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そのスマホ、形見になる? 供養される? 第3回「デジタル遺品を考えるシンポジウム」レポート(3/3 ページ)

故人のデジタルデータはどう扱うべきだろうか。

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議題3:じゃあ、1年後はどうなっていると思う?

 さらに近未来の2020年3月。英仏がデジタル課税に踏み切り、米国ではカルフォルニア州が消費者プライバシー法をスタートさせている。GAFAをはじめとする個人情報を活用するIT企業は新たな対応を迫られているはずだ。国内では消費増税のシーズンにキャッスレス化がさらに促進され、情報銀行の本格稼働もみられるだろう。

 伊勢田氏は「個人情報に関する取り扱いは厳しくなっていくと思いますが、世の中の風向きが変わると感じるには1年じゃまだ短いかなと思います」と予想する。国としての計画についても、上谷氏が「省庁の動きをみていると、国内の個人情報を守るというところに一生懸命で、遺品という領域にはまだ目がいっていないと感じます」と話していた。

 おそらく従来のデジタル遺品対策を覆すような大きな変動はなさそうだ。ただし、その後に続く前兆のようなものは各所にみられる可能性があり、「アンテナの感度を高めて見守るのが良さそうですね」(古田氏)という発言に会場全体がうなずいた。

 その一方で、「この1年の動きをみると、世間のデジタル遺品への関心はますます高まるでしょう」(岡澤氏)という側面も会場全体が同意していたように感じる。


「故人が残したサイトとの向き合い方は良い方向で変わっていくかも」という視点も

 閉会の17時を少し越えてシンポジウムは終了した。主催の古田氏と伊勢田氏は第4回の開催への意欲を表に出しており、1年後の2020年3月にも新たなテーマでデジタル遺品の問題が論じられると思われる。再びアイティメディア セミナールームが満員になることを期待したい。


左から、古田氏と伊勢田氏、瓜生氏、上谷氏、岡澤氏
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