ついに来た次世代GPU! 「GeForce RTX 2080 Ti」「同2080」の性能を確かめる(1/6 ページ)
新機能は期待できるがコスパは悪い? 「GeForce RTX 2080 Ti」および「GeForce RTX 2080 」の性能をベンチマークテストで明らかにしていこう。
ついにGeForce RTXシリーズがやってきた。早速「GeForce RTX 2080 Ti」と「GeForce RTX 2080」の性能をベンチマークテストで確かめていこう。
機能面についてはここではごく簡単に触れ、詳細は別記事の説明を参考にしてほしい。そして現時点で試せるもの、後日対応予定で試せないものがある点もご了承いただきたい。このレビューはあくまで現時点(9月20日時点)でのものだ。
GeForce RTX 2080 Ti、2080、2070は、製品名の通りGTXからRTXに変わった。RTXの名は、今回実装された新機能「RT Core」を指し、レイトレーシングに対応したことからついたようだ。
レイストレーシングはMicrosoftのDirectXでも採用が進む3Dグラフィックスの、主に光の反射などをよりリアルに表現する機能。映画などの3Dレンダリングで用いられてきたが、処理に時間がかかるためにゲームグラフィックスでは用いられてこなかったものだ。
もう1つ新機能として、Voltaで採用された「Tensor Core」を利用する「DEEP LEARNING SUPER SAMPLING」(DLSS)が加わった。機械学習的なプロセスで、GPUがレンダリングした画像に対し超解像化やノイズ除去を行った上で最終出力する。これまではGPUコアを用いたアンチエイリアス処理により高画質化してきたのに対し、AIともいえる処理で画像を高画質化する。アンチエイリアスよりも処理が軽く、高画質だという。
このように機能面で大きく変わったRTX。内部もいろいろと変更されている。製造プロセスはGeForce GTX 1000シリーズが16nmだったが、GeForce RTX 2000シリーズでは12nm FFNを用いる。もっとも、GeForce GTXに降りてこなかったVoltaで採用されていたので、(ギリギリコンシューマー向けと言えなくもない)「TITAN V」を入手した方からすれば同じだが、いちおうGeForceとしてはRTXでシュリンクされたことになる。
GPU | RTX 2080 Ti(TU102) | GTX 1080 Ti(GP102) | RTX 2080(TU104) | GTX 1080(GP104) | RTX 2070(TU106) | GTX 1070(GP104) |
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GPC | 6 | 6 | 6 | 4 | 3 | 3 |
TPC | 34 | 28 | 23 | 20 | 18 | 15 |
SM | 68 | 28 | 46 | 20 | 36 | 15 |
CUDA Core/SM | 64 | 128 | 64 | 128 | 64 | 128 |
CUDA Core/GPU | 4352 | 3584 | 2944 | 2560 | 2304 | 1920 |
Tensor Core/SM | 8 | ー | 8 | ー | 8 | ー |
Tensor Core/GPU | 544 | ー | 368 | ー | 288 | ー |
RT Core | 68 | ー | 46 | ー | 36 | ー |
ベースクロック | 1350 | 1480 | 1515 | 1607 | 1410 | 1506 |
ブーストクロック | 1545 | 1582 | 1710 | 1733 | 1620 | 1683 |
メモリ種類 | GDDR6 | GDDR5X | GDDR6 | GDDR5X | GDDR6 | GDDR5 |
メモリ容量 | 11GB | 11GB | 8GB | 8GB | 8GB | 8GB |
メモリバス幅 | 352bit | 352bit | 256bit | 256bit | 256bit | 256bit |
メモリデータレート | 14Gbps | 11Gbps | 14Gbps | 10Gbps | 14Gbps | 8Gbps |
メモリ帯域 | 616GB/s | 484GB/s | 448GB/s | 320GB/s | 448GB/s | 256GB/s |
ROPs | 88 | 88 | 64 | 64 | 64 | 64 |
テクスチャユニット | 272 | 224 | 184 | 160 | 144 | 120 |
トランジスタ数 | 18.6 | 12 | 13.6 | 7.2 | 10.8 | 7.2 |
ダイサイズ | 754 | 471 | 545 | 314 | 445 | 314 |
プロセス | 12 | 16 | 12 | 16 | 12 | 16 |
TDP | 250 | 250 | 215 | 180 | 175 | 150 |
プロセスがシュリンクされるタイミングでは、大幅な変革があるものだ。RT CoreやTensor Coreはその1つ。また、パフォーマンスや消費電力も変わる。CUDA CoreはRTX 2080対GTX 1080比で15%増、RTX 2080 Ti対GTX 1080 Ti比で21%増加した。ただし、トランジスタ数自体は同88%増、55%増だ。トランジスタ数の多くはRT CoreやTensor Coreに割いていると考えられる。
メモリに関しては、GDDR5XからGDDR6へ、RTX 2070に関してはGTX 1070のGDDR5からGDDR6へと変わった。データレートも向上している。この他、テクスチャユニット数も増えているので、この辺も期待できそうだ。
消費電力はRTX 2080 Tiについては250W枠のまま変わらないが、RTX 2080はGTX 1080時の180Wから215Wへと増加した。RTX 2070もGTX 1070の150Wから175Wへと増加している。xx80およびxx70クラスのモデルを使用中の方がアップグレードを検討する場合、電源出力の見直しを必要とする可能性が多少あるかもしれない(ファウンダーズエディションはそれぞれ+10W)。
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