新登場の「GeForce RTX SUPER」シリーズでNaviへの迎撃態勢は万全か(1/4 ページ)
NVIDIAは7月2日、新GPUの「GeForce RTX SUPER」シリーズを発表した、早速、GeForce RTX 2070 SUPERおよびRTX 2060 SUPERのパフォーマンスを見ていこう。
NVIDIAは7月2日、GeForce RTX 2070 SUPERおよびRTX 2060 SUPERを投入した。GeForce RTX 2080が2018年9月、RTX 2070が同10月、RTX 2060については2019年1月発売なので、リフレッシュモデルとしては多少早い印象だが、ライバルのAMDが7月7日に新CPUの第3世代Ryzenとともに新GPUのRadeon RX 5700シリーズを投入する。
NVIDIAとしては、ライバルに話題を持っていかれるのは避けたいという意図があることは間違いないだろう。まだライバル登場前なので、まずは「SUPER」を既存モデルと比較した。なお、発売が7月23日と遅れるGeForce RTX 2080 SUPERについては、後日改めて取り上げる予定だ。
2070 SUPERはTU104、2060 SUPERはメモリが8GB&256bitへ
さて、「SUPER」シリーズはTuringアーキテクチャを継続採用している。基本的に機能は同じで、コアのいくつが有効にされるのか、クロックをどのように設定するのかが従来モデルと異なるわけだが、仕様表を見て分かる通りGeForce RTX 2070 SUPERについては、RTX 2070がTU106だったのに対して上位のTU104に引き上げられている。
RTX 20シリーズの主な仕様 | |||||
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GPU | RTX 2080 | RTX 2070 SUPER | RTX 2070 | RTX 2060 SUPER | RTX 2060 |
コア | TU104 | TU104 | TU106 | TU106 | TU106 |
SMs | 46基 | 40基 | 36基 | 34基 | 30基 |
CUDAコア | 2944基 | 2560基 | 2304基 | 2176基 | 1920基 |
Tensorコア | 368基 | 320基 | 288基 | 272基 | 240基 |
RTコア | 46 | 40基 | 36基 | 34基 | 30基 |
ベースクロック | 1365MHz | 1605MHz | 1410MHz | 1470MHz | 1365MHz |
GPU Boost Clock | 1710MHz | 1770MHz | 1620MHz | 1650MHz | 1680MHz |
テクスチャユニット | 184基 | 160基 | 144基 | 136基 | 120基 |
ROPs | 64基 | 64基 | 64基 | 64基 | 48基 |
メモリ容量 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 6GB GDDR6 |
メモリ接続バス幅 | 256bit | 256bit | 256bit | 256bit | 192bit |
メモリデータレート | 14Gbps | 14Gbps | 14Gbps | 14Gbps | 14Gbps |
メモリ転送速度 | 448GB/sec | 448GB/sec | 448GB/sec | 448GB/sec | 336.1GB/sec |
TDP | 215W | 215W | 175W | 175W | 160W |
動作クロックに関しては、GeForce RTX 2070 SUPERが飛び抜けて高い点に注目だ。既存モデルは概ね1300〜1400MHz台だが、GeForce RTX 2070 SUPERは1600MHz台である。一つ上のGeForce RTX 2080と比べるとCUDAコア数、Tensorコア数、RTコア数は少ないものの、クロックの高さがどのように好影響を及ぼすか見ものといえる。
また、GeForce RTX 2060 SUPERについてはメモリバス幅が256bitとなり、メモリ転送速度が引き上げられるとともに、メモリ容量も8GBに引き上げられている。これからのGPUは8GBがスタンダードだということだろう。
採用するコアによってカードの外観にも違いが
今回入手したのはNVIDIAのリファレンスカードだ。
補助電源コネクタはGeForce RTX 2070 SUPERが8+6ピン(RTX 2070は8ピン1基だった)。上のGeForce RTX 2060 SUPERは8ピン1基(RTX 2060も同様)だ
GeForce RTX 2070 SUPERのリファレンスカードは、コアが変更されたことに伴い、カード長や見た目がGeForce RTX 2080搭載カードのようになった。同時にNV-Link×1が追加され、映像出力端子も2列目がDVIからDisplayPortに変わり、補助電源コネクタも8+6ピンに増え、RTX 2070の後部配置(RTX 2060も同様)から上部配置に変更されている。使い勝手はRTX 2080準拠だ。
一方、GeForce RTX 2060 SUPERのリファレンスカードは、RTX 2060やRTX 2070とほぼ同じだ。2つあるファンの間の型番に「SUPER」が追加されているだけしか外観に違いがない。映像出力端子や補助電源の構成も同じだ。コア自体はTU106のままなのであえて変える理由がなかったのだろう。
なお、GeForce RTX 2070 SUPERではコアがTU104へと変わったが、RTX 2070クラス、特に今回はZOTACの「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 SUPER AMP Extreme」を用意した。ZOTACで思い出すのが、ミニサイズカードを幅広く展開していることだ。GeForce RTX 2070 SUPERはTU104(ZOTACもTU104のミニサイズカードはリリースしていない)だが、RTX 2070級ならミニサイズカードが期待されるところ。TU104でも少しスペックが緩和されたことで実現するのがどうか、注目したい。
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