マウスの各ブランド担当者がオススメ構成を解説 冬ボでPCを買うならこれを選べ!(1/2 ページ)
マウスコンピューターの製品ブランド「マウスコンピューター」「G-Tune」「DAIV」を担当する3人がイチオシPCをピックアップ。それぞれの特徴やこだわりを聞いた。
2018年も師走を迎え、社会人ならボーナス、学生なら冬休みという、PCを買うのに最適なシーズンがやってきた。予算やパーツ構成など、今からいろいろと悩んでいる方も多いはずだ。しかし、BTOメーカーの販売サイトをのぞいてみても、そこには数多くのモデルがずらりと並んでいる。一体どれがお得なのか、どれを買うべきか……。そんな読者に向けて、今回はマウスコンピューターの各ブランド担当者に、この冬オススメの1台とその理由を聞いた。
最初にマウスコンピューター傘下のブランドについて説明しておこう。マウスコンピューターには幾つかのブランドがあり、それらはターゲットとする用途によって分かれている。例えば、PCゲームを楽しみたいなら「G-Tune」という具合だ。その点で、目的さえ決まっていれば他のメーカーよりも製品を選びやすい。
まず中核となるのが「マウス」ブランド。乃木坂46のCMでもおなじみとなったチーズやネズミをイメージしたロゴがトレードマークだ。低価格PCから高性能PCまで広くカバーしているが、とりわけコストパフォーマンスを重視している。とりわけマウスの「LUV MACHINES」はコスパのよいPCの代名詞的存在であり、限られた予算の中で最大限高性能なPCを求める人に向く。
2つ目が前述の「G-Tune」。G-TuneはゲーミングPCのブランドということで、グラフィックスカード搭載モデルが中心だ。マウスコンピューターブランドのPCでもグラフィックスカードの選択肢は豊富だが、G-TuneのPCならさらに高性能なカード搭載モデルを選択できる。そしてグラフィックスカードだけでなく、プラットフォームとしても、いわゆるエンスージアスト向けといわれるCore X CPU+Intel X299チップセットなどが用意されている。ケースのデザインにもこだわっており、ハイエンドなゲーミングPCをお望みならG-Tuneが適している。
そして3つ目は「DAIV」。DAIVはクリエイター・エンジニア向けブランドで、個人・プロ問わずCGや3Dプリンタ用のCAD、映像編集・写真編集やDTMといった用途を想定している。こうした分野では、より高い処理性能が必要になるため、G-Tuneのマシンとシステム構成で一部競合する部分もあるが、G-Tuneと比べるとややCPU性能を重視する傾向にある。そして本体のデザインや機能面でもクリエイター向けの味付けがされている。
さて、それでは3つのブランド担当者によるこの冬イチオシのPCを紹介していこう。
マウスが選ぶ「オールマイティーで超コスパのスタンダードPC」
- オールラウンドにコスパが良い
- AMD製CPUなら税別10万円台で8コアモデル
- GeForce GTX 1050で足回りを強化
- AMD B350マザーで価格を抑えつつ機能を確保
製品名: | LUV MACHINES AG350S5D |
---|---|
OS: | Windows 10 Home 64ビット |
CPU: | AMD Ryzen 7 2700 |
メモリ: | DDR4-2400 8GB |
HDD: | 1TB |
光学ドライブ: | DVDスーパーマルチ |
グラフィックス: | GeForce GTX1050(2GB) |
電源: | 500W 80PLUS Bronze |
販売価格: | 10万6800円(税別) |
マウスブランドを担当する小林氏のオススメPCは「LUV MACHINES AG350S5D」。コスパのよいLUV MACHINESということで、スタンダードな使い方に向けた提案だ。
LUV MACHINESにも豊富な選択肢があるが、このAG350S5DはAMD Ryzen 7 2700搭載モデルとなっている。小林氏いわく、「2018年は8コアCPUが広く浸透した年」。その中で「AMDはメニーコアのリーダー」と評している。8コアCPUはIntelも投入しているが、「現在Intel CPUが全般的に高価」という流れにあるという。
小林氏は「第8世代のCore i7-8700を選ぶと本製品よりもプラス1万円、第9世代の8コアCPU Core i7-9700Kを選ぶとマザーボードも含めプラス2万円くらい高くなってしまう点」を指摘。コスパを追求するLUV MACHINESとしてはここがネックになる。
その上でマウスコンピューターならBTOを駆使して「この1万円、2万円の予算をカスタマイズにまわせばさらに高性能にできます」と話す。10万円の予算であればベースモデルを選べばいいし、Intel製8コアモデルを購入できる予算があれば、その差額でRyzen 7モデルをBTOで強化し、さらにパフォーマンスを引き上げてみようという提案だ。
例えば、小林氏がオススメするカスタマイズを挙げると、1つ目はメモリを8GBから16GBへと変えること、2つ目はSSDの容量アップやより高速なものへの交換することとのことだ。主に足回りを中心にさらにレスポンスを向上させ、より長く快適に使えるようなBTOカスタムを提案している。
もう1つのポイントはGeForce GTX 1050搭載グラフィックスカードを搭載していること。Ryzen 7 2700は統合GPUがないため、グラフィックスカードは必須。価格だけで見ればより安価なGeForce GT 1030などもあるが、高性能なCPUとのバランスを考慮して、GeForce GTX 1050を選択している。そしてGeForce GT 1030の場合はごく簡単なゲームが低解像度で楽しめる程度の性能だが、GeForce GTX 1050なら軽いゲームはフルHDで、一般的なゲームもHDならある程度楽しめる性能になる。小林氏は、「この構成なら仕事からエンタメ、ちょっとしたゲームまで幅広くこなすオールラウンダー」と自信を見せる。
