少し異なる。それは、統合GPUに「Intel Iris Plus Graphics 655」を採用しているところだ。

 2017年に発表された通常の「U」SKUに搭載されている「Intel UHD Graphics 620」との違いは、EU(実行ユニット)の数に加え、eDRAMを搭載している点にある。eDRAMは統合GPUでメインメモリをグラフィックスメモリに割り当てる際のキャッシュとして働き、3Dグラフィックス性能を底上げする。

 GPUとしての性能は、通常の統合GPU以上、かつディスクリートGPUに届かない程度だが、負荷の低いゲームであれば通常の統合GPU以上に遊べるタイトルが増えるだろう。


「U」SKUプロセッサのスペック

 1つ注意したいところは、Core i7の「H」SKUは6コア・12スレッド、「U」SKUは4コア・8スレッドであるところだ。さすがに「U」SKUで6コアは難しかったのだろう。

 「H」SKUはコア数が多いものの、統合GPUは従来同様、Intel UHD Graphics 630になるため、どちらかといえばディスクリートGPUを組み合わせたゲーミングノートPC向け、「U」SKUは4コア・8スレッドにとどまるが、Iris Plus Graphicsで強力な統合GPUであるため高性能なスリムモバイル向けといった用途に分けられそうだ。なお、Core i5の「U」「H」SKUは4コア・8スレッド、Core i3の「U」SKUは2コア・4スレッドになる。

 これまでゲーミングノートPCで4コア・8スレッドの製品といえばハイエンドモデルの位置付けだった。今後Core i5以上が搭載されていれば4コア・8スレッド以上となり、ゲーミングノートPC全般でパフォーマンスの底上げが起こるはずだ。

 また、スリムモバイルPC向けの「U」SKUのCore i7、i5では、4コア・8スレッド化に加えIris Plusによる統合GPUパフォーマンスの向上が大きなポイントになるだろう。Core i3の「U」SKUも、Iris Plusが利用できる点で性能向上が期待される。いずれにせよ、今回登場した第8世代Coreのラインアップにより、ノートPC全般でパフォーマンスが底上げされることは間違いなさそうだ。


モバイルでもIntel Wireless-AC機能の強化でネットワーク速度が向上する

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