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モバイルワークの「柔なスタイル」を生かしつつ在宅型テレワークに最適化シリーズ「私とテレワーク」(1/3 ページ)

自宅で本格的に仕事をできるように、テレワーク環境を構築するにはどうしたらいいのか。PC USERには、以前から自宅で仕事しているライター諸氏が多数いる。彼ら彼女らからその極意を伺っていく。フリーランスライターの井上晃氏に伺った。

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 最近、仕事はどう?――友人との電話でよく聞かれる話題だ。筆者は、フリーランスのライターとして独立し、1年半と少したつ。新型コロナウイルスの影響もあって、単なる定型文ではなく「大丈夫か?」という心配を裏にはらんで尋ねられている。これに対して「家にずっといられるから、前より働きやすくなったよ」と冗談交じりで答えるまでがワンセットの挨拶だ。この返答は、半分ホントであり、半分ウソである。

井上晃

そもそもモバイル型のテレワーカーだった

 そもそも筆者は普段、主にIT関連のテーマについて一般読者向けの記事を執筆している。他種多様な仕事を受注するが、今のところ数が多い案件は3種類ある。1つ目は、都市部や海外で実施される企業の新製品発表会などに赴き、情報を速報記事としてWebメディアなどに執筆すること。2つ目は、製品の現物を実際に使ってみて、印象や使い方を記事として書くこと。3つ目は、雑誌やムックなどの誌面を編集/執筆することだ。

 これらの業務を個人で織り交ぜて進めるため、自宅に仕事机は設けていたものの、日中は都内をバタバタと取材で歩き回る時間が長かった。それゆえ筆者にとってのオフィスは、発表会場に設置されたパイプ椅子であり、移動中の飛行機や電車の席であり、発表会の合間に1時間立ち寄るカフェチェーン店の席でもあった。

 要するに、もともとモバイルワーク型のテレワークを実践していたと言える。執筆機材としては、2018年モデルのMacBook Pro(13インチ)をメインで携帯し、場面によってはiPad ProやiPhone 11 Proも執筆用に併用していた。

井上晃
以前から、こういったパイプ椅子に1〜2時間座りながらノートPCをタイピングして仕事をしていた

 しかし、昨今の外出自粛に伴って、同じテレワークでも在宅作業中心の環境に変化した。企業の新製品発表会や製品担当者へのインタビューなどは、Web会議ツールを用いてほとんどオンライン化されたので、ここ数カ月間の取材活動はノートPCの画面に向かうだけで済んでいる。「打ち合わせ」や「ごあいさつ」に関しても同様だ。

 従来は、移動で浪費されていた時間を有効活用できるようになり、カフェなどで待機時間を過ごすために支払っていた経費も掛からなくなった。これまで満員電車の中で、iPhoneのスワイプ入力で執筆せざるをえなかった原稿が、自宅の机に座ってノートPCで作業できるようになり、その分効率は上がった。

 筆者にとって、たまたま「働きやすくなった」と表現できるのはこういう事情だ。何より満足に仕事ができている点で、恵まれていると思う。

自宅のデスクは必要な作業に特化

 デスク回りの配置に関しては、利用時間が長くなったことに伴い、快適に作業ができるよう整えた。いろいろ試した結果、以前から運用していたMacBook Proを中心に据え、外部ディスプレイを1枚だけ拡張するシンプルな構成に落ち着いた。

井上晃
自宅では、ニトリで購入したデスクに2018年モデルのMacBook Pro(13インチ)を置き、21.5型のフルHD液晶ディスプレイ(ASUS「VS229H-P」)を1枚接続して縦に並べている

 モバイルワーク中心時代と同じく、現在もメインPCはMacBook Proのままだ。Windows、Chrome OSなども愛用してきたが、業務上の作業効率が良いという点で最近はmacOSが欠かせない。その上で、iMacやMac miniではなく、あえてMacBook Proを中心に構成しているのは、トラックパッドがキーボードの左右中央部に位置しており、キーボード入力とカーソル操作を滑らかに切り替えやすいと感じているからだ。

 もともと駅のベンチや飛行機内でマウスを使うわけには行かないからと、トラックパッドでの操作を意識的に徹底していたのだが、気付いたらマウスが苦手になっていたという事情もある。

 接続している外部ディスプレイが1つだけなのは、画面や機材が増えすぎるとかえって執筆への集中力が分散してしまうからだ。最大4枚の画面で作業することもできるのだが、2枚くらいがちょうどよいと感じる。ただし、写真や動画の編集をするには若干心許ない環境でもあるので、外付けディスプレイを現状のものから色域の広いワイドモニターに買い換えるか検討している最中でもある。現状、「Photoshop」や「Illustrator」ならギリギリ我慢できるのだが、「After Effects」や「Premiere Pro」になるとやや窮屈さを感じる。

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