最後にマザーボードのチップセットにAMD B350を採用した理由も聞いた。AMD B350は、上位にAMD X470、下位にAMD A320があるミドルレンジ。小林氏は、「AMD B350はAMD X470と比べても機能差が小さく、AMD A320と比べるとUSB 3.1のポート数などでメリットがあり、コスパの面でベストなチップセットだと思う」とコメント。ケースのデザインもスタンダードでクセがなく、マイクロATXというコンパクトさと拡張性を備えたサイズ感もポイントだという。
G-Tuneが選ぶ「冬の大作ゲームを4K解像度で遊ぶ無敵PC」
- 最新かつ最上位のグラフィックスカード
- 最新世代の高性能CPU
- ATXミドルタワーで拡張性も高い
- 性能・機能の両面で長く使える
製品名: | NEXTGEAR i690PA1-SP2 |
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OS: | Windows 10 Home 64bit |
CPU: | インテル Core i7-9700K |
グラフィックス: | GeForce RTX 2080 Ti |
メモリ: | 16GB PC4-19200 |
M.2 SSD: | 256GB Samsung PM981 NVMe対応 |
HDD: | 2TB |
電源: | 800W(80PLUS TITANIUM) |
販売価格: | 28万9800円(税別) |
G-Tune担当の安田氏がオススメするPCは「NEXTGEAR i690PA1-SP2」。G-Tuneの主力といえるNEXTGEARシリーズの高い拡張性と、比類なきパフォーマンスを追求したモデルだ。
安田氏がGeForce GTX 2080 Tiを選んだ理由として、「この冬に出てくる大作ゲームを存分に楽しめる」ことを挙げている。多くのゲームメーカーがクリスマスシーズンをターゲットに新作をリリースする。冬休みはそれを存分に楽しみたいという方に向けたPCである。
GeForce RTX 2080 Tiだが、現在コンシューマー向けのRTXシリーズとしては最上位のGPUだ。安田氏がこのPCでターゲットにしているのは「4Kゲーミング」。「高精細な4Kディスプレイでゲーム本来のグラフィックスを楽しもうとすれば、RTXの上位モデルでなければ快適さは得られない」という。
これに組み合わせるCPUは、Intelの第9世代Core「Core i7-9700K」だ。1つ上にCore i9-9900Kもあるが、安田さんによればそこは使い方次第とのこと。「ゲームだけでなく配信をするならばCore i9-9900Kも視野に入れたい」が、ゲームプレイに限れば「Core i9-9900Kはちょっともったいない」とか。
それではゲーム配信まで考えると、BTOで何をカスタマイズした方がよいだろうか。「CPUは先ほどの通りCore i9-9900K、メモリも16GBあるので配信にも対応する」が、「あえて言うならメモリをより高速なPC4-21300(DDR4-2666)に変更したい」とのことだ。確かにベースモデルのメモリはPC4-19200(DDR4-2400)であり、CPUやマザーボード側がサポートするものよりも1つ下のグレードになっている。
その他にも、NEXTGEAR i690PA1-SP2のポイントとして2つほど挙げている。1つはSSD。Cドライブ用にNVMe対応のM.2 SSDを採用しており、OSの起動が高速だ。その上で、例えば「10GBを超えるような読み込みの多いタイトルをCドライブのNVMe SSDにインストールすれば、ワールドの読み込み時間も短縮できる」と指摘する。ベースモデルではCドライブのみSSDで容量256GBだが、BTOカスタマイズではより大容量のモデルへの変更、Serial ATA接続のSSDの追加などが可能であり、「ゲームデータ用のDドライブもSSD化すればさらに快適になる」とのことだ。
2つ目はケースのデザイン。NEXTGEARは2018年7月にリニューアルしており、現在のトレンドを盛り込み、ゲーマーの求めるニーズをくみ取ったデザインへと生まれ変わった。特にNEXTGEARはゲーミングPCであるため、同社がゲーマーにアンケートを行っているとのこと。フラットなデザインとマットなカラー、ミドルタワーであるため床置きを想定してインタフェースを本体上部にレイアウトし、HDMI端子を前面に引き回せるユニークな設計になっている。そしてLEDによるハデな演出はあくまでオプション扱いといったところもポイントになる。
NEXTGEARのリニューアルでは、同時期にmicroATXのNEXTGEAR MICROでも行われている。昨今microATXのNEXTGEAR MICROも人気なのではと聞いてみたが、「今回はよりハイスペックのものを選んだ上で、拡張性の高いものの方が長く使えるのではないか」と理由を説明。拡張性で異なるのは拡張スロットの本数と、ストレージの搭載数になる。拡張カードを利用する機会は減ってきているが、今後どのようにトレンドが変わるのか分からない。また、ゲームをたくさんインストールしていくとストレージを増設する機会も多い。そのストレージを内蔵したいなら、よりベイ数の多いATXミドルタワーのNEXTGEARがベストということだ。
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