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プロ待望の細ペン登場 refeia先生が「Pro Pen slim」を試したよ待望のクラッシックペン(1/3 ページ)

人気プロイラストレーターのrefeia氏がワコムの「Pro Pen slim」をレビュー。え、もう終わっちゃうんですかと冒頭から全開のお話です。

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 こんにちは! イラストレーターのrefeiaです。

 今回は、2019年2月にワコムから発売された「Pro Pen slim」を見ていこうと思います。Pro Pen slimは、「Pro Pen 2」を機能や性能をそのままにして、グリップを細くしたペンです。

Pro Pen slim
ワコムのクラシックペンタイプ「Pro Pen slim」。Pro Penシリーズで一番細い直径9.5mmのペン先です

 細くなりましたね! あとペンケースが付いています。おわり。

レビューは終わりましたが

 さて。

 レビューはこれくらいにして、ここからは、なぜ細いペンを大事な選択肢として見ておくべきなのか、なぜ今、重要度が増しているのか、はたまた、あわよくば“タダ”で得る方法は無いのか……について、お話をしたいと思います。

 Pro Pen 2世代のペンについては、2年前の記事ですが必要に応じてご一読いただければと思います。

Pro Pen slim
8192段階の筆圧検知に対応した「Pro Pen 2」

太ペンの歴史

 ワコムが最初に太いペンを標準採用したのは今から20年近くも前、2001年のことです。当時、初代Intuosから2代目に代わる時に、付属のペンが太くなりました。これは何となく太くしたというわけではなくて、ユーザーからの要望をくんだ結果です。

 当時、ワコムが参考にしたのがパイロットコーポレーションの「Dr. Grip」でした。

 太いボールペンやシャープペンシルが非常に流行していた時代を覚えているでしょうか。Dr. Gripは時代の要請によって生まれた製品でした。Intuosの太ペンよりさらに10年ほど昔、書類に手で記入する事務職や、その中でも常に高い筆圧が要求されるカーボン紙を、長時間書き続ける業務の苦痛を軽減する研究を元に開発され、それが一般的な用途でも恩恵があるとのことで、ヒット商品になりました。

Pro Pen slim
製図用として代表格の「STAEDTLER」や、太軸の代表格「Dr.Grip」との比較

 ではワコムのペンが太くなる、時代の要請とは何だったのでしょう?

 2001年当時、ペンタブレットは今ほど自然な描き味ではなく、軽い筆圧では神経質な反応を示していました。それに、ペン先は滑りやすく、SAIやCLIP STUDIO PAINTのような、優れた手ブレ補正を備えたアプリも(ほとんど)ありませんでした。

 そのような時代、ユーザーはどうしていたかというと、筆圧を上げて線を安定させるという対策を取っていた人が多かったと思います。筆圧を高くすると、神経質な軽い筆圧の影響を減らせますし、摩擦を大きくすることで引っ張る力で描くことができ、線を安定させることができます。

 ですが、高い筆圧にはデメリットがありました。疲れる、持ち手が滑る、指が痛くなる、ということです。

 ユーザーの中には自分でペンに何かを巻いて太く柔らかくしている人もいました。そういう人たちからの要望を受けて、ペンタブレットに柔らかく滑りにくいグリップのついた太いペンが採用されます。ペン先の方が太くなる逆テーパーの形状も、握る力をあまり上げなくても滑りにくくなり、疲れの軽減に役立っていたと思います。

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