レビュー
ウイルスソフトを使用するなど、PCのセキュリティについて何らかの対策を行っているという人は少なくないと思う。一方で自宅のセキュリティとなると、ちょっと敷居が高くなかなか導入できない。そして「“うち”に限って」と思ってしまうのだ。被害に遭うまでは――。
警視庁の調べによると、2007年中の都内における侵入窃盗の認知件数は1万3145件。前年に比べ4180件(−24.1%)減少したというものの、何の対策も講じずにいたら我が家にも泥棒はやってきた。財布だけの被害で済んだのだが、しばらくの間眠れない日々が続きナーバスになっていたため、4月にいよいよ引っ越しをすることにした。
転居先はもちろんセキュリティ重視で選んだ。入り口にオートロック、防犯カメラを備えたマンションで、部屋の鍵は一般的にピッキングされにくいとされるディンプルキーを採用。さらに2重ロック仕様になっている。
それでもやはり安心できずにいたのだが、新築賃貸マンションのため、工事が必要な防犯グッズの設置が難しく、正直対策に困っていた。
そんな時とある通販番組で気になる防犯グッズが紹介された。ドア用補助錠と呼ばれるもので、この製品に限っては設置工事や穴あけの必要がなく、簡単に取り付けられるのだという。早速試すべく、セキュアのドア用補助錠「セフィリオ リモコン・ドアロック SES-200」を取り寄せてみた。
本製品は電池式で、単3電池4本があれば作動する。製品名の通りリモコン操作で施錠、開錠が可能だ。3万円前後とドア専用補助錠としては一般的な価格設定だろう。
設置前に自宅のドア構造をチェックしておく。設置条件は外開きで、厚み30〜45ミリまでのドアであること。このほかゴム板などを用意することで、30ミリ以下のドアにも対応する。またドアとドア枠の隙間が1ミリ以上、本体とドア枠までの距離が105ミリ以内である必要がある。
やはり一番気になるのは「設置がどれくらい簡単なのか」ということ。複雑な取り付け作業は極力避けたい。身長156センチの人間としては、ドア上部に手を伸ばした長時間の作業もつらいし、イスや踏み台を持ち出すのも面倒なのだ。
設置のポイントとなるのは室外での厚さ調整と、室内の本体の位置(前後上下)調整の2点のみ。まず本体をドアにかけたところで、厚み調整に進む。設置の際は電池カバーを開け、3段スイッチ(ON、OFF、ENTRY)をOFFにしておく。ONのまま作業すると、異常を感知して大音量の警報が鳴る場合があるので要注意だ。
厚みの調整はドアの外側で行う。ドア前で長時間作業していると怪しまれるので、早急に作業を終えたいところ。本製品はドライバーなどの用意はいらないので非常に手軽に取り付けが行える。ちょっと背伸びをしてスモークカバーを外し、付属の工具をボルトの穴に差し込み時計回りにゆっくり回す。プレートが可動するので、本体が動かなくなるまで専用工具を回し固定させる。
これでスモークカバーを元に戻せば、室外での作業はおしまいなのだが、スモークカバーの取り付けに意外に手間取った。本体に差し込むスモークカバーの爪が短いため、折れないように装着させるのにはコツが必要。5回以上試行錯誤してようやく元に戻すことができた。
次に室内側での作業に移る。上部のロックカバーを解除し、本体の前後に移動させ幅を調整する。そしてロックピンを手前に引き、本体の底を押すことで上下の高さを変える。ロックピンを放すことで本体は固定される。最後に通信線を電池カバーの中に収納してほぼ完了だ。ここまでの作業にかかった時間は15分程度。ひとりでも何の問題もなく設置できた。
設置完了したところで、OFFにしていた3段スイッチをONにする。リモコンの赤外線部分をスモークカバーにかざし、施錠する場合は上のボタンを長押し、開錠する際は下のボタンを長押しする。施錠、開錠それぞれ異なった音で知らされるが、施錠、開錠の音は似ており若干判別しづらい。これが後述のトラブルにつながってしまうのだが。なお、施錠中に施錠のボタンを押すと「施錠済です」、開錠状態で開錠ボタンを押すと「開錠済です」と音声アナウンスが知らせてくれる。
設置も早々に完了したので、早速施錠ボタンを押してみた。施錠音が鳴った。「おっ。施錠された!!」と喜んだところで、試しにそろっとドアを引いてみた。ドアは簡単に開いた。音も鳴らないという非常事態発生!?
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